環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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「環境基本法」成立から14年⑤  中央公聴会での意見陳述―その3:この法案の最大の欠陥

2007-12-10 04:29:16 | 政治/行政/地方分権


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私は、この法案の最大の欠陥は何かといいますと、既存の、つまり今ある開発志向型の法律群、例えばリゾート法とか都市計画法、そういうものに対してほとんど影響力がないような感じの法律だと思います。私たちがエコロジーの視点から考えれば、今の環境問題を招いている多くの原因は何かといいますと、これは人為的なものでございます。リゾート法とか都市計画法とか、そういうものに基づいてつくられる構造物、その使用が環境問題を起こしているわけであります。したがって、そういう認識があれば、当然そこに影響の出るような法律をつくるべきであろう、こういうふうに私は思います。

我が国の環境行政の中で、本当に環境がよくなっているんだろうか、環境の状態はどうなのかということについてちょっと触れたいと思います。 

私の認識では、日本で環境の状況がよくなったというのは、二酸化硫黄の大気中の濃度と一酸化炭素の大気中の濃度、それから水質汚濁防止法が決めております8種類の有害物質の公共用水域中の濃度、これが国が決めた基準以下におさまっている、私は、極論すればこれだけだろうと思います。そのほかの問題は大変悪くなってきている。

これは日本だけではなくて、世界全体がそうであります。私たちは、過去に政府も、あるいは企業も大変な努力をして、大変なお金を投じてきましたけれども、その結果が今私が申し上げたとおりなんだろうと思います。 

そうしたときに、一方、ちょっとスウェーデンのお話をいたしますと、スウェーデンと日本の間には、私は約20年の環境に対する意識の落差があると思います。

そして、この四角に書きましたように、21世紀の初頭に我々が直面するであろういろいろな問題に対応するための法律をつくるんだ、ちょうど新しい法律をつくるという点では、今の我が国と同じだろうと思います。そして、すでに、私がここに持ってきましたように、政府の調査委員会がこういう厚い報告書をつくりました。これが、ここで言う環境コードと呼ばれる新しい環境立法の柱になるそれの政府の答申、こういうことになるわけであります。日本とスウェーデンの違いは何かといいますと、私はこの別紙のほうにちょっと書きましたように、予防的な視点で環境問題を考えるか治療的な視点で考えるか、こういうことに尽きるだろうと思います。予防的な視点という方が、社会コスト全体的にみていかにコストが安くなるかということは環境庁の調査でもはっきりわかっていることでありますし、世界のいろいろな事例がそれを示しているわけであります
 
スウェーデンの環境保護法というのは1969年にできまして、我が国の公害対策基本法というのは1967年にできました。今から見れば、20年前の法律であります。しかし、そこには、この資料を差し上げておきましたように、表の1というのがあります。見ていただきたいと思いますが、内容がまるっきり違っています。スウェーデンの環境保護法は、まさにアセスメントの法律であります。これは環境に対する認識の違いからこういう差が出てくるのである、こういうふうに思います。






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