fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

cloverfield:

2008-04-21 00:00:00 | film・bilder++

『クローバーフィールド/HAKAISHA "CLOVERFIELD" (2008, 米, マット・リーヴス監督)』を観に行きました。
日本版の副題"HAKAISHA"は怪獣好きプロデューサー、J.J.エイブラムスが直々に指示したものだそうですね。


怪獣映画ファンなら、やっぱ観に行きますって☆
全体的には"月並"を延々積み重ねた感じ。
(『ゴジラ』に『ガメラ』、『キングコング』に『原子怪獣あらわる』などのオマージュ満載)
ですが、既によく知られている通り全編カムコーダ撮影であり、ドキュメンタリー・タッチになっていて
そこがこの作品のウリであります。

一般市民1人の独白で進むので、当然ながらストーリーはあってないようなものですな。
でもそんなもの始から誰も期待しちゃいませんて。
「Don't think, feel.」である。総じて編集・演出の妙が巧いので、それは容易いはず。
最近の映画ってば、変に洒落たテーマを取って付けたように持たせてみたり、
妙にゴチャゴチャしたアウトラインだけ先走ったりして、
映像の巧みが全然伴っていないことが少なくない(特に邦画)なんだが、
この作品は巧いこと逆を行っております。
逆を行こうとして俗に言う"監督のマスターベーション"になることはよくある話ですが、
クローヴァーフィールドはその宣伝段階から既にこの状態を脱出した。
情報化の恩恵でか、映画界の情報公開はいつしか
"製作サイド→観客側"一方向の流れしかなくなったが、作品のスタッフはこのネット社会を逆に巧く利用した。
つまりYouTubeやスナップ写真満載サイト仮想の会社のサイト(タグルアト社)仮想の環境保護団体のサイトなどを駆使し、
観客自らが、数少ない作品の情報を捜し求めるといった、ある種古風な映画マーケティングを実現して見せたのである。
実際俺も散々調べたしな(笑)。

さて、内容は結構シークレット扱いされているようなので、詳しいレヴューは控えます。
ホトボリ(?)が醒めたらまたいづれ。次回作の時にでも。

上手いねぇと思ったのが、"最高の日"を撮った上から間違って"最悪の日"を被せて撮ってしまった、という設定になっていること。
パニックの途切れた合間合間に、何気ない穏やかなシーンが流れて良い感じです。
そうそう、ストーリーは大してないなんて書きましたが、そのバックグラウンドは実に壮大なスケール。
膨大な情報量を伝えるのに言葉ではなく、映像の力をふんだんに用いている所、実に好感が持てる。
この映画、最初から最後まで結局謎だらけですが、注意して観ていると解読に役立つキーは沢山転がっているような気もします。
例えばエンドロールに入る10秒ほど前(つまり"最高の日"において海を映しているシーン)、
よく目を凝らすと元凶とも思われるナニカが映っているのですが、気付きました?

ちなみにネタばれを1つ。
東宝怪獣映画を想起させる伊福部調エンドロールは
"ROAR! (Cloverfield Overture)"という素敵タイトル(…エンドロールにしてOvertureとはこれ如何に?)ですが、
この最後にノイズと共に小声が入っています。
これ、登場人物であるロブが「Help us !」と言っているのを逆再生しているもので、
そのまま「It's still alive !」と言っているように聞こえるそうな。

次回作はまたこの5月22日を、別視点から描いたものになるそうで。
この設定ならかなりシリーズ化できそうなんですが…
個人的には映画作品に拘らず、何らかの形で6本作られるんじゃないかなんて思っているんですが…
まぁこれも根拠は自分で探し出したものなので、あまり言いません(間違ってる可能盛大だし; 笑)。

とりあえず、製作陣の日本製怪獣オタクっぷりが、何となく嬉しかった映画でした。
癖が強くて好き嫌いがクッキリ分かれそうですが、
私はお奨めですよ☆

そうそう、日本のweb限定で漫画化が為されています。
設定も内容もかなり異なりますが、こっちもこっちで狂っててイイかも。

Cloverfield - Trailer


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