左側ははじめて写真に写るノラであるが、おそらく去年の夏、多産なお母さんから生まれた1匹であろう。ネコポリスの住民にふさわしく、またも貧相である。
右側に写っているのは、わたしがゴキリョウと呼んでいるネコ。実はゴキリョウはメスで、最近誰かが彼女の避妊手術をほどこした。また、彼女は多産なお母さんの娘である。なぜこんなことがわかったのかは、長い話になるので次回に説明したい。
左側のネコが座っているのは雑草を防ぐ長いシートの上だ。人間が通路確保のために敷いたこの雑草シートは、昼夜を問わずノラネコたちのお気に入りだ。ここでは場所取りをめぐって、しばしばネコ同士の争いが起こる。
とめ具で地面に固定されていないため、風が強いに日になると、このシートは風に煽られて折れたりシワがよったりする。しわがよってできた空間もネコが大好きな場所だ。
母の話によると、ある風が強い日、シートの真ん中辺りにが折れ曲がり、大きなシワがよっていた。母はシートのシワを伸ばそうと、シートの片側を両手で力強く引っ張った。
ん? シートが異様に重い…と思ったら、シートのシワでできた空間の中からノラが1匹ゴロンと転がり出てきた。突然のできごとに母はびっくりしたが、出てきたネコもワケがわからず、目を丸くしたまましばしお互いにみつめあっていたらしい。
ところで、この写真を撮った直後に、この2匹はわたしに警戒していなくなってしまった。30分後同じ場所に、これまた見かけたことのない白っぽいネコが座っていた。やはり貧相だった。さらにまた30分後に、先ほどの2匹が何もなかったかのように、シートの上でくつろいでいた。
みんなそんなに好きなのか、雑草シートが?