オータムリーフの部屋

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現代の奴隷労働=外国人実習制度

2014-06-25 | 政治
 
安倍政権は、「外国人技能実習制度」について、来年度から東京五輪が開かれる2020年度までの時限措置として、日本で働ける期間を現在の3年から5年にのばすことを決定した。
国際研修協力機構(JITCO)が公表している「外国人研修生・技能実習生の死亡者数と死因」によると、1992年度から2012年度の間で、304人が死亡し、そのうち29人が自殺、87人が過労死の疑いが濃厚と考えられる脳・心臓疾患で亡くなっている。

 外国人研修生・技能実習生の年齢は、20~30代なので、これを日本人の20~30代の過労死発生率と比べると、5倍も外国人研修生・技能実習生の過労死発生率は高いということだ。直近で過労死が一番多発している2008年で見ると、32.8倍も外国人研修生・技能実習生の過労死発生率は高いという。
 
 安田浩一氏(ジャーナリスト)の実態告発によると
 時給は1年目が200円、2年目が300円で、勤務時間は午前7時から午後10時までが定時。しかし実際は深夜12時過ぎまで続き、なんと深夜12時以降は時給でなくボタン1個をつくるごとに5円などという完全ノルマ制になっているところがある。休日は月に1度のみで、彼女たちはパスポートを取り上げられ、自由な外出も許されず、住まいはあばら家ですきま風が吹き放題なのに、ストーブもエアコンもなく、お湯もでない。彼女たちは、お湯を沸かして、ペットボトルに詰め、それを湯たんぽにして布団の中にもぐりこむ。
 
 1日に何回トイレに行ったかを記録し、1回トイレに行ったら1分間で70円の罰金と書いてあるような奴隷制度顔負けのところもあったと言う。
実際には罰金は徴収されていなかったが、現場の外国人研修生・技能実習生に対してさぼらないように脅していたわけで人間扱いしていないのは明白だ。
 

NHKがこの4月に行った世論調査で、外国人労働者の増加に賛成は19.6%、反対は40.2%だった。反対の理由は、日本人の雇用が奪われる、治安の悪化などだ。

日本は単純労働者の受け入れを認めていない。働けるのは(1)専門的な技能・知識を持つ「高度人材(2)週28時間まで働ける「留学生」(3)農業、建設などでフルタイム働けるが滞在は3年の「技術実習生」(4)分野・滞在期間の制限なしの「日系人」―この4分野だけだ。
 
しかし、上記の劣悪な労働条件がたたって農漁業・建設「技術実習生」7年前は1000人だったが、いまや400人以下だと言う。

国は実習期間を5年まで延長し、分野も「介護」「林業」に広げるなどを検討しているが、異変が起こっている。 経済成長で中国で賃金が3倍に上昇し日本の水準に近くなった。南京の建設労働者は「8万円から10万円もらってるから日本へは行かない」「20万円なら考える」という。

代わって人気なのがシンガポールだ。日本と違って会社を選べる、転職も可能、国の許可があれば50歳まで働ける。つまり、将来設計もできる。日本は会社や住居に選択の余地がない。滞在も3年だ。今後、延びても5年である。これでは敬遠されて当然だろう。

「だれも来なくなる日がすぐそこまで来ている」と首都大学東京の丹野清人教授は話す。日本の現状は「コンビニのものはほとんど外国人がつくり、その素材の野菜を収穫しているのも実習生ですよ」という。
 

日系人は3世までは働く期間・職種に制限がない。他の外国人よりは有利なはずだが、ここにもカベがあった。愛知・一宮市の派遣会社の林隆春社長は、30年前から日系ブラジル人を製造業へ送り込んできた。10年経ったころ、日本社会で孤立して心を病む人が多いことに気づいた。2009年のリーマンショックのときは、林さんが派遣していた2800人のうち2200人が失職した。 林さんはいま、会社とは別に外国人支援のNPOを運営している。日系人の父親と3歳の時に来日した18歳の女性は、家計が苦しく高校へ行けなかった。住む家もなくなり、路上生活までしたという。

単純労働を認めないといいながら、単純労働者としか見ていない。消耗品だから要らなくなったら追い出す。こんな奴隷政策を日本政府がやっているのだ。
 
 女性の進出に関してもポリシーがない。人手不足だから女性の労働力も活用したいということで、働く環境も作らず、掛け声だけがかまびすしい。女性が輝く日本をつくると言いながら、「結婚しろ。子供産めないのか」といった本音のヤジが飛ぶ。品性下劣な政治家が多すぎる。
 
 失言をする札付き政治家は何度でも繰り返す。性根は変わらないから、即、免職にして代わりを補充せず、議員定数を削減するのが良い。

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