ともちの小さなGLOBE

人生は一期一会のLong and winding road。小さな地球儀をめぐる日々をブログにしました。

2008年2月 中東:UAEにて

2009-04-08 22:11:42 | 
ドバイ…

彼方に見える現在のバベルの塔に例えられる最上階が何階か公にならずに建設されている世界一の高層ビル。

ビルの建設ラッシュに沸くドバイは中東の中でも、一種独特の雰囲気を持つアラブ圏における多国籍国家に変貌している。
オイルマネーを源とする異常発展は驚きと言う他ない。
ショッピングモールの人工スキー場では灼熱の砂漠の中でスノースキーを楽しめる現実がある。

911に端を発したUSとアラブとの軋轢によって、オイルマネーがUSからドバイにシフトした事が、ドバイの発展を2次曲線的に加速している要因の一つである。

歴史を紐解けば、石油収入が無い時期、他の湾岸地域を含めペルシャ湾に面したこの地の民は天然真珠による収入に大きく頼っていたが、日本の御木本幸吉による真珠養殖技術の開発によって、この地の産業は大きな打撃を与えられた。
一方その頃、この国の基本構成は、砂漠を往来するラクダ飼い、真珠を潜って探す実戦部隊、陸上で真珠水揚げを待つ留守番部隊だったところに、イギリスが統治をしやすくするため、常に連絡が付く陸上にいる留守番部隊を統治の主人にしたとも言われている。
そこに石油によるビックマネーと発展が生じたわけで、非常に短期間の間に急激な発展をしている。
クエートの友人がこの事実をやっかんで、「急激に栄えた国は急激に滅ぶ」と言っていたのも意味深だ。
しかし、アラビアンナイトの世界もかくあるものかと彷彿する、煌びやかなドバイの夜を目の当たりにすると発展という言葉すら相応しくない爆発的な鼓動を感じざるを得ない。
慢性的な交通渋滞を緩和すべく、地下鉄導入も進められており、ドバイは完全な機能都市に変貌している。

また、モスレムのシーア派とスンニ派の違いは、キリスト教で言うカトリックとプロテスタントの違いに近いとも例えられるが、アウトドアレジャーに対して、この地ではモスレムの女性も参加しており、厳格なサウジと比べると非常にオープンな空気を感じさせている。
写真は砂漠での4WDツアー


一方、UAEのアブダビがソニーを買おうとしていると言うの、もかつてニュースであったが、これは石油枯渇の次を睨んでいるのも事実だ。
しかし自国の民が働ける環境を創りたいという意識はよくわかるが、この地で働いているのは西アジア諸国からの出稼ぎ者が多いのも事実である。
ドバイで大きく成功した産業としてアルミニウムの精錬会社(DUBAL社)があるが、ここでも出稼ぎ労働者が多くを占め、産業を支えている。
石油の次を睨んだ産業の確立が、この国の大きな課題に他ならない。
サウジ2560億バレルに対しオマーンが50億バレルと言われる残存埋蔵量集計の中でブルネイが最も少なく、10億バレルだ。世界の中で1国でも大きな産油国が無くなった時のクライシスは、オマーンの農場、ドバイの外国企業買収をより先鋭化する形で産油国の産業変化をもたらすイメージをあらためて強く感じざるを得なかった。

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