カレーの余韻 ( θ Θ θ ) ノ

2007年8月13日スタート
カレーをメインに、和洋折衷数多の料理の話題を。立食いそば屋さんのカレー、大好きです。

【立ち食いそば屋カレー】名代富士そば(JR神田駅前)

2013年03月08日 18時36分05秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー


久々に「富士そば」のカレーライスを食べました。
久々ですが、「これだよ、この味!」といった感慨など湧くべくもなく、
ただひたすらに迅速性と大抵の駅前にある利便性に有り難みを感じつつパクつくカレーです。

と、無下な評価で斬り捨てていますが、実はこのカレーには相当にお世話になっています。
古くはン十年前のシステムエンジニア時代、仕事が立て込んで徹夜が決定すると、
決まって同僚たちと連れ立って恵比寿にあるクライアントのビルそばの店舗で夜食を摂るために利用していました。
同行の仲間がほぼ全員そばかうどんを頼む中、自分だけは常にカレーライス。
連夜訪れるので、店員のおじさんと仲良くなり、そば用の天ぷらトッピングしてもらって、
「かき揚げカレー」や「イカ天カレー」といった珍妙なカレーを作ってもらっていたことを思い出します。
「どうする? 今晩も富士そばる?」が合言葉でした。

現在の仕事に移ってからは、外出や出張の頻度が大幅に増え、移動の合間に駅前の店舗に飛び込み、
パッと食べられるここのカレーライスが実に重宝しています。
さすがに現在ではカレーに天ぷらをトッピングするようなことはしなくなりましたが、
「さすが富士そば」と言うべきか、『カツ丼カレー』なる、
かつての自分の珍妙カレーを超える奇天烈カレーを供していたりします。
いわゆるカツ丼の「アタマ」をライスに載せ、その上にカレーをかけたモノで、結構な人気なんだとか。
自分にはヘビー過ぎるというか、クドすぎて一度だけで十分でしたが。

そんなワケでこの日もクライアントで長い打ち合わせの予定があり、
しかも昼食に割ける時間が限りなくゼロに近いほどわずかなものだったので、
迷うことなく飛び込ませてもらいました。そしていつものカレーライスの食券を購入。
待ち時間1分でありつくことができました。これもいつも通りです。
レトルトテイスト満点で塩っ気を強く感じる味は、
どんなに時を経ても、そしてどの店舗でもまったくブレることがありません。
その頑なさは、ある意味老舗の名店の心意気にも通ずるところがあります(笑)。
これからもこの富士そば、「多忙な日常のありがたき“友”」として、末永く利用させてもらいます。


【立ち食いそば屋カレー】万代シティ バスセンター(新潟)

2012年10月10日 19時43分58秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー





先日の新潟旅行を利用して、一昨年に訪れた新潟は「万代シティバスセンタ」ーの中にある立食いそば屋さんへと再び行って来ました。

「万代シティバスセンター」と聞いて、バスではなく、カレーを思い浮かべる人は相当なカレー好きか、地元の人々くらいなものでしょう。
そう、この「万代シティバスセンター」の中にある立食いそば屋さんが供する「カレーライス」が隠れた絶品だったりします。一度食べたら忘れられない、ノスタルジックな味のカレー。東京ではなかなか出会えなくなってしまった、いにしえを感じさせるライスカレーです。



券売機で「カレー(大)」(¥530)の食券を購入。カウンターに渡すと、丸皿に手際よくライスを持って、その上にレモンイエローのカレーをなみなみとかけてくれます。レジの横にはこのバスセンターのレトルトカレー。「あそこのカレーライスは美味しい」という評判に火がつき、ついにレトルト化に至ってしまったようで、ここ最近は、市内のデパートや駅のキヲスクなどでも売られているのを見かけるようになりました。



いつ見ても美しく、食欲をそそるルックスのカレーです。前回は並盛を秒速で平らげてしまい(あまりの美味さに)、「もっと食べたいなぁ……」と激しい後悔の念に駆られたので、今回は大盛りにしてみました(笑)。
味は見た目通りのなつかしい味。スプーンでカレーを掬いパクっと一口。まろやかなコクと昔懐かしいカレー粉の風味が口中に広がります。そして一拍置いてピリリとした刺激。唐辛子系ではなく、胡椒系の刺激です。これが思ったよりも強めに効いており結構なパンチ。この見た目とのギャップがたまりません。過剰な甘味や酸味などとは無縁の実直なカレー。それでいてスパイシーで奥深いクリーミーなコク味がしっかりと感じられる、実に完成度の高いカレーです。これまで食してきたあらゆるカレーの中で、間違いなく三指に入る激ウマカレーです。



思った以上にボリュームがあって、完全に自分の胃袋にはキャパシティオーバーでしたが、カレーの美味しさに助けられてしっかりと完食。米どころだけにライスも美味しく、これだけ極上なカレーが¥500そこそこで食べられることに小さな感動を覚えてしまいました。そう簡単に再訪できる場所ではありませんが、また、新潟を訪れることがあったら、必ず寄らせてもらいます。ごちそうさまでした!




【立ち食いそば屋カレー】名代富士そば・北千住店

2012年03月07日 22時00分14秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー







水戸方面へと出張。
途中、北千住にて東武線から常磐線へ乗り換えるにあたり、思いの外時間が開いてしまったので(といっても20分程度)、「軽く腹ごしらえでも」ということで食べた富士そばカレーです。実は富士そばのカレーを食べるのはかなり久しぶり。もしかしたら今年初かもしれません。それだけに、やたらと美味しく、そしてやたらと強い塩っ気を感じました。いいですねえ、舌にピリピリと来るこのメリハリの効いた味(笑)。やや少なめの“盛り”も自分にとっては丁度良し。さて、午後の仕事、がんばりますか。




【駅そばカレー】常盤軒 京浜東北線中央店 (品川駅)

2012年01月25日 19時19分43秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー






駅そばカレー好きの間では、ちょっとばかり知られたお店です。
JR品川駅を利用する人なら、ホーム上に漂うスパイスの芳しき香りに「ピクン」と反応したことがあるかもしれません。そして突然に「ああ、そういえばカレーが食べたいなぁ」という気分にさせられたことが一度はあることでしょう。かくいう自分もそのクチですが、なぜかこのお店の前を通るときに限って一刻を争うような状況が降り掛かっていたりして、なかなか暖簾を手繰ることができずにいました(イヤ、ホントに)。実はこの日もそれに近い状況だったのですが、異常にカレー気分が高まっており(朝に自作カレーを食べたばかりでしたが)、気がついたらドアをくぐって厨房のおじさんに「カレーライスください」と告げていました。

立ち食いそば屋の例に漏れず、ここも頼んでから供されるまでの時間が短いです。しかし目の前に置かれたカレーは立ち食いそば屋のカレーとは完全に一線を画すかなりリッチなルックスでした。まず、皿が大きく、ボリュームがある。ルウの色も一段深く美しい照りもある。そして大ぶりなブロック肉がこれでもか、というほどに入っています。漂ってくる香りも実に芳しい。



味の方ですが、見た目通りの深い味わいです。立ち食いそば屋カレーの常識を打ち破ってやろう、という意欲をひしひしと感じますが、一方でどこかそば屋らしい風味も確かに感じられ、オーダーを告げて待つことなく食べられる迅速性などと相まり、結果としてちゃんと立ち食いそば屋のカレーライスとして成立しています(あくまでも自分の主観ですが)。そして大量に入れられた「肉」。さすが¥530という、立ち食いそば屋のカレーにしては高めなだけあって、存在感抜群のいいお肉です。それがカレー専門店でもお目にかかれないほど大量に入っています(あくまでも自分の主観ですが)。「食べても食べても肉が減って行かない」という状況を、まさか立ち食いそば屋さんのカレーで迎えるとは思っても見ませんでした(笑)。

ということで夢中で食べ食べ、しっかりと満腹感を感じつつ完食です。噂に違わぬ立ち食いそば屋カレーの意欲作にして野心作。とっても美味しかったです。


【そば屋カレー】丸 花( 錦 糸 町 )

2011年02月24日 19時43分44秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー








創業120年という下町の老舗おそば屋さん。

このお店の名物が、何を隠そうカレー丼だったりします。なんでも、明治時代からの“超”が付くロングセラー商品だとか。それだけにTV(どっちの料理ショー)や、雑誌のグルメ特集などで採り上げられることもしばしばで、実際自分が1年ほど前に購入したカレー特集が組まれた雑誌にも、このお店が掲載されていました。

この日はやや腹ぺこだったことと、「せっかくの老舗そば屋さんなのだから蕎麦も食べたい」という欲張り心が働いたことで、カレー丼とたぬきそばがセットになった「カレーセット」(¥900)をオーダー。つい先日訪れた高崎の『三冨士』の「カレーセット」よろしく、「カレー+麺」の組み合わせによるハーモニーを愉しませてもらうことにしましょう。

待つことしばしでカレーセット到着。
カレー丼とたぬきそばのみならず、サラダ、お新香、お味噌汁まで付いちゃっています。本当はこれらに加え、カレー丼に入れる生卵(卵黄のみ)も付いてくるのですが、ストレートにカレーの味を愉しみたかったので、今回は「ギョク抜き」にしました。

まずはカレーからいただきます。
おおっと、思い切り甘いカレーです。「ドカンと来る辛味」ならぬ「ドカンと来る甘味」があって、かなり意表を突かれました(笑)。そう、ここのカレーは蜂蜜が加えてあるのです。これが人々から愛され続ける明治よりの味。シャキシャキとした玉ネギや膜を張った波打つカレーの表面が、いにしえを強く偲ばせてくれます。当時はさそやハイカラな味だったのでしょうね。


そばはやや柔らかめ。そばつゆの方は「濃いめの辛口」という江戸前そばらしいかっきりとした味。
嬉しいのは山菜がまばらに入っていること。これがネギや天かすなどと併せて多彩な食感を生み出し、そばを啜ることが楽しくなってきます。なかなかに考えられてますよね。

ボリュームもたっぷりで、なかなか他のそば屋さんにはない個性あるカレー丼を食べることができて満足。老舗中の老舗ですが、店主さん、従業員さん含め、気取ったところがなく気さくな人ばかりでとっても落ち着きます。
出前を頼んだのであろう、近隣のお店の店子さんがわざわざ出前の盆を自ら出向いて返却する光景を見かけましたが、これもこうした気だてのいい人々が営むお店だからこそなのでしょう。まさに庶民から愛され続ける下町が誇る名店。これからも長い歴史を紡いでくださいね。




【立ち食いそば屋カレー】大江戸そば・錦糸町東店

2010年09月01日 02時43分41秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー




総武線錦糸町駅の緩行線ホームにある立ち食いそば屋さんです。

立ち食いそば屋さんのカレーライスといえば、おおむね¥300台とか、¥400台あたりと相場が決まっていますが、ここのカレーライスはなぜだか¥500と少々お高め。しかしながら『大江戸そば』全店舗のカレーライスが高いという訳ではなく、たとえば神田駅構内の『大江戸そば 神田店』のカレーライスは¥390だったりします。なぜだかこの店舗だけ、なんらかの理由で値段が異なるようです。

味は「“富士そば”のカレーライスをマイルドにした味」と評すほかなく、味の傾向は『富士そば』や『本所そば』などと同様、レトルトカレー的です。しかしこう暑いと、脂っ気が強く、演出過剰気味の専門店カレーより、こういった無造作でさっぱりとしたカレーの方が身体的にはありがたかったりします。

立ち食いそば屋さんのカレーがその状況やたたずまいも含めて大好きで、それが高じてこんなブログを立ち上げてしまった訳ですが、こうして記事を綴り、過去のエントリに目を通してみると、意外とホーム上にあるお店を利用することが少ないということが判明しました。せっかちで雑踏が好きな性格だからか、電車を降りると一刻も早く商店街へ出たくなってしまうんですよね。それゆえホームのお店を利用することが少ないという訳です。

しかしながら、やはり立ち食いそばというものは駅が似合います。慌ただしく食べなければならない状況もいいですし、電車の出発時刻を気にして一心不乱に食べる人々もいい。そしてムアッとした店内の温湿度感もたまりません。それに追い打ちをかけるように電車がホームに流れ込む際のアナウンスやレール音がテンションを上げてくれます。

こんなに面白いものを看過する手はありません(笑)。ということでこれからはもう少し積極的にホーム上のお店の暖簾をくぐり、先の状況を愉しみつつカレーライスを食べてみようかと思います。


【立ち食いそば屋カレー】ゆで太郎・上野5丁目店

2010年06月21日 21時17分47秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー




久々の『ゆで太郎』カレーです。
いつからか、愛すべき陶器の白い丸皿から、やや素っ気ない黄色の楕円皿で供されるようになってしまった『ゆで太郎』のカレー。あのロゴ入りの丸いカレー皿、いかにも大衆食堂風な感じで大好きだったんですけどねー。自分がよく利用する中央区および台東区の『ゆで太郎』は軒並み黄色の楕円皿へと置き換わってしまいましたが、他地域の店舗はどうなんでしょうかね。

味はいつものゆで太郎カレーの味。ジャガイモは入っていませんが、意外と具だくさんで食べ応えがあります。サラッと二言三言でまとめさせてもらうならば、「ほんのりカツオダシが効いてて、シンプルなカレー粉の香りが立った正統派の日本そば屋風カレー」。こうしたテイストのカレーってありそうで意外とないんですよね。特に立ち食いそば屋系のお店では、ククレカレーを思わせるレトルトライクなカレーが圧倒的多数を占めるようになり、なかなかこうした和風テイストなカレーに出会うことは難しくなっています。

自分の知る限り、こうした日本そば屋風のカレーを供する立ち食いそば屋さんは、この『ゆで太郎』を筆頭に、有楽町の『新角』、門前仲町の『ちかてつそば』くらいしか思い当たりません。あ、そうだ。これは東京ではありませんが、新潟は『万代シティバスセンター』のカレーライスも同様の愛すべき日本そば屋風カレーを食べさせてくれる貴重なお店でしたね。

そんなことを考えながらむっはむっはと頬張る午後3:00過ぎのゆで太郎カレー。本日の東京は真夏日だっただけに、いつになく美味しく感じられました。ということで『ゆで太郎』様。ぜひ、これからもこの愛すべきカレーライスの味を守ってくださいね。


【立ち食いそば屋カレー】ちかてつそば(門前仲町)

2010年04月26日 21時36分09秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー





大好きな街、門前仲町にある立ち食いそば屋さんです。永代通りと清澄通りの交差点、東京メトロの出口の真横という絶好のロケーションにありつつも、『ゆで太郎』や『富士そば』、『小諸そば』などの洗練された立ち食いそばチェーンとは一線を画する燻蒸感溢れるディープな店構え。もちろん椅子やテーブル席などある訳もなく、一直線のカウンター一本のみという質実剛健さです(笑)。たまりませんねぇ、この亜空間っぷり。まさに男の聖域です(場所柄、おばちゃんもいましたが)。一体、どんなカレーを食べさせてくれるのでしょうか。

お客さんを待たせないようにするための配慮でしようか、食券機にコインを投入する前から「そば? うどん?」と確認を求められます。予期せぬ質問にかなり意表を突かれてしまい、「カッ、カレー、カレー、カレーです」とうわずった声で何故か3回も返答してしまいました(笑)。落ち着かねば。

待つことしばしでカレー到着。立ち食いそば屋カレーのいいところはこのスピーディーさ。家庭でカレーをよそってもらうかのごとく、ほとんど待つことなく供されるのがいいんですよね。麺類ならさほど待つことに苦痛を感じませんが、カレーの場合は、「いますぐ食べたい!」という強烈な欲求に導かれて入店するので、尚更のこと、「早く供される」ことが重要だったりします。って、そんなことどうでもいいか。

いい感じの楕円のカレー皿じゃないですか。さっそくいただきます。
おお、これは美味しい。和風だしの風味が強めに効いた、そば屋さんらしいカレーライスです。どことなく有楽町の『新角』に通ずるテイストでかなり理想に近いカレー。まさか自宅からほど近い門仲でこういったカレーと出会えるとは。

という訳で夢中で食べ食べあっという間の完食です。聞くところによれば東陽町にも同じ店舗があるらしいので、ぜひ、そちらの方も訪店してみたいと思います。ごちそうさまでした。


【立ち食いそば屋カレー】万代シティ バスセンター(新潟)

2010年02月27日 21時27分06秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー






「立ち食いそば屋カレー好きなら知らぬ者なし」と言われるほど有名な、新潟県は万代シティバスセンター内にある立ち食いそば屋さんのカレーライスです。

そばが主役の立ち食いそば屋さんでは日陰者扱いのカレーライスですが、ここでは堂々と主役を張っています。サラリーマンはもちろん、マダム、学生、おばあちゃんまで、老若男女問わず様々な人がカレーライスを食べているんですよ。もちろん立ち食いそば屋さんだけにそばを食べている人も多いのだけれども、カレーライスを食べている人だって負けちゃあいません。これまで数多の立ち食いそば屋さんでカレーライスを食べてきましたが、ここまでそばを啜る人とカレーライスを頬張る人の数が拮抗しているお店ははじめて。なんて素敵な光景なんでしょう。

さて、感動ばかりしてもいられないので自分もこの中の一員となって名物カレーをパクつくことにしましょう。やや気張り気味にカウンターのおばちゃんに「カっ、カレーライスください」とオーダーするも、「後ろの食券機で券買ってくださいね~」とたしなめられて小さく赤面。焦がれ続けた万代バスシティカレーを目前にして、少々焦りすぎてしまったようです。落ち着かねば。

カレーライスですが、「ミニカレー(¥370)」「カレーライス(¥460)」「大盛りカレーライス(¥530)」と3つの種類があります。美味しいことはまず間違いないので大盛りにしようかとも思ったのですが、初訪店ということもあってここは無難に並盛り¥460にしておきました。その券をカウンターに置くと待たずして皿に盛られたカレーが手渡されます。その瞬間に鼻腔をくすぐるなんともいい香りが。ここれはたまりません。

立ち食い用のカウンターは満員だったので、他のお客さんに倣ってお店の前のベンチに座って食べることにします。隣のお兄さんももりもりと美味しそうにカレーを頬張っていますね。さらにその隣の年配サラリーマンも同様。重ね重ね実に素晴らしい光景です。ささ、いただきましょう。まずは一口――

おお、これは美味しい!
和風だしの風味がしっかりと効いたそば屋カレーの王道的な味。しかしながら、それだけにとどまらない濃厚なコクを持っています。聞けば和風だしに白濁するまで煮込んだトンコツスープをブレンドしているとのこと。これで炒ったカレー粉を延ばして作るとこの極上カレーの出来上がりというわけ。なんとも手の込んだカレーです。しかもすべて手作りだというのだから恐れ入ってしまいます。

真っ黄色な見た目から、辛さの方は至ってマイルドなものを想像されるかもしれませんが、これが意外にもピリリと抜ける辛さがあるんですよ。チリパウダーの辛さではなくペッパー系の心地よい刺激で、一般的なお店ならば《辛口》と称して出てくる辛さです。スパイスもきちんと立っていて、「刺激のないカレーなんて」という辛口派も満足すること請け合い。人気が出るのも十分に頷けます。

有楽町の『新角』や『ゆで太郎』と同じく鰹だしが効いた和風カレーの王道を行く味。こうしたカレーに出会いたいからこそ、訪れる土地土地で立ち食いそば屋の暖簾を手繰っているわけです。そういった意味では、今回の訪店は、さらなる立ち食いそば屋カレーへの強い探求心・求道心を喚起させる大きな刺激となりました。いやぁ、本当に美味しかった。

PS:
あまりに美味しかったので、カウンターで売っていたレトルトも購入。1箱¥525と高めですが、家でもこの味を楽しめるのならば惜しくはない、ということで2箱購入。早く食べたいなあ。


【立ち食いそば屋カレー】名代富士そば・上野広小路店

2010年02月27日 02時21分04秒 | そば屋・立ち食いそば屋カレー






店舗数の多さから必然的に食べる回数の多い富士そばのカレーライス。先日食べた『万代バスシティセンター』のカレーライスと比べると、こちらのカレーはそば屋のカレーというよりは牛丼チェーンで食べるカレーに近い趣きがあることがよく分かります。

複雑なコク味と塩っ気の強さ、溶けきって形が確認できないタマネギ、そしてパサパサとした角切りの牛肉。パサついた肉を除けば紛う事なき牛丼屋カレーの王道を行く味。シンプルな旨味を持つそば屋のカレーとはかなり異なるテイストですが、これはこれで絶妙なチープ感がありなかなかに美味しい。400円台で食べるカレーらしい、ささやかな幸せと愉しみを与えてくれるカレーです。

自分はこのカレーに紅生姜を入れて食べるのが好きなのですが、店舗によっては用意されていない所も多々あるんですよ。ちなみにこの上野広小路店は紅生姜取り放題。これがあるかないかでここのカレーの楽しみ方は大きく変わると言っても過言ではありません(笑)。ここのカレーが牛丼屋で供されるカレーに通ずるところがあると思うのは、実はこの紅生姜の存在が大きかったりします。

余談ですが、このお店の近くの湯島天神で梅まつりが開催されていたので立ち寄ってみたのですが、生憎の雨で梅の花の淡い色彩もくすんだものに。どうも梅や桜を見に行く時って、決まって天候に恵まれないんですよね。そんなに日頃の行いが悪いのでしょうかねえ(笑)。