黒い老犬は電気ウナギイヌの夢をみるか

誰にでも人懐こく無防備な笑顔で近づくので、人からよく「犬みたいだね」と言われるのだが、最近それも意外とアリかなと思う僕。

映画クエスト

2015-02-21 07:16:12 | 子育て日記(過去~現在)

とある日曜日。

妻は以前から楽しみにしていた
舞台を観にお出かけです。
というわけで、今日は
黒犬1人で息子2人の子守りをする日。

さて、どうする?


 遊園地に行く。
>映画館に行く。
 家でゲームする。


*****

黒犬は子ども二人を連れて
映画館に出かけることにしました。

家のPCで上映してる映画を調べて
長男ロプロスと相談。
みんなの意見が一致して
「トランスフォーマー」を
見ることに決定しました。

妻を駅まで車で送り、
子ども2人と映画館へレッツゴー。
ポップコーンを買って、
ジュースを買って、
わくわくドキドキの
映画タイムの始まりです。

しかしそのわくわくドキドキは、
いつの間にかはらはらドキドキに…

映画開始早々ポップコーンを
全て床に撒く次男ポセイドン。

片付けている僕の目の前で、
今度はジュースを
床に落とすポセイドン。

それも片づけ終わって
ほっとしている僕に、
「パパ、おしっこー」と、
切ない顔のポセイドン。

その傍らで、
夢中で映画を見ているロプロス。

さて、どうする?


 ポセイドンだけ連れてトイレに行く。
>2人とも連れてトイレに行く。
 無視する。


*****

黒犬は子ども2人を連れて
トイレに行こうとしました。

しかし、
夢中で映画を見ていたロプロスは
「僕、これ見たいー」
と言うことを聞きません。
「じゃあ、ポッ君と一緒に
 トイレ行ってくるからね」
と言うと
「行かないでー」
と泣きます。
仕方ないので
「見たーい」と嫌がる
長男ロプロスを左手に、
「おしっこー」と訴える
次男ポセイドンを右手に。
それぞれ担いで
トイレに走りました。

…トイレから戻って
一段落して数十分後。

物語もクライマックスを迎え、
いよいよ最後の決戦場面。
そこで再びポセイドンは
信じられないような言葉を口にします。

「ポッ君、おしっこー。」

さっき行ったばかりじゃないの、
あなたってば。
何でそんなに膀胱が小さいの。

今からサイバトロンとデストロンの
最終決戦なんですよ。
一番いい所なんですよ。

仕方がないなあ、
また3人でトイレか…
と思って見ると、
なんとロプロスは熟睡中。

さて、どうする?


 ロプロスを起こして説得して
 一緒にトイレに行く

 ロプロスを寝たまま抱いて
 3人でトイレに行く

>ロプロスが寝ている間に
 速攻で行って帰ってくる


*****

「2分で帰って来られる。」

そう判断した黒犬は、
ポセイドンだけを抱いて
トイレに走りました。

トイレについて、
パンツをおろして、
用を足させて、
ダッシュで戻ろうとしたその時、

「パパーぁぁっ!
 ポッくぅぅぅぅんっ!
 どこぉぉぉーっ!」

スクリーンから遠く離れた
この場所からも認識できる、
強烈な泣き声。

ヤツです。
ロプロスが目覚めてしまったのです。
僕たちを探しながら泣き叫び、
クライマックス上映中の映画館を
走り回っています。


…さて、どうする?


 にげる
 にげる
>にげる




(2007年)

泣かせないで 泣かないで

2015-02-17 05:22:54 | 子育て日記(過去~現在)
「前へ、ならえっ!」

今日も、朝から
長男ロプロスの絶叫が聞こえてきます。

「前へ、ならえって、
 言ってんでしょっ!」

ロプロスの声はさらにヒートアップ。
続いて聞こえてくる、
次男ポセイドンの泣き声。

「やれやれ」と思いながら
階下におりると、
逆上したロプロスと
号泣するポセイドンの姿が。

「どうしたの?」
 ポセイドンに聞くと、

「お兄ちゃんがおこるの」
 とポセイドン。

「何でポッくんおこるの?」
 とロプロスに聞くと、

「あのね。ポッくんね、
 ぼくが『前へならえっ』って
 言ってるのに、
 前へならえしないんだよ。」

とロプロス。

だからお前、
何で「前へならえ」なんだよ。
ポっくん一人じゃんか。



* * * *

朝ごはんの後、
長男ロプロスは
黒犬先生とお勉強タイムです。

書けないひらがなも、
あと4つだけになりました。
最近、家中の壁とかドアに
案内板を書くのがやつの趣味です。



トイレには「トいレ」と書いた紙が
貼ってあります。
カタカナの「イ」はまだみたいです。

この日は
「わ」の文字に苦戦したロプロス。
何度も書き直しをさせられ、
イライラも最高潮です。

「今日はもういいよ」
と言ったのですが、
「いやだ!」
と涙目になりながら練習してます。
でも、やっぱりうまく書けません。

そこへ、オムツをパンパンにした
次男ポセイドンが登場です。

くさいっ。

やつのオムツの中には、
またもやカオスが詰まっています。


お構いなしに、
兄のとなりにちょこんと
腰をおろすポセイドン。

ロプロス最後の糸が、
そこで切れました。

「うぇぇぇん。
 ポッくんがくさいよー。」




* * * *

超天然素材、ロプロスのおかげで
僕の毎日はネタの宝庫です。
しかし、果たして幼稚園とかで
無事に過ごしていけてるのかどうか、
甚だ不安になります。

以前、母にそんな話をしたら、

「あんたの子どもの頃は、
 もっとひどかったわよ。」

だそうです。





(2007年)

証拠隠滅

2015-02-15 01:50:53 | 子育て日記(過去~現在)
二日酔いの黒犬は、
死体のように横たわっていた。

朝のうちは「遊ぼー」と
尻を叩いたり顔に乗ったり、
挙げ句の果ては僕の全身に
落書きをし始めた子どもたちだが、
僕のあまりのテンションの低さに
愛想を尽かした模様。
階下に降りて、妻と遊びはじめた。

全身落書きだらけの黒犬は、
死体のように横たわっていた。

最近かなりの高確率で
トイレを成功させている
次男ポセイドンは、
フルチン生活を卒業。
お古のパンツを履かせてもらっている。

今年高校1年生になる
従兄弟の名前が入った
分厚いパンツを履いて、
誇らしげに立つポセイドンの姿は、
正直、フルチンよりも笑える。

しかし、今日は
どうも調子が悪かったようである。

階下から響く妻の声。

「ポセイドン、
 お前っ!パンツにうんちしたなっ!」

ああ、失敗したのだね。ポセイドン。
妻の叱責は続く。

「トイレでうんちができない子は、
 パンツなんか履かないっ。
 パンツ洗う者のは誰だっ。
 オムツを履いてなさいっ。」

怒髪天を衝く。
惚れ惚れとするくらいの剣幕である。
フルチン生活に逆戻りのポセイドンが、
パパの助けを求めて2階にやってきた。

しかしそこにはパパはおらず、
落書きだらけの死体が
横たわっているだけだった。


*******

夕方。
ようやく動けるようになった黒犬は、
とりあえずトイレへ。
用を足し、水を流すレバーを回して、
黒犬愕然。

瞬く間に水位が上がってくる。
ていうか、水洗なのに流れてねえ。

「どーするどーする?
 溢れちゃうんじゃない?」

なぜか内股でパニック状態の黒犬。
その目の前…
ギリギリの所で水は止まった。

軍曹、危なかったでありますっ。
とりあえず最悪の状態は
回避できたようでありますっ。

ようし、黒犬2等兵。
ここは我が軍の秘密兵器、
「吸盤君」の出番だっ。

三階から、例の柄がついた
吸盤みたいなやつを
引っ張り出してきた黒犬は、
何度も何度も
ギュッポンギュッポンを繰り返した。

大抵の排水管の詰まりは
10回くらいのギュッポンで
解消されるのだが、
どうしたことか、
今回は20分近く繰り返しても
全く解消されない。
もう既に300ギュッポンを超えている。

詰まっているやつは、相当な大物。
「このトイレのヌシ」と呼んで
いいかもしれないです。魚神さん。

格闘すること、さらに10分。
ようやく便器の奥に現れた、白い影。
ゴム手袋を装着し、つまみ出すと…
それは、水を吸って巨大化した、
ポセイドンの紙オムツであった。


ポっくん。
怒られたのに、
また失敗しちゃったんだね。

しかし証拠隠滅を図るにしても、
トイレに紙オムツは
さすがに無理なんだよなぁ。




(2007年)

寝相クエスト

2015-02-14 11:10:24 | 子育て日記(過去~現在)
ロプロスの攻撃
>ロプロスは足をバタバタさせた。
>黒犬は7のダメージをうけた。
>ポセイドンはねむっている。

ロプロスの攻撃
>ロプロスは足を
 はげしくバタバタさせた。
>黒犬は15のダメージをうけた。
>ポセイドンはねむっている。

黒犬の攻撃
>「いたいよ!
 いいかげんにしなさいっ!」
>ロプロスにはきかない。
>ポセイドンはねむっている。

ロプロスの攻撃
>ロプロスは 
 「はぎしり」 を唱えた。
>黒犬は目をさました。
>ポセイドンはねむっている。

黒犬の攻撃
>黒犬は 「いびき」 を唱えた。
>ロプロスはねむっている。
>ポセイドンはねむっている。
> 妻 が目をさました。

妻 の攻撃
>「いびきっ!うるさいっ!」
>痛恨の一撃!黒犬に129のダメージ。
>黒犬は力つきた。
>ロプロスはねむっている。
>ポセイドンはねむっている。





(2007年)

スポーツ関連記事2/12

2015-02-13 04:22:14 | 我が自閉的人生
「教職員選抜、緒戦を突破。」
~黒犬選手予想通り全く使えず。

(2月12日 スポーツ放置)

▼2月11日(水)河川敷の町営グラウンドで行われた町内サッカー大会において、教職員選抜チームが緒戦を突破した。この大会に向けて1年中練習を重ねている他のチームに比べ、毎回寄せ集めのメンバーで参加していた同チームは過去18年間で1度しか勝利を経験したことがないという弱小チームであったが、本日歴史的な快挙を成し遂げたのであった。▼極端なスタミナ不足と味方の期待を裏切る消極的なプレーで注目されていた黒犬選手は、終始「オレは絶対に出ない」と主張し続けたが却下。第一試合後半に無理矢理出場させられた。味方からのアイコンタクトに視線をそらす。味方のキーパーがボールを持つと背中を向けて逃げる。スローインの時にはボールには近づかない。同選手が得意とする多彩な技で、味方からのパスを完全にシャットアウト。相変わらずの消極的ぶりを見せつけた。それでも黒犬選手の貧弱なスタミナはすぐに切れ、ベンチに「あと何分スかー」を連呼。前半終了まで果敢に味方の士気を下げ続けた。同選手の活躍で、前半は0-1でリードされて折り返し。後半へと勝利の期待をつなぐこととなった。▼そして後半に奇跡は起こった。教職員選抜が一挙に3得点をあげたのだ。もちろん黒犬選手がその時ベンチであったことは言うまでもない。10分後、「絶対に出ない」と半泣きで訴える黒犬選手の主張は却下。しょぼしょぼとピッチに立つ同選手の疲れきった背中を見て、チームメイトから「黒犬さんおじいちゃんみたいです」という声援が贈られた。▼後半ではフォワードを任された黒犬選手であったが、開始後わずか10分で早くもスタミナ切れ。ベンチに向かって「替わってくれ」と必死のボディーランゲージをするも、誰にも気づかれない。そのまま5分間妙な動きを繰り返しながら走り回る同選手を見て、ようやく異変に気づいたベンチが選手交代を審判に申し出た。試合結果は3-2。まさに歴史的な勝利であった。▼試合終了後、黒犬選手は携帯電話にメールが着信していることに気づいた。「こら、黒犬。どこ行った。ロプロスが泣いてるぞ。妻」といった内容。2日連続になるこの後の飲み会に参加する旨を同選手が妻に言いだせるかどうか、今後の動向が注目されている。