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華氏451度

我々は自らの感性と思想の砦である言葉を権力に奪われ続けている。言葉を奪い返そう!! コメント・TB大歓迎。

テポドン騒ぎ――陰でほくそ笑むのは誰か

2006-07-08 02:12:00 | 戦争・軍事/平和

連日のテポドン騒ぎに、少々うんざりしている。日々のなりわいは忙しいし、体調悪いしという時に、まったくもって、「ウザイ!」という感じだ。私は北朝鮮は問題の多い国だとは思っている(そもそも最高権力者が世襲だということ自体、信じられないほど変である。もっとも日本だって、レッキとした世襲ですが。北朝鮮ほど露骨ではなく、巧妙ですけれども)。花火に金使うなよ、という気もしている。

しかし、私がウンザリしているのは北朝鮮に対してではない。「千載一遇のチャンス、と喜んでいるのが大勢いるだろうなあ」と思い、そのことで吐き気がしてくるのだ。

北朝鮮は世界有数の弱小国家。キャンキャン吠えているけれども、世界中を敵に回して戦争する力など皆無。それでも「宣伝」には充分使えるというところが恐ろしい。自ら世界の保安官をもって任じているアメリカは、さぞ嬉しいことだろう。改憲派も勢いづくだろう……ああ、やだやだ。

それにしても、何でまた新聞各紙は、連日一面トップでこの話題を扱わねばならないのか。実のところ、私は新聞の一面にはさほど関心がない。と言うと語弊があるが……関心の程度は二番目ぐらい、である。もともと「社会面の右側」(つまり地味な社会ネタ)が専門だからかも知れないが、派手に報じられることよりも大事なことがある、といつも思っているからだ。

テポドン騒ぎで吹っ飛んだものや、陰でほくそ笑んでいる者達のことを忘れてはなるまい。浮かれたニュースが続く時こそ、足元にご用心。「悪い奴」と指さされる存在が出てくるとき、鳴り物入りで「正義の仮面」も堂々と登場する。

doll and peaceのぷらさんが、「私は比較的冷静」「今回のミサイル発射で一番得をするのって、ブッシュ政権と親米ポチだろ、と思うから」と書いておられる。いま我々に要求されているのは、こういう感性である。

ついでに余談――私は愛国心ゼロなので、「祖国」が滅びても別にかまわない(いや、かまわなくはないのだけれども、薄汚く存続するぐらいならすっぱり消えて出直した方がいい)。国破れて山河あり、という。山河とは限らないが「国」が滅びても生き続けるものはあり、私はそれらのほうがよほど大切だと思っているのだ。所属する人間を締め上げ、弱い奴は死ねとうそぶき、シタリ顔でエセ倫理を説く「国家」など、さっさと犬に食われてしまえばいいのである。

コメント (14)
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