環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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「環境基本法」成立から14年⑧  中央公聴会での質疑応答―その2:環境教育、エネルギー政策

2007-12-13 06:18:50 | 政治/行政/地方分権
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○大野(由)委員 安田公述人への質問(省略)
○安田公述人 答弁(省略)

○大野(由)委員 では、小沢先生にも、スウェーデンの環境教育を例に引きながらお願いいたします。

○小沢公述人 私は、環境教育については一言言いたいことがあります。
それは、日本で今考えている環境教育というのはどうも目的的な環境教育だと思うわけです。重要な環境教育というのは、私たちが生きていくために何が必要なのかということを教えるのが教育だと思います。日本では教育を、環境教育、消費者教育、産業教育というふうにみんなぶつぶつに切ってやります。これは明らかに目的的なものであります。こういう環境教育はほとんど意味がない、私はこういうふうに考えます。 

先ほど私は法律に教育的効果があるというお話をいたしました。今日のこの議論を聞いていて、それをつくづく感じました。実は、今起きている環境問題なんというのはずっと昔から続いてきていることであります。それをたまたま私たちは、日本の公害対策基本法という法律で、公害はこういうものだというふうに思っていた。そうしたら、新しく地球環境が出てきた。ところが、スウェーデンでは公害なんというものはないわけですから、最初から環境ということが彼らの頭にあるわけです。つまり、日本では法律があったために、公害というものはこういうものだという認識ができちゃった、つまり、認識が遅かったということが原因だろうと私は思います。
 
それからぜひ見ていただきたいのは、この絵の中に「環境政策の策定手順」という図が書いてあります。この中に四角がたくさんあって、政府の下にいろいろな団体の名前が出ていますね。産業界とか労働組合とか、消費者団体とか。わかりますか、一番最後のページです。政策をどうやってつくるかということが書いてあります。

それで、ここの中に、これはたまたま環境政策ですけれども、スウェーデンの政府がつくった報告書はこういう利害を伴うところに必ず送られるわけです。そういたしますと、例えば環境の場合には、消費者団体のところにもレポートが来るし、労働組合のところにも環境のレポートが来るわけです。これがもし税制の政策の場合には、やはり労働組合に今度は税制がいく。そのように、国の政策を決めるときには、関連団体に必ず報告書がいくということになります。

そうしますと、例えば労働組合は、労働組合のことばかり考えるのではなくて、環境のことが来れば環境の勉強もする。税制の話が来れば税制の勉強もするということで、こういうシステムができているために、産業団体もトータルに勉強ができる、こういうことです。 

したがって私は、これも教育の一環だろうと思いますし、それから法律も教育の一環だろうと思うし、学校教育もそうだと思います。

○大野(由)委員 最後に小沢先生に、スウェーデンのエネルギー政策について伺いたいと思うのです。 
ご存じのように化石燃料は地球の温暖化という大変な弊害をもたらすし、水力発電も自然破壊になる。原子力発電も、温暖化の面ではクリーンと言われているわけですが、非常に廃棄物の問題等々がございます。スウェーデンは原子力発電を廃止する政策を一応打ち出しておりますが、現実にはどういう方向で今進んでいるのか、時間が余りございませんので、手短にお答えいただければと思います。

○小沢公述人 お答えいたします。 
スウェーデンは原子力発電で約半分の電気をつくっておりますし、水力で半分の電気をつくっております。それから、化石燃料では電気はほとんどなし、数%でございます。その中で原子力発電を二〇一〇年にゼロしよう、こういう目標で進んでおります。 

それはなぜかといいますと、一つは、将来原子力に負うた場合に果たして十分な電気が得られるか。つまり具体的に言いますと、プルトニウムにいかないとだめなわけです。しかし、プルトニウムを使った原子炉がうまくいくかどうか、スウェーデンはこれに疑問を持っております。したがって、原子力に依存しないエネルギー体系をつくろう。

それはなぜかといいますと、化石燃料も将来の資源の埋蔵量の関係から制限があるらしい。原子力については今のようなお話で、ちょっとスウェーデンは見込みを持っていない。そういうことになりますと、どうしても自然エネルギーを使ったようなエネルギー体系に変えなければいけない。原子力が二〇一〇年までに非常にうまく多分動くでしょうから、その動いている間にそちらにかける予算を再生可能なエネルギー体系の開発に向ける。そうして、エネルギー体系を今までの集中型から分散型のものに変えていく。こういう努力をしないと、持続可能な、開発のために必要なエネルギーが結局供給できなくなるおそれがある。こういう視点に立っているのだろうと思います。

○大野(由)委員 ありがとうございました。・・・・・明日に続く






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