おちよな毎日2

続「おちよな毎日」。

3月に読んだ本

2022-03-27 09:03:38 | 
3月27日(日)

今月読んだ本;

九十歳のラブレター(加藤秀俊);社会学者が65年間連れ添った最愛の妻に先立たれた寂しさとたくさんの思い出を綴った本。賢く美しい夫人が自分のキャリアは諦め、研究一筋の夫の度々の転勤について行き、その才覚とセンスで夫を支え家庭をきりもりしていく姿はいかにも昭和のインテリのおうちだなーと思いました。ここ数年、お互いに不自由な体を労わりながら、足りない所を補いながら、ニコイチでゆっくり生きていた静かで穏やかな毎日にある日突然終わりが。その日が遠くないだろうと予期していても、その寂しさはいかばかりだろうと思いました。

鎌倉男子 そのひぐらし(相羽鈴);鎌倉材木座海岸にある「そのひぐらし」という名前のカフェでバイトする高校生と大学生とフリーターの若い男の子3人とそれを取り巻くお客さんの話。いかにもキラキラした日常かと思うけど、実際のところは親や兄弟のことに悩み、将来に悩み、実らない恋に悩み、と思うにまかせないことがいっぱい。男の子3人の性格がそれぞれ素敵で、エピソードの切なさと甘酸っぱさとで久々にきゅんきゅんしました。あんまり関連性はないけれど、末っ子の高校時代をちょっと思い出しました。

エレジーは流れない(三浦しおん);熱海がモデルと思われる架空の観光地の寂れた商店街に母親と暮らす高校生男子の話。母親が2人いるという出生の秘密や自分の将来について、もやっとした気持ちを抱える毎日ながらも、彼のことを心配してくれたり温かく見守ってくれるお節介なご近所さんや愉快な友達に囲まれて、なんだかんだで彼は幸せ者だなと思いました。こちらでも末っ子の高校時代を思い出すっていう。

物理学者のすごい思考法(橋本幸士);日常の困り事や疑問に遭遇した時に、問題を抽出して定義を明確化し、それを解き、さらに実証するというモードに入るという物理学者の習性を説明した本。ニンニクの皮を剥いていて、積み上がったニンニクの山と皮の山の大きさが3倍違うことに気がついて、なぜだと思い(きっと私は何も思わない)、ニンニクを球だと仮定し(近似しがち)、微分でその現象を解いてその通りであることを確認するとか、餃子を作っていて終わりが見えてきた時に明らかに皮と餡の余り具合が違う時、両方きれいに使い切るための「UFOギョーザの定理」に到達するとか。こんな感じでは、毎日頭の中が超多忙だろうなあ。私も微積の苦手意識を克服して、日常の問題を近似しておとしこんでみたい…

三千円の使いかた(原田ひ香);それぞれの事情で節約が必要な親子3世代の女性の話。自分もそう、わかるわかると思う読者は多いんじゃないかと思いました。学生時代の友達とランチしてその活躍や華やかさにもやもやする子育て中の専業主婦の話は20代の頃の私、ガンの手術をしたり更年期の悩みを抱えている50代主婦の話はまさに今の私。70代で職探しをするおばあちゃんの話はきっと将来の私だなと。節約のヒントがちょいちょいあるのも今時だなと思いました。  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿