家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

道路に描かれた線

2013-09-27 07:45:30 | Weblog
天竜川の堤防を走っていた。

私は前から7番目。

先頭はトラックで後続車両の全部が制限速度50Kmを正確に守っていた。

私の後ろのオレンジ色の軽自動車のお嬢ちゃんが私の車に接近したり右側に出たりしてあおる。

右がだめなら、と今度は左側のラインを超えて草むらスレスレに走る。

私には大きなストレスだ。

彼女は私にプレッシャーを与えようとしているのだから当然だ。

少しイライラしてきた私。

私をいじめたところで全体のスピードが速まるわけでもなし。

彼女が再び右側に車を移動させたとたんに私は左に寄せてやった。

「抜けよ。抜けるもんなら」という順法意思表示。

一瞬で私の意思を感じ取った彼女は、その後しばらくの間だけは大人しく車間距離を取って走った。

だが5分も経つと再び左右に動く。

「お前のようなぞんざいな女は嫁になれない」とイッチバン傷つきそうな言葉を投げかけてやりたかった。

これが20分も続いて、やっと別々の道に別れた。

山道に入って今度は私の後ろの4駆の爺様がセンターラインを越えて付いてくる。

今度も複数台の車が順序良く並んで走っていて先頭はバスだ。

イエローラインも無関係な爺様は長い間右側の車輪をラインの外に出して走った。

次の信号機は右折用のレーンがある。

そこに向けて一目散に私を抜いて走っていく。

「やっと曲がれるね」とヤレヤレと爺様の身の上を心配した私は胸をなでおろそうとした。

次の瞬間右折せず、そのままバスまで一気に抜き去り悠然と先頭に躍り出た姿を目撃した。

赤色灯を回しサイレンを鳴らした救急車両だって信号機内は慎重に走るのに。

「お前のような身勝手なジジイは面倒見てやらん」。

お嬢ちゃんの行動は違法ではない。

しかし最低のマナー違反だ。

私の心を乱した。

爺ちゃんは全く違法。

どちらも大迷惑だった。





浜名湖アートクラフトフェアに行ってきた

2013-09-26 07:53:44 | Weblog
浜名湖アートクラフトフェアをやっている浜名湖ガーデンパークに急いだ。

10時からの開催で、その時刻には到着していたが車を止めるのに長蛇の列に並んだ。

いつものように会場で私は妻と別行動。

見たいものが違うし、お互いに相手に無理強いしたくない。

意見を聞きたいときには電話すればよい。

静岡文芸大のテントに行く。

ここではアルミを溶かして好きな形のものを作らせてくれる。

私には作ってみたい形があった。

以前も同様に作ったものがある。

動物の肉球を模して苗字にした表札だ。

今回は私のサイン。

モーガンを前から見た図になっていて苗字も入れてある。

受付で500円を払ってテーブルに着く。

デザイン用の用紙を一枚と薄い発泡スチロールを受け取る。

既にデザインは決めてあるので世話係の大学生に描いて見せた。

それを発泡スチロールに写す。

発泡スチロールの表面がザラついているのとマジックが使い込まれていてすんなり描けない。

世話係からアドヴァイスを受けてから発泡スチロールを切っていく。

糸鋸のような形のものでボタンを押すと鋸の部分に電気が流れて、その熱で切っていく。

どうも手が震えてまっすぐに切れない。

見かねた世話係の大学生が「やりましょうか」と言ってくれる。

「ああ、そうしてくれる。ありがとう」即座に渡した。

さすがに手つきも良くまっすぐに、スムーズに切っていく。

やることのなくなった私は写真を撮りながら見守っていた。

作業が終わり次の工程に世話係が持って行ってくれた。

発泡スチロールを缶に入れて砂に埋め込み、そこに溶けたアルミを流し込むのだ。

出来上がったと喜んでいると、どうやら失敗だったようだ。

線が細すぎて折れてしまった。

ある程度予想はできていた。

返金を受け取って丁寧に世話係に感謝と謝罪を伝えた。

妻が言っていたように「こんなことでも無かったら若い子と近づけない」。

作品が残らないと、その若い娘と一緒に作業したという記憶だけが残った。

講師は沖藤典子氏

2013-09-25 07:23:11 | Weblog
「元気よく機嫌よく老い迎え」の文字が正面のスクリーンに出ていた。

講師である沖藤典子氏は作家だがご自分の体験をもとに伝えてくれるので説得力がある。

国連の高齢者のための5原則というものを説明された。

1991年に出された

①自立 ②参加 ③ケア ④自己実現 ⑤尊厳

というものだ。

私には、まだ少し早いかなという思いと講師の女性の立場での説明であるということを除けばすんなり受け取れるものだった。

まだ早いという思いは3人の親を送り出した自分の体験も手伝っている。

種々の統計を出されて説明された。

数字やグラフにすると分かりやすくなる。

自分と比較したり日本と世界を比較したりして学ぶ。

各国の感じ方の違いは面白かった。

日本、アメリカ、韓国、ドイツ、スウェーデンで60歳以上男女の比較だ。

「生きがいを感じるとき」は「子供や孫など家族とのだんらん」というのが多かった。

これは、どの国も同じようだと思った。

日本の場合には2番目に「趣味に熱中するとき」ということが入ってくる。

これは人間関係と違うところでの幸せ感だ。

私の場合には「夫婦でのだんらん」という事項が入ってくるが、これは日本のみならず各国において意外と低い数字だった。

講師の話がもっとも私にピッタリだと感じたことがあった。

ネコ好きの男に悪い人はいないという数字にも統計にも表れない部分だった。

まるで私のことではないのかと思って気を良くした。

他愛もない言葉だが確かにそんな言葉でも嬉しくなれる。

ちょっと軽いハッピーな奴だという自分を確認し今年の社会人大学の受講は終了した。





北の丸に泊った

2013-09-23 08:48:00 | Weblog
急にいただいたチケットで北の丸に泊れることになった。

二人ではもったいないので友人を誘って4人で楽しんだ。

和風の建物が心を落ち着かせてくれる。

手入れの行き届いた庭に吹く風まで心地よい。

里山は見慣れている私にも不自然さを感じさせない手の入れようだ。

露天風呂から見る景色食事しながら見る景色。

それぞれ完璧だ。

気分は上々で乾杯をする。

従業員の対応も丁寧で気配りを感じさせる。

普段の質より量的な食事内容を反省したくなる。

だが毎日のことなので今日明日だけが特別なのだと自己に言い聞かす。

時間をかけて少しずつ食べては飲み且つ会話を楽しむ余裕。

珠玉の時間だ。

会話の続きは部屋に戻ってから。

初老同士の会話は時間制限を守る。

ゆっくり過ぎた時間は大切に使った時間でもある。

お互いの部屋に分かれて程よい空調でゆったりした眠りについた。

翌朝は風呂に入れる時間の来るのが待ち遠しかった。

日が変わると風呂も変わり昨夜とは違う風呂を楽しむ。

背中に当たる岩の感触が心地よく少し涼しい風を避けて湯船に身を沈める。

朝食の時間も、これまた待ち遠しい。

地産地消という贅沢を存分に味わう。

良いのか悪いのか確実に身になるという実感。

免疫を極端に上げて心身ともに健康になった。

その対価としては申し訳ない程度の出費で済むことがありがたい。

「また来たいね」皆がそう思った。

だがまた来られるかどうかわからない。

安く宿泊できるチケット次第ということだ。

高嶺の花に手が届くのは、めったにあるものではない。




実は木が倒れていた

2013-09-19 07:52:09 | Weblog
昨日に続き今日も春野に行った。

気が付いた。

1本の杉の木が倒れてコナラに寄りかかっている。

「どうしたものか」

そんな時お願いするのはY爺さん。

チェーンソーは、たまたま昨日久しぶりにエンジンをかけた。

いったんかかるが、すぐに切れる。

キャブクリーナーをエアークリーナーの口から吹き込んでやる。

いったんかかっている時をねらってやったのが功を奏したらしい。

今日は1発始動で調子も良い。

力強い排気音でチェーンの回りも良い。

「こりゃあコナラを切っても落ちんかもしれんぞ」と言う。

複雑にからんで止まった杉の木は、その重みが回りの物とバランスしている。

まず、その支えるコナラを切ることに。

左側に落ちてくるはずなのに左側から切れという。

チェーンソーをかけてコナラを切り始める。

「こちら側をある程度切ってから反対側から切る」と独り言。

急に右肩にポンポンとY爺さんの手。

慌てて逃げた。

「今少し木が動いたでなぁ」

少し様子を見て再度切り始める。

再びポンポン。

慌てて逃げる。

杉の木の下敷きになりたくない。

結局らちのあかない私のやり方にしびれを切らせてY爺さんが直接手を下す。

いつも通りだなと感じた。

コナラはあっという間に倒れ私もY爺さんも安全であった。

「どうも切れ方が良くない。片方の刃が研げてないんじゃないか?」

指先で刃に触って研ぎ具合を見る。

私の目立ての下手さが、こういう時に表れてしまう。

「杉の木だったら吸い込まれるように入っていかにゃいかん」と言われた。

「これとこれを細かく切ってここに横にしときゃいいで」と言い残して去って行った。

言われた通り倒れた木の処理をした後念入りに目立てをしてみた。

だがそう簡単に目立てができるわけはない。

森林組合の人が先日Y爺さんの樫の木を切った時には、まるで大根を切るようにすんなり切れたと聞いた。

そこまででなくとも杉の木をすんなり切れるようには研ぎたい。

台風18号の痕

2013-09-18 07:59:49 | Weblog
台風18号は我が家に当たり前のように雨漏りをもたらした。

雨の降ってくる向きが違うし風の強さも段違いに強いから仕方がないと諦める。

雨が止み通り過ぎたはずの15号だが一向に風が止まない。

かなり遅くまで突風が吹き荒れていた。

天竜区に避難警報が出された。

春野が心配になったが、こんなときにノコノコ出ていって足手まといになるくらいなら明日にしようと思い近所を散歩した。

台風一過とは言えないグズグズした天気模様だ。

いつもの散歩コースにある街路灯が倒れかけていた。

消防隊が、それ以上倒れないように処置してくれていた。

小学校の隣にある梅の木が根こそぎ倒れている。

川の水位は高いが危険は去っている。

川の横に立つ木の枝にとまるサギたちが心なしか疲れているように感じてしまう。

春野に向かう途中天竜川の水が多いことに気づく。

泥色をした水がとうとうと流れる。

途中信号も道路もいつも通りの姿で安心感が増す。

さて春野に到着して敷地を一周してみる。

ほぼ被害はない。

株立ちのモミジが1本倒れている。

それだけだった。

倒れた部分を切り取って捨てた。

ケヤキの枝がいやになるほど落下していた。

拾っては捨てに行く。

カラ沢の名前を持つ我が家と隣との境の沢に珍しく水が勢いよく流れている。

「いつもこのくらい流れていればいいのに」と安心したから出る言葉。

「その昔この沢で鉄砲水が出た」という話をY爺さんから偶然聞いた。

そういえば堰堤がこしらえてある。

いつもがカラであっても今回は分からない。

自然はいつも危険。

講師は再び藤田紘一郎氏

2013-09-14 08:50:16 | Weblog
毎回メモを取るが前回のメモを開いてみると全く同じ出だしだと確認した。

去年10月4日の講演とジョークまで同じだ。

しかし良い話というのは色あせが少ない。

講師が「面白くなくても無理して笑えば脳がNK細胞を出しますから」という。

NK細胞はガン細胞を攻撃する。

免疫機能を高めることが病気から守り健康を維持したまま過ごせることになる。

大いに笑いながら傾聴することにした。

薬よりも笑いのほうが、より効き目があったという報告もあるという。

また免疫力は70%の腸内細菌と心が30%関与しているというから気の持ちようとか考え方が大きく健康に作用していることがわかる。

イメージしただけで免疫が上がるということも現実で、そのような療法もある。

先日講師の出版された「脳はバカ、腸はかしこい」という本を読んだが、その復習をした感覚。

出版されたいろいろな本から少しずつ講義するという本の売り上げを上げる上手い方法であることも分かった。

テロメアという言葉を出されて少し説明をして50歳からは炭水化物をやめなさいということも説明された。

免疫力アップをするには、そんなに難しい話ではない。

よく噛みゆっくり食べるとか、ゆっくり呼吸するという病院や薬に頼らず今している生活のほんの少しを変えるだけでできることが多い。

これを実行するか、しないかだけの違いで天寿まで楽しく過ごせるかどうかということになろう。

講師は日本の医師会では変人扱いされていて受け入れられていないようだ。

それは医師だけの問題ではなく医師に頼り薬が好きな日本人の意識にも大いに関係していることと思う。

TVコマーシャルも恐怖心をあおり薬を売るやりかたが横行しているし、また汚いもののイメージも作られたものが多いように思う。

そんなコマーシャルに迷わされず賢く生きなくてはいけないと思うのだが。

あまりに突拍子もない話に聞こえてしまう講師の話。

自分で人体実験した結果であったり稼げない仕事と分かって取り組んだ成果であるのに耳触りの良い方向にばかり考えたくなってしまう現代人。

「そんなんだったら医者はいらん」と全く取り合わない。

それが事実であるかもしれないと思ってもみない。

1万年前と同じ体の人間。

脳を作ったことが誤りの始まりだったかもしれないね、という。

脳を疑い腸を信じることが健康に生きるという1万年前の願いと合致する気がする。

今度はダニかよ

2013-09-13 07:44:49 | Weblog
ハチに刺されアブに食われたが今度はダニだ。

以前犬を飼っていた時にはよく目にしたし息子の頭にくっ付いていたこともあった。

昨今マダニによるウイルス感染が取りざたされている。

一応自分の体に付いていたわけだから気を付けて自分観察をするが心配はしていない。

症状や潜伏期間は以下の通りだ。

潜伏期間   6日~2週間

症状      発熱・下痢・嘔吐・腹痛・下血・頭痛・筋肉痛・喉の痛み・咳 意識障害・けいれん・リンパ節腫脹・血小板や
        白血球の減少 

3日ほど前から腹にかゆみを覚えていた。

シャツをまくってみるとプツリと赤く小さな腫れが2ヵ所あった。

その内の1か所には先端のカサブタが見えた。

それはまるでアブに食われた痕のようだ。

その後もかゆみは続いたから、ここもアブに食いつかれたかと思っていた。

何気なくシャツをまくってみたらカサブタが大きくなっていた。

「あれ?」カサブタに触ってみたが特有の固さがない。

それがダニだった。

小さなうちは気が付かなかったが、ある程度成長したためダニだと認識できた。

何でも面白がる私は、すぐさまカメラで奴を記念撮影した。

その後線香に火を着け奴を焼き殺すことにした。

シャワーを毎日浴びているし石鹸で体をこすってもいるが落ちなかった奴だ。

そのまま手で引きはがすと皮膚に差し込んだダニの口の部分が皮膚内に残ってしまい二次感染を起こすとのことなので線香を使った。

火を近づけて奴が「アチッ」と叫ぶときに口が皮膚から外れようというものだ。

自分では、やり辛い場所だったので妻にやってもらった。

極々小さなダニなので火を近づけるといっても直接皮膚に火を近づけるのと同じだ。

幸い私はお灸が好きで皮膚に火を付けることには慣れている。

何やらというプレートを皮膚に貼って、その上から火を着ける緩いやつとは違い直火で焼く強烈なやつだ。

それから比べたら屁のようなものだった。

チクッとした痛みがあり瞬間にダニは昇天したようだ。

皮膚にはダニの口は残っていなさそうだし死んだダニを見ても口は付いているようだ。

あとは潜伏期間を待つのみ。

先日目の近くをケガした時にも破傷風を気にして潜伏期間の満了を待った。

楽しくない待ち時間。

柿渋作り

2013-09-11 07:41:30 | Weblog
食う目的のある柿にはネットをかぶせた。

そうでない柿は、もう取ってしまった。

柿渋を作るのだ。

渋柿の実の熟す前の、つまり今の時期が最適なのだ。

本来柿渋用に使う柿の種類があるらしいが我が家の木でやってみる。

自分たちが植えた木ではなく前のオーナーが植えた木でもない柿の木。

どこからか種が降ってきて自生したオリコウさんだ。

その木に実がなる。

渋柿だからと高をくくっていたら去年はサルが食った。

それも「きちんと食べなさい」と頭を張り飛ばしたくなるように食い残しが多い。

今年は8個の実が取れた。

いろいろなやり方があるようだが私たちは、これらを摩り下ろした。

二人でやれば、わきゃない。

指まで下ろしてしまわないように気を付けた。

特に小さくなってきてからは危険だ。

摩り下ろしたものを一か所に集めて今度は晒し木綿で濾す。

「どれどれ」と私が妻の絞った後を受け持って「エイヤ」と力んだら「べりっ」と布が切れた。

限度をわきまえなかった。

妻がもう一度水を付けて絞り、それも足した。

小さなカメにちょうど一杯になる量が取れた。

柿の搾り汁である。

これを冷暗所に置いておくと、やがて発酵して柿渋ができるというわけだ。

昔の人たちはこの柿渋を防腐剤や防虫剤がわりに使ったようだ。

私も家の軒下や柱の部分に塗料として塗ったことがあるしY爺さんも「オレの爺さんが投網に塗っていた」と教えてくれた。

良い風合いになるため妻は、これを染めに使う。

まだ色も緑で果物の香りがある。

柿渋ときたら猫の糞のようなキツイ匂いだから自宅では作業できない。

1か月で使えるようになる、と書いてあるものもあるから楽しみだ。

今まで購入していたものが自作できるというのは家計にやさしいだけでなく作る喜びがあり、そちらのほうが主たる目的かな。

毎年作れば売れるかもしれないし。

と欲の皮が突っ張る効果も出た。


ヤマボウシ酒

2013-09-09 07:21:32 | Weblog
ヤマボウシは実の色を緑から薄い山吹色に変えて更に赤に近いピンクに変える。

こうなると食べごろだ。

その食べごろは誰にとっても。

例年一つ二つ口に入れて、その淡い甘さと酸味を味わう程度だった。

今年は違う。

ヤマボウシ酒というものを造ってみることにした。

大雨が降った後には大量のヤマボウシの実が落ちている。

それを拾う。

既に虫やアリに食われて穴が空いているものが多い。

一瞬で判別してさっさとカゴに入れていく。

木になっているもので赤く色づいているものを取ろうとした。

まずい。

ハチが先客だった。

ヤマボウシの実に穴をあけて、その穴の中に入り込んで食っている。

だが外敵が来たことは分かるようだ。

私がヤマボウシに近づくと空中に舞い上がり「近づくな」という意思表示をする。

私は先日痛い目にあっているので素直に引き下がる。

他の蝶や弱い小動物たちも、そうしている。

地面に落ちたヤマボウシの実を食べているハチの横を通ったら威嚇された。

相手がその気なら人間として許さない。

ハチ用エアゾールで対処した。

奴が気づかないギリギリの所まで近寄り直接体に向けて噴霧してやった。

砂利がずれるほどエアゾールの勢いは強い。

奴は全身に薬を浴びたはずだ。

しかししぶとい奴だ。

そのまま何事もなかったかのように飛び去った。

さてそのように小競り合いをして集めたヤマボウシの実は洗って干し専用ビンに入れる。

その上に氷砂糖を入れて、いよいよ焼酎を投入する。

ヤマボウシと氷砂糖の隙間にみるみる浸透する焼酎。

これがやがて良い色に変わり口当たりもさわやかになればハチに遠慮しその後エアゾールを噴霧するほど激高した私の心も穏やかになるというものだ。

まだまだ時間がかかるところがもどかしいが、それが楽しくもある。

忘れたころ「そうだ。これがあった」と冷暗所から引っ張り出してくる。

グラスに氷を入れて、この液体を注ぎその完成度を舌で試す。

その未来の自分を想像して、もう嬉しくなった。