一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

Why Oboes Are So Expensive

2024年03月29日 | 動画
タイトルの通り「なぜオーボエは高価なのか」を、
製造過程を紹介しながら解説しています。

ボディの黒い木が近年あまり採れなくて品不足だと聞くけど、
なるほど現地ではこんな感じで切り出してるんだなあ

YouTubeの設定で日本語字幕を付けて見ると、
より分かりやすいですよ
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3 pièces pour quintette de bassons - Peter JANSEN

2024年02月16日 | 動画
YouTubeを漁っていたらフレンチバソンのアンサンブルが、
ヤンセンの「ファゴット五重奏のための3つの小品」を演奏してるのを発見
1番を吹いてるのはパリ・オペラ座管首席で、
レ・ヴァン・フランセでも演奏しているジルベール・オダン。

みんな音色がモコモコモヤモヤしてないから、
誰一人埋もれずクリアに聞こえてる。
楽器がよく鳴ってて素晴らしい
コントラが他の4人と音色がちゃんと揃って、
全体の中でのバランスもよく取れてるなあ

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トゥリーナのピアノ三重奏曲第2番

2024年01月04日 | 動画
いろいろあって間が空いてしまいましたが、
最近YouTubeにアップした'19年リサイタル動画より、
2曲目はトゥリーナのピアノ三重奏曲第2番です

トゥリーナは音楽史的には近代に属するスペインの作曲家。
YouTubeでこの曲を聴いて、とてもかっこいいのでやってみたいと思い、
志村寿一君に弾いてもらいました。
でも聴いたのは普通のピアノトリオ版、
つまりヴァイオリン、チェロ、ピアノでしたが。
チェロパートをファゴットで演奏してる動画はまだ無いみたい

曲が盛り上がるので思わず熱演になりました
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グリンカのファゴットソナタ

2023年12月18日 | 動画
諸事情により遅くなりましたが、
2019年のリサイタルで演奏した曲の中から、
いくつかYouTubeにアップしたので紹介したいと思います

1曲目はグリンカのファゴットソナタ。
この曲は本来ヴィオラソナタとして書かれましたが、
現在ではファゴットでも演奏されています。
原曲はニ短調ですがファゴットの音域に合わせてト短調に移調されています。
この曲はグリンカの遺作なので、
今ではファゴットでも演奏されているとはグリンカも知らないはず

コロナ禍の前、4年前のライブなので今聞くと細かな傷や、
気に入らないところがあったりしてちょっと恥ずかしいですが、
まあ聞いてやって下さい
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フンメル編曲の「田園」

2023年10月23日 | 動画
今年9月の「下関チェンバーアンサンブル 室内楽コンサートvol.7」から3曲目は、
フンメル編曲によるベートーヴェンの交響曲 第6番「田園」より第1楽章。

フンメルはベートーヴェンの8歳年下ながらピアニストとしては良きライバル。
彼はベートーヴェンの交響曲を1番から7番まで同じ編成で編曲しており、
これらは当時録音再生機器がまだ無かった一般家庭で演奏されて親しまれていました

オーケストラのパートをそのまま移してきたのではなく、
いろいろ考えられていて、ちゃんと室内楽になっているのが面白い。
今回はチェロの楽譜をファゴットで演奏しましたが、
編成が手頃なので他の楽器に置き換えも出来そうだし、
こういうのはもっと演奏されればいいよなあ

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ベートーヴェンの『街の歌』

2023年10月05日 | 動画
二つ目の動画はベートーヴェンのピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調『街の歌』。

本来はクラリネット、チェロ、ピアノの為に書かれたんだけど、
最初の出版からクラリネットをヴァイオリンに置き換えた楽譜も同梱されてたそうで、
ヴァイオリン、チェロ、ピアノで演奏することもあるし、
最近はチェロパートをファゴットで吹く事も多くて、
クラリネット、ファゴット、ピアノでも演奏されています

演奏して思ったけど、この曲は勢いがあってとてもいい曲。
作曲当時26歳の、活き活きとして迷いが無いベートーヴェンが想像出来る。
この曲が人気があるのも納得

次はクラリネットとやってみたいなあ
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ベートーヴェンのフルート、ファゴットとピアノのための三重奏曲

2023年10月01日 | 動画
9月10日に下関市生涯学習プラザで行った、
「下関チェンバーアンサンブル 室内楽コンサートVol.7」。
本番の動画をYouTubeにアップしたので紹介します

一つ目はベートーヴェン「フルート、ファゴットとピアノのための三重奏曲 ト長調 WoO37」。
ベートーヴェン15歳の頃の作品で、アマチュア音楽家の男爵の為に書かれ、
その家族達によって初演されました。

どの楽器も難易度結構高め
ファゴットはまあまあ高めの音域で延々と吹く事が多く、
彼の交響曲ではお目に掛からないような高音も書かれてて、
それなりに大変でした

フルートの石飛祥一先生は、
僕が中学生の時、部活に指導にいらっしゃっていたのをよく覚えています。
あれから時を経て今、同じ舞台でこうして一緒に演奏出来るのはうれしい限りです

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レヒトマン追悼

2023年09月01日 | 動画
5月27日のリサイタルで演奏した、
バッハのコラール幻想曲「来たれ、異邦人の救い主よ」と、
ウェーバーの「アンダンテとハンガリー風ロンド」の2曲は、
長年イスラエル・フィルの首席ファゴット奏者を務めた、
モルデカイ・レヒトマンさんによる編曲でした

彼はオーケストラ退団後も指揮や編曲、後進の指導に積極的で、
彼がニューヨークに滞在している時は、恩師ヒンデル先生から、
「彼のレッスン受けてみるといいよ。」と言われていたけど、
まだマネスで大学生をやってる身だったので、なかなかタイミングが合わず、
遂に教えを請うチャンスには恵まれないままでした

帰国後、彼が自分のリードメソッドを出版して、
宣伝の動画をYouTubeにアップしてるのを発見。
(過去記事「The bassoon reed - my system - by Mordechai Rechtman」
出版社に注文して入手し、いろいろ勉強させてもらいました。
(過去記事「オランダから到着」
YouTubeには他にも指揮者としての彼や、ファゴットを吹く動画がアップされていて、
その90歳超とは思えない、しっかり鳴ってよく響くいい音に圧倒されました

今年のリサイタルが終わってひと息ついたところで、
「そういえばレヒトマンさんはお元気なのかな?」と思い、
英語版ウィキペディアを見てみたら没年に書き込みが?
「ええっ彼亡くなってしまったのか。え?これって
そう、彼の命日は今年の5月27日。正にリサイタルの日。
気づいて鳥肌が立ちました。享年97歳。
そういえば最近93歳、94歳と演奏動画を上げてたけど、
95歳以降の動画は上がってなかったなあ。
今年のリサイタルは同じく演奏したガーフィールドさん99回目の誕生日でもあったので、
何だか忘れられない日になってしまいましたよ

日本でこんなブログ記事を書くのは僕くらいかと思うので、
ここにいくつかレヒトマンさんの動画を紹介しておこうと思います。
ショート動画も紹介したいけどブログに貼れないみたい

グリンカ「悲愴トリオ」のソロ。御年94歳

同じく94歳のドニゼッティ「愛の妙薬」のソロ
こんなの見ると振幅の大きいビブラートって必要ないよなあ。

息とリードのバランスがバッチリ取れてて素晴らしい
僕もこれくらいの歳になってもまだファゴット吹いていたいなあ
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ウェーバー「アンダンテとハンガリー風ロンド」

2023年07月03日 | 動画
プログラム最後はウェーバーの「アンダンテとハンガリー風ロンド」。
元はヴィオラ独奏とオーケストラの為に書かれた曲ですが、
ウェーバー自身の手でファゴット用に編曲されました
メロディーがどれも良いんだなあ

演奏するには長らくオケ伴奏かピアノ伴奏しかなかったんですが、
2000年代に弦トリオ版が出版されたので、それを使いました。
最後盛り上がる盛り上がる

終わった時のみんなの笑顔がとてもいい
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ドヴィエンヌ「ファゴット四重奏曲」第2番

2023年06月28日 | 動画
休憩の後はドヴィエンヌの2番の四重奏曲。
これもいい曲で大好きです。
第1楽章中間部で盛り上がる所がすごくいい

今回は3番の四重奏曲はやらなかったけど、
次の機会には是非やりたいなあ。
3番も素敵な曲ですよ

ドヴィエンヌといい、一つ前のガーフィールドといい、
ピアノ伴奏用に編曲された楽譜は出版されてないので、
これらの曲を演奏するには弦楽器と一緒にやるしかなくて、
今回は自分にとってほんとに貴重な機会でした

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ガーフィールド「四重奏曲」第1番

2023年06月24日 | 動画
リサイタル3曲目はガーフィールドの四重奏曲。
彼は元フィラデルフィア管の首席ファゴット奏者で名手として知られた人です。
僕がニューヨークに住んでいた時はまだオーケストラに在籍していたので、
カーネギーホールにフィラデルフィア管が来ると、
彼の生演奏を体感したくて毎回聴きに行ってました

今回のこのリサイタルの日は、偶然にも彼の99歳の誕生日
いつもなら「下関であなたの四重奏曲を演奏します」と連絡取るんだけど、
彼のホームページからメールフォームが撤去されて久しく、
残念ながら連絡取れずじまいでした

実はフィラデルフィアの街で彼と偶然バッタリ出会ってお話した事があり、
アメリカ在住時のとてもいい思い出の一つです。・・・って事を、
リサイタルにご来場の皆さんにはお話しましたね。

戦後間もなく書かれた曲ながら、
某レビューの言葉を借りると「モダンだけどコンテンポラリーではない。」
正にその通りで聴きやすく、内容も素晴らしい曲です。
日本ではあまり演奏されてないらしくてもったいない。
本番はみんなかなり熱が入りましたね
いや、楽譜通りやるとそうなるんだって
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バッハ「来たれ、異邦人の救い主よ」

2023年06月22日 | 動画
リサイタル動画2曲目は、バッハの「来たれ、異邦人の救い主よ」です。
クリックすると大きくなります。
元ニューヨーク・フィルのファゴット奏者で恩師のレナード・ヒンデル先生が、
リサイタルで演奏したのを聴いて以来、ずっとやってみたいと思っていました。
日にちはうろ覚えだけど2000年代だったと思うので、
今にして思えばこの楽譜が出版されたばかりの頃だなあ
早速取り上げるところはさすが先生

元々はオルガンの為の曲だけど、
いろんな楽器の為に編曲されている人気曲です。

バッハの宗教曲は日本では演奏される機会が少ないけど、
実は宝の山なんだよね
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ドヴィエンヌのファゴット四重奏曲第1番

2023年06月20日 | 動画
先月のリサイタルの動画をYouTubeにアップしたので、
当日のプログラム順に紹介していきます
クリックすると大きくなります。
先ずは1曲目、ドヴィエンヌのファゴット四重奏曲第1番。
ドヴィエンヌは音楽史的には古典派の人。
フルート吹きだけどファゴットも吹いていた彼は、
ファゴットの為の貴重なレパートリーを残してくれています。

ドヴィエンヌがファゴットと弦トリオの為のに書いた四重奏曲は3曲。
今回はその中から1番と2番を演奏しました。
どれも素晴らしい曲で大好きなんですが、
2番と3番は冒頭からファゴットと弦トリオが一緒に演奏するけど、
1番には弦トリオだけの前奏部分があって、
その雰囲気がコンサートのオープニングに相応しいと思い、
1番の四重奏曲から始めることにしました

まだつい先日の事なので、見てると手に汗握ってしまいますね
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Meet the Oboe D'Amore, with Ryan Roberts and Sherry Sylar

2023年04月05日 | 動画
ニューヨーク フィルが3月のコンサートで、
バッハの「マタイ受難曲」を演奏。
その時に活躍したオーボエ ダモーレについて、
公式動画で紹介

二人が演奏してる曲は「マタイ受難曲」に出てくる二重奏

現代のオーケストラで使われないのは惜しいよなあ
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Elgar: Romance for Bassoon, Op 62

2023年01月13日 | 動画
このブログではお馴染み、
イーストマン音楽学校ファゴット科教授で、著名な演奏家の
ジョージ・サカキニ氏のYouTubeアカウントを久々にのぞいたら、
エルガーの「ロマンス Op.62」がアップされていたのでご紹介。

文献によるとエルガーはファゴットを吹いていたそうで、
オーケストラで彼の「エニグマ変奏曲」を演奏すると、
ファゴットの事をよく分かって書いてる感じがしていつも感動する

いい音だなあ
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