~step by step~[ 側弯症ライブラリー]患者の皆さんへ

側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

手術するかどうかについて

2010-01-21 20:22:44 | 側弯症手術について
august03は医師(medical doctor)ではありませんので、私の意見には医学的意味は
なにもない、ということを前提としてお読みください。アドバイスすることは医師法違反に
もなりえますので私にはその責任を負いかねるため。という風にご理解いただければと
思います。

ご様子からいたしますと、お子様はいわゆる進行性の側弯症と考えられます。
仮にレントゲン撮影の誤差をプラスマイナス5度としますと、43度~52度ということに
なります。お子様の年齢が現在16歳(?)といたしますと、骨成熟はほぼ完了していると
予想されます。

これらの情報をベースにして、想定しえるシナリオを下記に書いてみます。

①骨成熟が完了し、現状のカーブでいちおう進行スピードは収まる
①-1 : このまま将来的にも進行しない
①-2 : 年に0.5度前後での進行は続く
①-3 : 逆にカーブが減少する (この例は非常にまれです)

②見かけ上の骨成熟は完了しているが、進行スピードはゆるまない (進行続ける)

ワーストシナリオは当然 ② になります。
私は自分の性格としてワーストシナリオを念頭において、それが発生した場合には
どうするか、ということを考えて行動するタイプの人間です。
案ずるよりも産むがやすし、ではなく、備えあれば憂いなし。というスタンスの人間です

どういう行動をとるかは、どのような場合でも、その方の「普段からの考え方」とか
「人生観」が影響するのではないでしょうか。ですから、結局はみなさんがどういう考え方
をする人であるか、ということで最終的には決まると思いますが.....

ですから、ここではあくまでも、備えあれば憂いなし。という私の性格であったら、どう
するだろうか。ということで書きます。

家庭経済の要素というものもとても重要だと思います。
米国で加入されている保険がどこまでカバーしてくれるのか、また、その手術以降、
保険の掛け金がどうなるのか.....たぶん値上がりするのではないでしょうか?
そのような家庭経済面も洗い出してみられてはいかがでしょうか。
やはり日本の方で米国在住をしておられた方が、日本の保険制度のほうが良い、
という判断で帰国されるということを述べられています (掲示板 特発性側弯症治療の
広場をご参照ください)

手術のタイミングですが、いますぐにあわててしなければならない、という焦りはしなくて
よいと思います。
まだ考えられて、いろんなことを準備するだけの時間はあると思います。
学校のこともあるでしょうし、なによりも、日本に戻られてからの健康保険?あるいは
国民保険? の手続き等の段取りなども考慮する必要があると思いますし。

いまの手術技術はひところに比較しますと格段の進歩をとげています。
ですから、仮に50度で手術するにしても、60度で手術するにしても
......もちろん手術すると決めたならば、角度の少ないほうがベストですが.....
そこにとてつもない大きな「差」がでるかといえば、そこまで大袈裟にかんがなければ
ならないような差はないと考えていただいていいと思います。
側弯症は難儀ですが、ガンのように一か月の差が命取りになる。というような範疇とも
違いますので。

私のこどもでしたら、私は、日本で手術を受けさせると思います。もちろん、友達関係の
ことも考慮しなければなりませんが、学校をどうするか、そのまま日本の学校に通わせる
か、それともまた時期をみて、米国の学校にいくか。そういうこともすでに考えては
おられると思いますが、そうことをこどもと話あったうえで、日本の病院で手術すると
思います。 私の理由は単純です。 医学的技術は日米で同じですから、あとは、経済的
な面と、医師とのコミニュニケーションの点で、日本のほうが気持ち的に楽になるから
ということがあります。

どこで手術を受けるか、この点の参考としては、患者さんがたのなかでつねに話題に
あがる先生を選ぶと思います。 手術は「技術」であり、技術は「経験」です。経験とは
「症例数」ですので、その点を考慮されて病院を選ばれるといいと思います。

ここまで書いてすでにおわかりと思いますが、私は「手術」することを前提として準備を
すすめることを書いています。今日明日にする必要はありませんが、いずれは手術が必要
になるだろう。そのときにベストな状態で.....ベストとは、健康もそうですが、ご家族に
とっての経済的面もろもろを含めて....臨めるように準備したいと思います。

仮にいま手術しなかったとしても、一年以内 あるいは 30代になって あるいは60代に
なって手術する可能性のほうが、手術なしでいく可能性よりも高いと思います。

カーブが70度では行き過ぎですから、せめてもしも60台前後にまで進行したときには、
すぐに手術できる。という形で準備をされてはいかがでしょうか。


august03


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2 コメント

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中程度の側わん症の場合の手術決断について (ミド)
2011-05-19 10:50:32
ご相談させてください。娘が小学校6年生の時に中程度(50度弱)の脊柱側わん症と診断され、結構有名な大病院の先生に4年間通院してきました。この4年間、コルセット生活でしたが、お陰さまで進行はせず今に至っています。問題となる症状も今のところ全くでてきておりません。ただ先生からは、今後、これまでの患者例から考えると、年をとるに従い1年間に0.5度程度づつ進行していく可能性もあり、将来の憂いをなくすために、急ぐ必要はないが適齢期の中学-大学時期での手術を勧められています。現在、娘は高校1年生。コルセットはあまり嫌ではないようで、元気で高校生活を送っているのですが、大学受験や大学入学後は若い人生を謳歌してもいたいこともあり、手術するならば、この夏しかないと親は考えています。でも、現時点で表面上は何も問題ない娘を見ていると、可能ならば、体にメスを入れることを避けてあげたいとも強く思うばかりで、手術をするか否かの判断に、毎晩、眠れない状況です。お伺いしたいのは、最終的に決断するのは我々親と本人であることは重々承知の上で、一般論として、ほぼ同じケース(中程度、今のところ症状は何もない、今は進行は止まっている)の方々はどうされているのか、それを知りたいのですが、その情報を得る手段はありますでしょうか?或いは、個人的なご意見でも構いません。どうか一つでも二つでも教えて頂けませんでしょうか?どうか宜しくお願いいたします。
参考になれば( ´ ▽ ` )ノ (うっぱ)
2012-09-24 11:13:49
私の場合は、、、小学3年生の時に側弯症と診断されました。角度もまだ軽度でした。年々進行して。60度をこえたので、中学3年生の夏休みに手術を受けました。個人差はアルと思いますが、術後の痛みもなく、傷も目立たないし、コルセットもしなくていいし、運動も全然問題ないですし、手術をして困ったこと悲しかった事は、ないです♪(v^_^)v術後は身長も伸びました。コルセットをしている時は、見た目を凄く気にしていました。友達に肩をトントン!されるだけでも嫌でした。女の子だし、オシャレしたいのにコルセットを気にして着たい服も着れない。凄く悲しかったです。でも、術後は思いどうり(^^)洋服の販売員も出来ましたし、夏は毎年ビキニで泳いでます♪
現在25歳になります。手術で入れた金具を取る手術を10月にします。
参考にならなかったかもしれませんが、手術をする事が最悪な状態ではない!!事が伝わって頂けたら★

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