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侍たちの警視庁

2010年07月08日 | 侍たちの警視庁
三年前、『侍たちの警視庁』という私家本をつくりました。

私はずっと出版社に勤務していますが、企画取材執筆編集のすべてを
自分一人で行い、自費で印刷までした本はこれがはじめてでした。

文章や体裁は拙いもので、今見ると汗顔のいたりですが、
この本がきっかけとなり、釣洋一先生をはじめとする歴史作家の先生や
たくさんの同好の仲間と出会うことができました。

歴史研究』誌での連載や講演の機会をいただけたのも、この本があったからです。
今日は、私にとってターニングポイントとなった私家本
『侍たちの警視庁』について紹介させていただきたいと思います。


☆概要
「本国、なお武士あり。しかるにこれを廃して用いざるは失政の極みと云ふべし」

初代大警視となる川路利良のこの建言により、警視庁の警察官は
武士階級より募られることが決まった。

全国各地から、身分も思想も違う侍たちが警視庁に集う。
戊辰戦争の勝者である薩摩藩士もいれば、敗者である幕臣や会津藩士もいる。
下級武士もいれば殿様もいる。歴戦の勇者もいればテロリストもいる。

数年前まで殺し合いをしてきた侍たちが警視庁に集い、
同じ羅紗の制服に身を包んだ。

明治七年より現在まで連綿と続く警視庁。首都・東京を護るという目的は、
創成期も今も変わらない。しかしその任務を遂行する面々は、
現在の警視庁とはあまりに異なっている。

警視庁の前身といえる明治五年の邏卒配置から、
警視庁再設置後の明治十五年までの十年間を彩る怪しくも魅力的な侍たち。

明治九・十・十一年の警視庁幹部名簿に明記されている警視・警部、
様々な書物・資料から確認できた警部・巡査の事蹟を、
45都道府県を飛び回り撮影してきた墓・史跡写真とともに紹介する。

☆内容
●「薩摩芋一手売捌所慶視町本店」旧薩摩藩の警察官たち
警察に興りて警察に終わりし者 川路利良
川路以降の大警視 第二代大山巌・第三代樺山資紀
川路の遺志を継ぐ薩派の雄 安藤則命
西郷復職に熱中した川路の対抗馬 国分友諒
名医の警視 前田元温
大久保利通の義弟 石原近義
田原坂に凱歌を響かせた川路の義兄 川畑種長
西郷と川路の間で苦悩する男 山下房親
抜刀隊を発起した剽悍な薩摩隼人 上田良貞
抜刀隊長から警視総監へ 園田安賢
ボッケモン警部 宇都純随
東獅子と呼ばれた警部たち 安楽兼道・中原尚雄
警察手眼を実践した薩摩隼人 室田景辰

●「戊辰の復讐!」旧佐幕諸藩の警察官たち
脱走犯から警視庁幹部へ 佐和正
河井継之助を補佐した長岡の雄 三間正弘
「鬼」と呼ばれた会津藩家老 佐川官兵衛
田原坂の会津武士たち 内村直義
家禄千石から月給二円五十銭の邏卒へ 丹羽五郎
江川塾に学んだ長岡の俊才 池田九十郎
からす組を率いた仙台の怪傑 細谷十太夫
服部半蔵家の兄弟 酒井孫八郎・服部半蔵
五稜郭帰りの新選組隊士 谷口四郎兵衛・関川代次郎
「芋征伐」に燃える柴四兄弟の次兄 柴五三郎
阿蘇に散った白虎隊士 篠澤虎之助
沖田総司の甥 沖田芳次郎
巡査転じて自由党壮士となる 赤井景韶・三浦文治
仇討に燃える二本松の少年 大桶弘蔵

●「亡朝の臣、帝都の衛士となる」旧幕臣の警察官たち
辻斬りを習慣とする鉄舟門下 松岡萬
榊原鍵吉推薦の剣士 大沢三郎・松平康年
龍馬を斬ったとされる男 今井信郎
江戸の同心と岡っ引き 警視庁へ 大竹幹・清宮善四郎
複数の名を持つ新選組副長助勤 藤田五郎
文豪の父たち 樋口則義・夏目直克
首斬り浅右衛門 山田吉亮

●「本国、尚武士あり」その他旧諸藩の警察官たち
大警視になれなかった最高権力者 石井邦猷
柴田勝家を敬慕する福井の侍 田辺良顕
詩を能くする山内家の側近 丁野遠影
天道に愛されし柳川の豪傑 綿貫吉直
庁内長州派の長 林三介
牢獄で維新を迎えた土佐勤王党 檜垣直枝
吉田松陰、大村益次郎の弟子 寺島秋介
西郷を生捕りにせんとした警部 安村治孝
パリを見てきた川路の後継者 小野田元?
桐野利秋を感動させた勇士 村山具膽
警視庁の名文家 植松直久
警察官となった殿様たち 堀親広・小出英尚
殉職第三号となった模範警察官 寺本義久
大老暗殺!生き延びた桜田烈士 菊池剛蔵
銀座評判二人斬り 上田馬之允
破邪顕正 警視庁の剣術 逸見宗助
朱鞘を許された北辰一刀流の天才 下江秀太郎
大久保内務卿暗殺犯に元巡査あり 浅井寿篤
坂本龍馬の義弟 楢崎健吉

私家本のため非売品ですが、歴史研究会サービスセンター様にて
実費頒布(2000円)をしていただいております。

興味を持っていただけた方は、お問い合わせいただけますと幸いです。
TEL:03-3779-3127/FAX:03-3779-5063
E-mail:zrkk@rekishikan.com


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