ばん馬のいる風景-BANEI Photo Gallery -

ばん馬の写真とコラム。2021年夏まではツイートまとめも載せています。

ばん馬とどさんこ

2021-03-06 13:27:31 | 2021年
ばんえい競馬はどさんこのレース、と間違えられることがある。
出版物でも堂々と「ばんえい競馬は北海道のどさんこが荷物を引っ張って…」と書かれた記述をたま~に見る。さすがにここ最近は見かけませんが。
違いについてはpacallaさんなどで触れられているのであえてここでは説明しないが、
https://pacalla.com/article/article-1244/
なんで間違われるのだろう、というのを考えた。(結論は出ていないです)

「どさんこ」は道産子と書き、馬的には北海道和種馬のことをいう。
転じて、北海道生まれの人のことを「道産子」という。
主に全国で活躍する北海道生まれの人のことを「道産子◯◯」ということも。道産子レスラーとか。
北海道和種馬が粗野な環境でも忍耐強く生きてきたことから、環境に恵まれなくてものし上がってくる努力家のイメージがある。
夕方の人気テレビ番組は「どさんこワイド179」。キャラクターはどさんこ君(5本指)。ラーメンチェーン店は「どさん子」。北海道のプロサッカーチームはどさんこをひっくり返した「コンサドーレ」。

北海道開拓に大きな役割を果たした馬は、どさんこだったりばん馬だったり乗用馬だったり。
馬ひとくくりで、サラブレッドとばん馬の違いがつかない人だっている。いやいや、ほんとにいます。サラブレッドが荷物引いてるように感じている人とかいます。そんなもんです。
そのような認識の中、どさんことばん馬の区別をつけてもらうのは結構ハードルが高い。

結局はなじみのある品種が使われているだけなのかと思う。
「ばん馬」「ばんば」「banba」という単語が広がって行けば、間違った認識も減っていくのだろうか。

といっても、「ばん馬」は物を引っ張る馬のことだから「ポニーばん馬」ではポニーだってばん馬となる。
ばんえい競馬に出走する馬は日本輓系種だったり半血種、ペルシュロンなどの重種馬。
たまに冷血種ということもある。英語でcoldbloodだから直訳なんだろうが、血が通っていない心の冷たい馬みたいであまり使いたくない人も多いのではw 心はwarm笑

じゃなんて言えばいいんだ!
まぁ、わかりやすさで「ばん馬」ということでいいんでしょうけど。

結論もオチもありません汗
「ばんば」の単語を増やしましょう笑

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チャンピオンカップ

2021-02-28 16:29:44 | 2021年
チャンピオンカップから1年。
アアモンドグンシンが勝った写真を見るたびに、このときのつらさがよみがえる。

2月末、スタンドから合同で無観客競馬の取材をした。
質疑応答で「今後の重賞レースの取材はどのようにするのか。第三者からの取材は必要だが」と聞いたところ「検討する」という話だった。
数日後「ご遠慮いただきたい」との返答が来た。まさか取材が入れないなんて、想像もしていなかった。
コロナ禍の中無理は言えないが、自分は今まで何をしてきたのだろうという思いにかられた。

ばんえいの魅力をもっともっと知ってほしい。ファンが見られないものを伝えたい。
存続運動後、取材をする立場になった自分の責務だと思っている。

チャンピオンカップは自宅のテレビで観戦した。レース展開がわかりやすく、ゴール前は久々の興奮を味わった。
普段は正面からレース撮影をするため展開がわからない。そのためすぐにレースリプレイを見て確認する。
リアルタイムで展開を読めることによるレースの楽しさを再確認した。それにしても。
長澤騎手はどのように思っているのか、直接聞きたいし、表情を見たい。

囲み取材でメディアがいないことで、初めて私たちが入れないことを知ったアナウンサーや関係者らが、主催者に声をかけてその後は取材ができるようになった。本当にありがたかった。
スタンドからの撮影で、インタビューはリモート。長く正面撮影ができなかったので、秋に夫が確認したところ正面取材も可能になった。ただ、まだリモートインタビューが続く。まだ良い方とはいえ、空気感がわからないし、周りに誰がいて、横でなにを話しかけられているのかがわからずもやもやする。

JRAや他地方競馬の関係者が、ファンに内部の魅力を伝えている記事を見るたびに忸怩たる思いにかられる。
競馬ファンが求めるのは厩舎の声。私はそれを伝えたくて今までやってきたのに。

コロナ禍だから、というよりは以前からこの状態が続いている。
フリーとして記事を書き続けている私だが、SNSで報道エリア内の話を発表することはできない。
(会社単位では可能なので、社のSNSで流すこともあるが頻繁にはできない…)
厩舎取材は広報立ち会いのもと、掲載媒体を伝える必要がある。

取材というのは、事前に「これこれの記事を書きます」といって書くものではないというのは、多くの人がわかっていることだろう。
厩舎に立ち寄って、面白い話題はないかを拾って魅力を伝える。
私が競馬をはじた頃は、舞台裏のエピソードを読んで、たくさんの人馬の魅力に触れ、ファンになった。
それをばんえいでもやりたい、とずっと思ってきたのに、ここ数年取材が思うようにできない。何度このことを伝えても届かない。

ちなみに重賞レースのメディア取材は、地元の十勝毎日新聞と私(道新十勝版の「サタデーBANBA」やその他もろもろフリーライターとしての取材)とカメラマンの夫の3人がメイン。重賞ではなくてもいいのだが(本当は特別などいろいろ話を聞きたいレースはある)、一市後勝毎さんが重賞を取り上げるようになったので、それについて取材させていただくようになり、それが続いている。

一般ニュースの取材はたまに来るが、表面上のもの。サタデーBANBAの担当記者が来ることもあるが3人以外が来ることはほとんどなく、長年このことに危機感を抱いている。
記者やライターからは、取材対応が面倒で、競馬人としてのプライドを損なわれることもあって、ばんえいの取材はしたくない、という話も聞くようになってしまった。
もちろん私ばかりではなくて、私のあとに入ってくる人を育てたい。もっともっと、いろいろな媒体でレース自体のことをしっかりと伝える人がいてほしい。
とはいえ、ほとんどボランティア状態。やってくれる人がいるのだろうか。メディアで経済を回していくことも必要だと思っているのだが。

チャンピオンカップは、悔しい思いを何度もしてきたところにカウンターパンチ。
全国の馬主は厩舎に入れるのに、帯広在住の記者が入れないのか。
そんなことを考えるたび精神的に追いやられた。ちょっとおかしくなってました。
厩舎内には知らない人も多く「なんで入れないの? もう興味なくなって、取材してもらえないんだと思った」と驚かれた。
私だからだめだったんだろうな。もっと力のある記者が取材を続けていれば、ばんえいの報道は変わっていたのかもしれない。
もっともっと、すてきなばんえいの話が届けられていたのかもしれない。

なんとか良くなるように、と思うが気力はなくなるばかりだ。
よくなったとして、それまでの間に所属していた馬たちに申し訳ない。
素敵な話がたくさん埋もれていると思う。

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扶助について

2021-01-13 20:58:58 | 2021年
1月6日1Rで舘澤騎手が制裁を受けた件。

私が見た感じでは、しゃくったタイミングと同時に馬が止まってしまった。または、止まると思ってバイキかけようと手綱を引いたタイミングが早かった。
引いたせいで馬が止まったように見えてしまった、というアクシデントなので、これは運がないとしかいいようがない。馬券にも絡む上位の出来事だし。舘澤騎手ついてないな、と思っていた。
タイミングの悪さで戒告を受けてしまうということはまれにある。実際どうであれ、ファンを勘違いさせるような乗り方をしてはいけないのだ。

次の日、この動画でツイッターが盛り上がっていてびっくりした。
その多くは「ゴール前でわざと止めるなんて!」というもの。
いやいや止めてないのに、と驚いて、その原因を考えた。

・推進させるための扶助には、手綱を瞬間的に引く「しゃくる」、後ろに引く反動で前に出す「バイキ」がある
・第2障害からゴールまでは騎手が自分の意志で止めてはいけない

ということが理解されていなかった、ということなのかな、と。

それと、私から見ると馬には歩く力が残っていないように見えるんだけど、そのあたりの判断に差があるのだと思う。

ばんえいはばん馬を前に進める競技。推進させるために騎手が行う動作を「扶助」といいます。
それは、ハミ使いであったり(主扶助)、そりの上で体を動かすことであったり(これ以降は副扶助)、声を出したり、手綱でお尻をたたいて指示を出したり(何度も言うけど痛くないよ)、見せムチみたいに手綱を振ったり、足でそりをたたいて音を出したり。
馬に「騎手がなんかやってるから前に行かねば~」と思わせるのです。
乗馬みたいに背中に乗らないから脚や騎座(主扶助)は使えないのよね。(座っていなくても騎座が大事と言っていた名騎手もいますが…)

前置きが長くなりましたが、扶助の一つに「しゃくる」という動作があります。
片方、または両方の手綱を瞬間的に引っ張って、ハミに刺激を与える扶助。

馬を止める方法は、両手綱を後ろに引く、というのはわかりますよね。
ただし、止めていいのは第1障害と第2障害の間だけと決められています(ばんえい記念以外)。

ぐーっと後ろに引っ張って、その反動で前に出す扶助もあります。この時後ろに引っ張るのが「バイキ」です。

最初、舘澤騎手はしゃくってんのだと思ったけど、何度か動画見ていたら、バイキのタイミングが早かったようにも感じるな…。
その後、これはやばい(制裁になるっていうのは騎手ならわかるだろうし)と思ってなのか、何度もバイキかけてるのが…汗
その内にいる渡来騎手は止まったからバイキかけて前に進ませています。
外側の西謙一騎手はゴールあたりでしゃくってますね。

それとねー、ほんとに止めてたら10日の制裁じゃすまないでしょう。
今回のように、素人に勘違いされちゃう動作は控えましょうね。っていう制裁です。
だからこそ、勘違いされないようにしていくことが必要なんだけど、こんなことになるとは。
なぜこのような動作をしたのか、ということを丁寧に伝えていく必要があることを、今回感じました。

それと、舘澤騎手のことを知っていたら、そんなことやる人じゃないって思うファンがいたはず。
私も深く知っているわけではないけれど、インタビューや牧場の手伝いなどで会うと真面目な人柄が伝わってくる。
もっと騎手の人となりを紹介できていたら、そのことが伝わっていたかな、と思うと悔しい。

さて、ここからは動画でちょっとご紹介。
扶助に注目して見ると、騎手によって特徴があって面白い。藤野騎手のバックハンドとか。
2020年12月のオッスパーククラブでも長澤騎手が話しています。(まだバックナンバーがアップされない…)

鈴木恵介騎手が、ちょ、ちょい!って引く、かっこいいしゃくりがあってすごい好きなんだけど、
どうやって動画を探せばいいのか…見つけたらアップします汗

【ばんえい競馬初心者動画#10】ばんえい競馬の注目ジョッキー
ここにあるかな~と初心者動画を探したけれど、これとはちょっと違うんだよなぁ―でもせっかくなので、鈴木恵介騎手の紹介を使ってちょっと解説。(リンク先は合わせています)
ここで、最初は右ムチを入れていて、そのうち左手綱を手首に巻いて(この動きが自然で美しい…)ぐいっと引っ張る。これが「しゃくる」です。ちなみに声も出していて、いろんな扶助をダブル、トリプルで使ってますね…
また、オレノココロのゴール直前でも左手綱を2回ほど引いています。
これが近いかな…ゴール後頭下げるのがたまらん…泣ける…

それ以外の「刻む」「止まる」に関しては、このあたりの動画を参考に。
【ばんえい初心者講座#12】ばんえい競馬の専門用語
の1分過ぎから「刻む」「詰まる」など
【ばんえい初心者講座#3】レース中になぜ馬が止まるの!?

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