華氏451度

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改定教育基本法採決に(ムカつきながら)抗議する

2006-12-15 22:15:27 | 憲法その他法律

 今日、夕方6時少し前に参院本会議で教育基本法改定案が可決された。

 全国各地の街頭でも署名活動がおこなわれていたし、皆さんも政党や議員にファックスを送るなどして反対の意思表示をしてこられたと思う。つい先日おこなわれた「教育基本法「改正」情報センターのアピールに対する市民緊急賛同署名」は、数日間で総数1万8000人余の署名が集まった。

 それでもなお。――反対する多くの声を無視して、与党は強引に押し切った。これを暴挙と呼ばないなら、暴挙という言葉がビックリするだろう。

 衆院で採決が強行されたときも腹が煮えくりかえったが、ずっと怒り続けているので胃潰瘍になりそうだ。安倍政権は健康に悪い。(そう言えば辺見庸さんが脳出血で倒れたとき、友人のひとりが「辺見さんは今の社会に腹を立て続けて血圧が上がって、それで頭の血管が切れたに違いない」と言ったのを思い出す)

 ともかく、怒っているのである。あまりの腹立たしさに、ほとんど絶句状態。言葉も出ない。(書けばおそらく、「教育基本法採決の強行に満腔の怒りを」 、 「教育基本法・可決へごり押しは教育に悪い」 などで書きなぐったのと同じような話になるだろう……)

 改定教育基本法成立を受けての安倍首相の談話なるものの要旨が、時事通信から配信されていた。

 《首相談話の要旨》【改正教育基本法の成立は誠に意義深い。このたびの改正では、これまでの教育基本法の普遍的な理念は大切にしながら、道徳心、自律心、公共の精神など、まさに今求められている教育の理念などを規定している。この改正は、新しい時代の教育の基本理念を明示する歴史的意義を有する。本日成立した教育基本法の精神にのっとり、個人の多様な可能性を開花させ、志ある国民が育ち、品格ある美しい国・日本をつくることができるよう、教育再生を推し進める。学校、家庭、地域社会の幅広い取り組みを通じ、国民各層の意見を伺いながら、全力で進める決意だ。】(21時1分配信の記事)

 多様な可能性!! 志!! 品格!! 美しい国!! アンタにだけは言われたくないよ、という言葉の洪水。国民各層の意見を伺いながらって、アンタね、「絶対反対」だけでなく「もう少し慎重に」という意見まで無視した揚げ句に、そりゃないよ。この人は歴史を勉強していないのではないかなどと疑われたが、もしかして国語もやっていないのか。キレイでそれらしい単語だけ寄せ集めたらこういう上っ滑りな談話になります、という絶好の見本。

「ファシストどもがほくそ笑む日。今日は2006年11月15日。この日を忘れまい」とnizanさんが書き留めておられた。私もこの日を忘れまいと思ったけれど、今日という日は11月15日以上に忘れまい。私の周囲でも「これのどこが悪いのか、さっぱりわからん」と首捻る人の方が多い教育基本法が虐殺された日。憲法とリンクする法律であるがゆえに、憲法殺しを目指す者たちによって、その前夜祭の生け贄として屠られた日だ。

 だがまだ、負けたわけではない。ハムニダ薫さんの言葉を借りれば、「絶対にあきらめない」。少しずつ少しずつ(無理せずボチボチと)、彼らを追いつめていきたい。最後に笑うのは彼らではない。

 

コメント (12)
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