浅野史郎さん(前・宮城県知事、慶應大学教授)が、東京都知事選への出馬を「前向きに考えている」という。
私は実を言うと、浅野さんという人物をよく知らなかった。知っていたのは厚労省(もと厚生省)出身で、宮城県知事になって……というごく簡単な履歴。後は新聞や雑誌などに掲載された文章にたまに触れたことがある、という程度だが、その発言にも特には注目してこなかった(特別な理由はない。ほかにさまざまな意味で気になる人達が多かったから、つい……というだけの話)。だから、彼が民主党の出馬要請を断った後、知人から入った「一般都民の手で都知事を誕生させよう。浅野さんに出馬要請しよう」というメールを見て慌てて少しばかり情報を集めただけである。
つまりは付け焼き刃の情報収集しかしておらず、彼の著書もまだ読んでいないので、浅野氏に対する自分自身の見方を明確に決めるところまでは至っていない。だが浅野氏が出馬すれば――少なくとも今のところは――私は彼に投票するつもりだ。
石原慎太郎・黒川紀章・吉田万三の三つ巴戦なら、私は躊躇なく吉田氏に投票するつもりだった。彼が提言している「都政改革プラン」を読んだが、基本的に異議はない。「区民が主人公」の区政を展開してきた吉田氏なら、都政も「都民が主人公」の路線を名実共に堅持するだろう。だから吉田氏に知事になってもらっても、むろん結構、というか大歓迎である。
それなのに、なぜ浅野氏が出馬すれば浅野氏に投票しようと考えているのか。理由はいくつかあるが、1つは彼が「出馬するならば、政党などの推薦は受けずに」と考えているらしいこと。政党や団体の推薦に乗り、資金や労力の援助を受けて選挙をすれば、当選後にお返しをしなければいけないから――というのが彼の持論であるという。宮崎県知事選では、彼は100円カンパで運動し、当選した。
1か月ほど前、浅野氏の『そのまんま現象を読み解く』という文章が毎日新聞に掲載された。
【(前略)現職知事逮捕で恥をかき、怒りに燃えた宮崎県民の想いは、これまでの体制への嫌悪感として凝縮した。そういった選挙では、有権者の共感は、体制に近いと思われる候補者には向かわない。県民の改革への期待は、政党、団体、業界の強力な支援を受けないで選挙を戦う東国原さんに集まった。私自身の知事選挙の経験から、「選挙のありようが、その後の知事のありようを決定づける」と信じている。しがらみのない選挙、正々堂々たる選挙を戦った東国原知事が、知事として正々堂々たる仕事ぶりにならないはずがない(後略)】
今自分が持っているわずかな情報だけから見ても、むろん彼のものの考え方などに100%賛同しているわけではない。だが、そんなことは当たり前である。ちなみに吉田万三氏についても同様だ(先に言ったように彼の都政改革プランには原則賛成だけれども)。ある人の言うことや考えていることに1から10まで大賛成ということなど、あり得ないとは言わないが、まあめったにあることじゃあない。問題は、基本的な部分、原則的な部分がどうかだけである。
全野党推薦の知事は1つの理想だが、政党の推薦や選挙協力を受けない、徹底した市民派無所属の知事(他の候補も全員無所属には違いないが)を選ぶことで、私達は自分達が自分達のための「公僕」を選んだのだ、と胸を張って言うことが出来る。東京革命の第一歩になりうるのではないか。
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BLOG BLUESさんの最新エントリ、「革新リストラクチャリング」で、中村敦夫著『さらば、欲望の国』が紹介されている。難しい言葉や曖昧な言葉はひとつも使わず、今の日本の何が問題なのかを明確に指摘。名著だと改めて思った。詳しくは上記エントリを。
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当ブログは戸倉多香子さんを応援しています。
言いたい放題、やりたい放題の石原氏には引っ込んでいただき、派手さはないが、実のある浅野氏に都知事になってほしいです。そして、福祉を充実させてください。
吉田さんもそうなんですけれど、日の丸・君が代じゃ勝てないんですよね。
もっと、都知事としての本質的な仕事を考えてほしいですね。
30人学級の実施のための財源はどうなのか、などもしっかり考えて発言してほしいのですよね。
わが地区の公立小学校、中学校では経費削減で講師身分の先生が大勢います。書道をしても水道代節約のために習字道具を学校の流しで洗わせません。放課後の学童保育プランでは、無給のボランティアに任せるという案が出されています。
このような状況で教員を増やし、30人学級が実現できるのでしょうか。
石原都知事がリッチな出張ができる、オリンピックを招致しようなんて言い出せるお金はどこにあるのかなと考えてみてほしいのですよね。
私のようなリッチじゃない主婦の関心は、例えば教育問題なら、日の丸・君が代ではなくて、公立と私立の教育内容格差是正なのです。文部科学省が学習指導要領は最低基準だと言っているのはそう言えば、私立はいくらでも指導要領を超えさせられるからなのです。しかし、石原都政は公立高校でボランティアを必修にさせるという締め付けでますます学習時間を削るわけです。
確かに教師の側、教員組合とかでは日の丸・君が代と雇用問題で重大問題なのでしょうが、われわれ庶民にはもっと切実な問題があるのです。お金です。教育費です。月10万近くかかる私立に行かせるほどのお金なんてないんですよ。公務員さんたちのように保障だってないんですから。
私立に行かせることのできるお金持ちだけがよい教育を受けることができ、公立では実直な働きバチを作るという政策を進める石原君の特権意識が、私は許せないんですよね。
しかし、日の丸・君が代ではねえ。。。
「首都県知事連合」を結成し、行政サービスの無駄を省いて生活サービスの充実を図ることや、雇用対策の充実に取り組むという石原君のようにもっと都民の心をつかむ政策を考えなさい!!と両者に言いたいです。
このエントリは意図がわかりにくかったと思います。それは多分、私自身が「忸怩たる思い」を持ち、恥を感じながら「苦渋の選択」をしたからです(むろんその選択は、今のところ――ということではありますが)。
その忸怩たる思いや苦渋の中身は、いみじくも布引さんが書いてくださいました。そう……私は都民になって以来、自分が投票した候補が知事選に勝った経験がない。1度ぐらいは勝ちたい、東京を変革する第一歩として、「ちょっとだけマシ」な候補でいいから勝たせたい、という焦燥が私の中にあります。布引さんの言われるとおり、浅野氏が革新だなどという幻想はこれっぽっちも持っていない。彼が書いたものなどをほんの少しばかり読んだだけでも、私自身の思想信条とは離れた人だと思います。でも、石原現知事、そして黒川氏と比べれば、(少しというか、はるかにというかは別として)マシであることは確か。
同時にそれは間違った選択かも知れないという思いもあって、奥歯にもののはさまったようなことしか書けないのです。
いいや、もうイシハラ三選でも。そうなったら今度こそ本腰入れて解職請求運動をしようと思ったり、あるいは東京から逃げ出そうと思ったり……さまざまな思いに引き裂かれる大衆の、私は典型的なひとりなのです。
なぜ浅野氏が出馬すれば浅野氏に投票しようと考えているのか,理由は、彼の持論の一つである、政党や団体の推薦に乗り、資金や労力の援助を受けて選挙をすれば、当選後にお返しをしなければいけないから、に華氏451度さんが賛同したって思ったのです。
布引洋さんへ
「革新の負け癖」ではなく、「保守の分断作戦」が成功しているだけの話では?選挙後の政治をみればよくわかる。でも沖縄や香川で勝ったことがある!そのときは統一できた!何で分断作戦が成功しているか、それを問題にしなければ、政治の「革新」は難しい。でも沖縄では補欠選挙「共闘」できた!東京は何故できない?東京以外はどうなんでしょうねぇ~。
浅野氏には正義の都政を訴えてほしいです。
「石原が駄目なのではなく、浅野でなければならないこと」
これを訴えてほしいです。
「この人ならやってくれる」
有権者がそう思えるような、みんなが手をつなげば世の中は変えていける、そう希望の持てる選挙をしてほしいです。
東京の首長とは日本の顔。
これはもう日本の未来がかかっている戦いなのです。
吉田さんでは間違いなく99、9%負けます。勝つ可能性は1%以下。
高級官僚出身の浅野さんが革新で無いのは百も承知。しかし情報公開や談合の禁止では十分に実績があり、人権無視でも性差別、人種差別者でも核武装論者でもない。
中村敦夫氏と同程度には都民にとって有意義といえるでしょう。この二人現状う認識では良く似ていますね、革新とはいえなくても十分には良識がある。
100%理想の政治を求めてはいけない。実現可能の60%の政治で満足しなければ今度も負けて全てを失う。
中村敦夫氏や浅野氏を天まで持ち上げるのは『贔屓の引き倒し』で考えものですが、当選の可能性では吉田氏とでは格段に違う。
負け癖が付きすぎて勝つことの重要性を忘れている。勝ち馬に乗れるなら絶対に逃してはいけない。
愛国者さん;
あ、吉田さんが「お返ししている」とか、そういうことは私は言ってないですし、むろん思ってもいません。浅野さんがそう発言したのは、おそらく民主党が彼を擁立しようとした時の固持の理由だったろうと思います。
「勝ち馬に乗りたいのか」と言われて、ウッと詰まってしまいました。自分自身をきっちり振り返ってみれば、そういう気分がないとは絶対に言い切れない。東京都の片隅で暮らすひとりの庶民として、「焼けたトタン屋根の上の猫」のようにジタバタしてしまっているのかも知れない。
無党派候補は無党派層の代弁者ではない、という点も、ebi3desさんの言われたとおりです。
辛い思いに引き裂かれています。
でも浅野氏支持の理由は、
1.政党や団体の推薦に乗り、資金や労力の援助を受けて選挙をすれば、当選後にお返しをしなければいけないから
吉田氏ってそんなことやっていたかしら?区長時代。また日本共産党は、全国的に与党の自治体を持っているけど、そんなことやっていたかしら?
2.しがらみのない選挙、正々堂々たる選挙を戦った東国原知事が、知事として正々堂々たる仕事ぶりにならないはずがない
無党派の代表って言われて当選した青島さんはどうだったか?かれもある意味では「しがらみ」はなかったのでは?ほとんど選挙らしいことしないで当選しちゃたけど、結局ある意味で一匹狼的だったから、自民党や官僚と妥協し、フツーの知事っていうか、開発政治推進だったのでは?確かに「しがらみ」のないことは良いことだけど、でも、その「しがらみ」って何でしょうか?
なんか理屈じゃない、「特殊な感情」の匂いがするんだよねぇ~。
「政策」が支持できているのに、「感情的な部分」で支持が変更するって、心情は理解できるけど、なんかおかしい気がするね。「勝ち馬」=ムードに乗りたい気分?
マスコミ界の片隅に棲息する管理人様にしては、腑に落ちない論調でした。
浅野史郎さん
http://kihachin.net/klog/archives/2007/03/asano.html
いずれにしても、「悶絶死」はなくなりそうですね。よかった。
気まぐれなblogですが、よろしくお願いします。