ヒメサユリの小径

花言葉は「飾らぬ美」「純潔」。









俗名ヒメサユリ（姫小百合）と呼ばれるこのお花は正式名称「オトメユリ（乙女百合）」。

正に乙女の様に清楚で可憐で儚げで、でも胸の奥に唯ひとつだけ大切なものをそっと持ち続けている様な真の強さも感じられる。

花瓶に生けられている様な大輪の百合ほど濃厚ではないけれど、控えめで柔らかいながらもいつまでも残る甘い香り。

そんなヒメサユリが三条市下田地区の高城城址跡で今、最高の見頃を迎えています。









景勝八木ヶ鼻と袴腰山に連なる高城城址跡のお山は標高３７３Ｍ。

毎年数回６３８Ｍの弥彦山を登る私は結構軽い気持ちで家を出発したのですが・・・・









山道は所々で急な箇所があるものの初級者向けといった感じ。
トレッキングシューズならば殆ど歩き易いです。

でもその山道の手前、登り入口までの急斜面には愕然（＞＜）
駐車場（ヒメサユリ祭り期間中は駐車禁止ですが）から入口までアスファルトの道路が暫く続いているのですが、ちょっと、この急斜面の角度は中々お目にかかれるものじゃありませんよ、ってな具合で・・・

『心臓破りの坂』ってこんな事を言うんだろうなぁ、と薄らぼんやり思いながら登山前にも関わらず、３度も水分補給休憩をしました＾＾；


山道を登り始めて５分後くらいにはヒメサユリが。
道沿いの両側にトラロープが張られていて、左右どちらにも沢山のヒメサユリが「がんばれ～～」って応援してくれてます（笑）



















ヒメサユリは新潟県、山形、宮城、福島県にしか群生していない大変貴重な植物。
環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種。国際自然保護連合では絶滅危惧種に指定されています。

ここから４ｋｍほどの山にも斜面一面を覆うヒメサユリの群生が桃源郷の様な美しさだったそうですが、数年前に心無い山菜取りの人たちが開花前の若い芽を踏み傷めてしまったとの事。
幸いにして踏み潰される事を免れたヒメサユリの花は群生と呼ぶには程遠く、ぽつりポツリと咲くだけ。
美しい花は更に花盗人によって乱獲されてしまい、あれほど圧巻だった景色は見られなくなってしまったそうです。

本当に胸が痛むお話です。


私が登った高城城址跡の小径も、「ひめさゆり保存会」の方々が何年もかけて背の高い草を間引き、登山道の整備を行い、愛でる人が気持ちの良い美しい小径へと惜しみなく手を加えて下さっているものです。
私たちもマナーを守って楽しみたいものです。










山頂へは断念しましたが、途中の８合目付近でお弁当を広げました。

そこから見えた景色。
遠くに守門岳。











感謝と感動の気持ちでいっぱいのヒメサユリの小径でした。