無冠帝王の繰り言=外房御宿の網代湾を朝夕眺めるおぼろ男は、野次馬根性旺盛ですからいろいろと寝ぼけことを繰り返します。

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椿落つ 無冠帝こそわが墓碑銘  安藤 三佐夫

メキシコの家オープニングの祝辞

2016-10-01 16:35:10 | エッセー
 メキシコの家オープニング
 NHKこころの時間で1時間、黒沼さんが70年余の人生をお話しなさいました。すでに岩波新書2冊などで読んでいましたが、映像を交えていますからより感動的でした。
 初めに田尻浜の波打ち際を歩く姿が映りました。ここの浜で400年前にスペイン船が漂着し、300人余の異国の人が救助されました。300人程の村人よりも多い遭難者の面倒を見ましたから大事件であったでしょう。
 家康と大多喜領主の本多忠朝がいろいろと庇護したのでスペインの植民地アカプルコに無事帰還したのでした。遭難者のリーダー、ドン・ロドリゴはマニラの日本人たちを釈放し帰国させており、家康は恩義を感じていたし、また金銀の精錬法を知りたかったので丁重に面倒をみました。このことは拙著『意訳ドン・ロドリゴの日本見聞録』に詳しいのです。
 戦後間もなく、東京生まれ東京育ちの18歳のヴァイオリン天才少女は、鉄のカーテンの彼方チェコに留学し、そこで知り合ったメキシコの若手研究者と結婚し育児、演奏活動の本拠地として40年間過ごしたメキシコから1昨年帰国し、この御宿の地に永住を決めたのです。
 御宿駅前のメインストリートは「ロペス通り」と言いますが、38年前に訪れたメキシコ大統領にちなんで名づけられました。この道路を海に向かって5分ぐらい行くと左手にカラフルな3階建てが9月初めに現れました。「日本・メキシコ友好の家」です。中古建物をリニューアルして、亡きパートナー渡部高揚氏のコレクション、ヴァイオリンを弾く人形300点余を展示し、3階の小ホールでミニコンサートを行おうと考えました。
 この30日にメキシコ駐日大使を迎えてテープカットを行い公開されます。NHKは、それに先立って番組を編成しましたからタイムリ―でした。「わたしもそういう年齢になったのですね」と先日つぶやきましたが、素晴らしい実績を積まれているのですからそれで申し分ないのです。
 
「演奏者の息遣いが聞こえる狭い場所が理想ですからこの木造の部屋はベストです」
ヴァイオリンを弾きながらテレビでおっしゃいましたが、これからは時々その機会に巡り合うに違いありませんからオープニングに傘寿の老人は胸をふくらませています。
 3階ホールでユリ子さんと愛弟子波多野せいさんの演奏は、感動的でした。1流の演奏を身近に聞ける幸せを実感しました。
※9月30日夜8時45分、NHKテレビニュースで放送されました。
 私は、日本・御宿とメキシコの地霊の交わりの偶然性の必然、黒沼さんは神霊の巫女などを祝辞としました。ユリ子さんは、家康・ロドリゴに肩を並べる日墨の交流の功績があるのではないか、御宿町は名誉町民に委嘱すべきであると述べたのですが、この町は文化予算も全くない漁師町ですからどうなりますか?


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