Chef's Note

『シェフの落書きノート』

ワインのボトル

2008-10-20 | 美味しいお話
一時のワインブーム以来
沢山の人が日常でワインを飲むようになりました。

ボトルの形状でワインのタイプを少し見分けることができます。
でも、これは意外と知られていないみたい。

ボトルの底の凹みを良く見てください。

右のボトルの底の凹みは、浅いのがわかりますか?

そして、左のボトルの底の凹みは、大きく一番深く凹んでいるのがわかるでしょうか?

そして、中央のボトルの凹みは、右と左のボトルの中間くらいの凹みです。

実は、この3本は、同じワイナリーで生産されたワインです。
ヴァッレ・デラカーテ』というシチリアの有名ワイナリーの3本です。

右のワインは…
ネロ ダーヴォラ ポッジォ ビディーニ
Nero D'Avola Poggio Bidini IGT
リーズナブルなワインで、やや軽めのミディアムボディ、ワイナリーから出荷された時点ですでに飲み頃をむかえています。長期熟成には耐えません。

中央のワインは…
チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア
Cerasolo Di Vittoria V.A. DOCG
シチリアで初めてD.O.C.G の認定を受けたワインですが、このワイナリーの中堅クラスのワインです。ミディアムとフルボディの中間くらいの出来に仕上がっています。長期間寝かせるのはお奨めしませんが、数年の間は楽しめるワインです。

左のワインは…
タネ
TANE
ガンベロロッソ社のヴィーニディタリアという有名なイタリアのワインガイドの評価を常に2グラス以上獲得しているワインです。
このワイナリーの最上位です。
アルコール度も15.5%もあり(通常13.5%位)、濃厚なフルボディです。
ボルドーの上質ワインにもひけをとらない味わいです。
ボトルの底の形状は、大きく深く窪みボトル自体のビンの厚みもあり、ボトルの色も光を通さないように深く濃い緑色をしています。
このワインは、長期熟成に耐えられるワインで、そのボトルの形状も中身を守るように作られています。

コルクの質や長さも実は違います。

早く飲んでほしい軽めのテーブルワインほどコルクの長さは短く。

長期熟成に耐えられる高級ワインほど質の良い長いコルクが使われ、コルクにキチンと刻印が刻まれています。

デザートワインや貴腐ワインは、白ワインであっても糖度がワインを守る為に長期間の熟成に耐えますが…
一般的に白ワインは、早めに飲み頃を迎えます。
ボトルの形状も様々で透明に近い色のボトルも使われています。
濃厚なフルと言ってもいい白ワインやシャンパーニュ、上質のスパークリングワインは、やはり熟成年数がある程度経過しても中身に大きな変化がおきないように工夫されています。


ブドウ品種によっても熟成タイプと早飲みタイプとに大きく分かれます。

長期熟成タイプのものは、ロマネコンティやジュヴレ・シャンベルタンに使われるピノノワール、そして人気のカベルネ・ソーヴィニョンやイタリアのネッビオーロ、トスカーナの代表的品種であるサンジョベーゼ・グロッソなどがあります。

逆に早熟、早飲みタイプで代表的な品種は…
ボジョレー・ヌーヴォーに使われるガメイ Gamayと言う品種。
この品種は、早熟・多産種で安価な大量生産用ワインにされることが多いブドウです。

ブドウ品種については、また時間のあるときに書くことにします。


話を戻して…
ボトルの形状ですが…
ボトルのコルクをロウで封印してあるものもあります。
チリワインなどは、安価であっても長期熟成に耐えられる品種を使い丁寧に造られていることがよくあります。
ボトルの形状もそれを物語っているものが数多くあります。

ブドウの木を手塩にかけて育て、美味しいワインを真心込めて造っているワイナリーは、ボトルやコルク、出荷時の荷造りにも神経を使い心を注いでいます。


ワインとは奥が深いものですね。
ワインに魅せられるとその迷宮に迷い込むことが多いようです。

ワインを買う時に酒屋さんでボトルを手にとって参考にしてみてくださいね。

ワインでも他のお酒でも美味しく飲む秘訣は…
楽しく飲むこと!

僕は、それに尽きると思います。









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