美容室グレープス (飯田市) 店長&スタッフ・ブログ

飯田駅アイパーク広場前「美容室グレープス」(グレープス.com)のブログ。 
本店「スズキ美容室」(飯田市)の話題も。

着物で、セレモ二ー ② 振袖花嫁ファッション

2017年08月17日 | 着物で、セレモニー

Presented by  グレープス.com  and スズキ美容室.com 

and  スズキ美容室・訪問サービス.com  (長野県飯田市)

 

◆ 花嫁衣裳は、振袖。

この振袖は、成人式のためにあつらえたもの。

「振袖」は、未婚女性の第一礼装と言われています。

が、

実際、いまの時代、成人式のためにあつらえた振袖を

花嫁衣裳として着用されることはほぼありません。  ※1

結婚披露宴に、招待されたとき、来客として、参加する際に、着用するケースが、

最も多いのではないでしょうか。

 

当店のお客様で、あつらえの振袖をお持ちの新婦様から、

花嫁衣裳のご相談をいただいた場合でも、

振袖スタイルをご提案させていただく際は、

「お色直しの衣裳」としてのご提案がほとんどです。

 

しかし、お父様、お母様、あるいは、おじい様、お婆さまといった、

ご家族からプレゼントされる事が多い、

家族の愛情の証のような振袖を、

花嫁衣裳(式服)として、お使いいただくことが出来るのならば、

こんなハッピーなことはないんじゃないか…

と、そんな思いを込めて、

今回 このスタイリングにチャレンジしました。

 

◆髪は、日本髪。 髪飾りは、古典のかんざし。

小物も、はこせこ、懐剣、末広をそろえて、

和装花嫁としての格調を表現しました。

角隠しは、今回は、着用しませんでした。 ※2

 

髪をカジュアルにして、メイクもカジュアルにすれば、

街着として、ちょっとしたお出かけスタイルにもコーディネイトできそうな

明るく、ポップな色調の振袖ですが、

和装花嫁の王道コーディネイトで、

こんなに凛々しい花嫁さんになりました。

 

 

つづく。

 

※1  お嫁入り道具としての振袖

かつて、といっても、いまのお嫁さん世代のお婆様世代にさかのぼります。

昭和の時代の前半頃のお話しになりますが、 現在のような成人式がまだおこなわれていない時代です。

女の子が、振袖をあつらえてもらう機会は、もっぱらお嫁入り衣裳としてだったようです。     ※3

⇒ このブログでも取り上げている、谷崎潤一郎原作・市川崑監督の映画「細雪」。

この映画の中の1シーンにもそんな場面がありました。

◆ 「振袖」は、実は、仕立て方により、いくつかのタイプに分類されます。

まず、袖の長さにより、大振袖、中振袖、などと分類され、

花嫁衣裳として仕立てられる振袖は、大振袖で、身丈も長く、その裾には、お引きずりができるよう、

綿が詰められています。これを本振袖などと呼ぶようです。が、正確な定義があるのかどうかは、

わかりません。

貸衣装で、お嫁さん用の振袖と言えば、この本振袖を指します。

 

※2 角隠し

今回のコーディネイトでは、日本髪をしっかり見ていただくために、ファッションコーディネイトとして、着用しませんでした。

「角隠し」も、その成り立ちや背景に様々なエピソードが詰まった、興味深いアイテムです。

改めて取り上げてみたい題材です。

 

※3 振袖の裾に綿を入れる仕立て

かつて、蚕の産地で、商業が栄え、市街地には呉服屋さんが多くあり、花街としても栄えた飯田の街。

そんな着物が多く消費されたこの地でも、

嫁入り道具として、「振袖のお引きずりや」、「打掛」(いずれも、裾に綿を入れる仕立て)が用いられ、

一般の消費者が、晴れ着の「綿入れ」仕立を注文していたのは、第二次大戦後の昭和30~40年代ぐらいまで。それも、特別なお家での話。

と、聞きました。

その後は、一気に合理的思考になったのか?、

嫁入り道具のきものとしては、家紋付きの黒留袖が、人気になっていたようです。

嫁入り衣裳として、黒の振り袖を仕立て、婚礼後には、仕立て直しをして、留袖として使用された例もお聞きしました。

◆以上は、着物歴が60~90年の 当店のお客様、関係者様から、お聞きとりをさせていただきました。

ちなみに、

◆飯田の街で、日常着としてきものを着ていらっしゃる方が見うけられたのは、昭和の終りころから、平成の初めころ。

つまり、1990年代の初め頃までではないでしょうか。

 

 

 



最新の画像もっと見る