巣窟日誌

お仕事と研究と私的出来事

「湖」ができてる!

2006-05-20 19:57:24 | 日記・エッセイ・コラム
Pool

本日の午後の突然の豪雨にて、庭の一角に巨大な水たまりが出現。
わたしが「池ができてる!」と口に出す前に、家族が「湖ができてる!」と叫ぶや、ゲラゲラと笑い出した。

このところの天候不順で、庭はイノシシがヌタ場に選びそうな装い。外溝工事は一向に進まず、ここをテリトリーとするニンゲン様はため息ばかりである。

これじゃあ、ムカデも出るわな。


縁起の良いものに噛まれたからには…

2006-05-20 00:06:11 | 日記・エッセイ・コラム
雨が降りそうだったので、出がけに玄関の傘立ての中にあった傘を取り出した。でも玄関を出ると降っていない。しばらくそのまま傘を持って歩くこと10分。すると

「痛!」

傘を持っていた右手の親指と人差し指の間あたりが、刺すように痛い。

なにごとかと思って見ると、なんだかツヤツヤした足の長い虫が、閉じた傘のすきまから1cmぐらい顔を出している。

「ゴキブリ? でもゴキブリって噛みついたっけ?」

そこで傘を逆に持って振ってみると、傘のなかから歩道に落ちたのは、体長10cm強の、あの足のいっぱいあるヤツ。ほら、漢字で「百足」って書いて、英語でも同じく "centipede" ("centi-"は「100」、"-pede"は「足」の意) っていうヤツ。

(心の中の叫び→)「ムカデーーーーーーーーーーーエエエエエエエエェェッ!」

わたしはムカデに噛まれてしまったのだ。一瞬でもゴキブリと思ったのは、全体像が見えなかったからだった。最近の天候不順は、ムカデにとっては「しっとりしてとてもよい天気」だったらしい。

ムカデが庭にたくさんいることは知っていた。大きな石を動かしたりすると、ムカデが下にいることが多いし、古い家に住んでいたときには、秋の長雨の季節にかなり大きいヤツがいきなりキッチンにあらわれたことがあり、わたしは大絶叫したものだ。そのときは母がハサミを2丁もって颯爽とあらわれ、左手のハサミでムカデの体を押さえ、右手のハサミでムカデをチョキチョキと切っていったものだった。 しかし、今回は公道上でのできごとだ。叫ぶわけにもいかないだろう。

本能的に噛まれた箇所に口をあてて、吸出を試みること10分強。いったん中断し家に電話をかけて「ムカデに注意せよ」と母に連絡したのち、吸出しを再開。右手を口にあてた姿勢のまま、ドラッグストアへ駆け込んだ。

「ムカデに噛まれたときにつける薬をください」

店員さん3人が首をかしげ、1人がどこぞへ電話をかけて相談したうえで、最終的に出されたのはムヒアルファEX。外箱の絵(「このような虫刺されに適しています。 ダニ・ノミ・毛虫・ムカデ・クラゲ」)を見ていかにも効きそうなので早速購入し、道を歩きながら塗布してみる。

幸い大事に至らず、患部が少し腫れて痛いぐらいで済んでいる。が、生まれて初めて噛まれたゆえにこれで済んでいるのかもしれず、二度と噛まれないように注意しないといけない。、ひとによっては、ムカデの神経毒でアナフィラキシー・ショックを引き起こすかもしれないからだ。

さて、買い物を済ませて帰宅すると、ダイニング・テーブルの上に保険証が置いてある。「ひどいようだったら病院へ行け」という母のメッセージらしい。

しかしその母、「辞書で調べたら、ムカデは縁起が良いんだってよ」ともおっしゃる。確かに広辞苑によれば「客足がつく、おあしが入るなどといって縁起がよい動物とされる。古来、神の使い、または怪異なものとされ…」とある。

縁起といえば、家の周囲にはヤモリも結構いて、これは「家を守る」ものとされている。家の建て替え中に建築現場にヤモリが出たときは、職人さんたちが「ヤモリだ。これはすごく良いんだよ。」と喜んでいた。

古くから庭にある万年青(オモト)も、新しい家の近くきちんと植え替えておいた。(解体業者さんが、「万年青がずっと庭にあるなんで、縁起がいい」と盛んに言っていた。)

それに最近わが家では、産土神(うぶすなのかみ)様よりも先に、お供え物をかじったというノラネコが、招き猫よろしく玄関前に鎮座していることが多い。

わたしは縁起のよいものに囲まれているのだ。そしてトドメのように、縁起の良いものに噛まれたからには、これでわたしにも御足がまわってくるに違いない。

…っていうか、はやくまわってきてくれよ、おかね。