えーと、その後の成り行きは、にどまりのブログに詳しく書いてあるので、よかったらそちらをごらん頂くことにして…。
新・にど風呂 鳥獣保護センターにて
たぶん、筋肉を食われてしまった翼は、元通りに飛べるほどには戻らない。
ヒヨドリは、とてもたくさんいる鳥だし、農業被害だって出しちゃうわけだし(わたしだってブルーベリーを守ろうとしたし…)怪我が治るまで、そっと飼い続けたとしても、きっと誰にも咎められないだろう。
でも、今、うちには、他人の出入りがある。それも小学生だし、秘密が守れるとは思わん。
それに、万が一だけど、もしもこの野鳥から人間へ何らかの感染があったら、わたしは責任を取ることはできない…。「この鳥と、個人というだけではなくて、人間社会全体に影響が出ます。」と、職員の人にも言われた。
今は少し、話題が下火になっているけれど、鳥インフルとか流行っていたころは、野鳥の餌台を庭に作るのもはばかられたようだ…。近所の人から苦情を受けて、ささやかな楽しみなのにそれを奪われて悲しかった…みたいな話を聞いたこともある。
…というわけで、鳥獣保護センターに預けて帰った。職員の人は、とても丁寧に診てくれたし、ヒヨドリは人に慣れやすく、餌も食べるようなら、いろいろな治療も試みやすいと言われた。猫の牙が入ったところがパンパンに腫れているとのことだったから、抗生物質などももらえるかもしれない。
あのまま、わたしがあのヒヨドリをそっと飼ったとしても、結局看取るだけになったかもしれない。
野生のものは、野に在るのがいちばんなんだろう…。野の中で、わたしの知らないたくさんの鳥が食ったり食われたりしているだろう…。
…だけど、道に落ちているかわいい鳥を拾って、勝手に飼うことは、もう禁じられている世界に、わたしは住んでいたのだな…と知った。
もしも、治ったら、あのヒヨドリは野生に帰される。無事、帰したら、ハガキで連絡をくれると、職員の人は言った。でも、それ以外の経過は、こちらからはお知らせしません…電話で、問い合わせてもらったら答えます、とのことだった。
あれから、まるひと月経った。ハガキは来ない。
電話をする気にもなれない。
ただ、その鳥獣保護センターのそばに、雨に濡れながら、赤い椿がたくさん咲いていた。もしも放してもらったら、きっとあの花の蜜を飲むだろう…と思った。もう、椿の季節は過ぎたけど、静かな山だった。なぜか遠くに連れてきてしまったけれど、あの山もきっとよいところだ。
…そんなことも思って自分を慰めたけれど、しばらくわたしは、失恋したような気持ちになっていたのでした…。
新・にど風呂 鳥獣保護センターにて
たぶん、筋肉を食われてしまった翼は、元通りに飛べるほどには戻らない。
ヒヨドリは、とてもたくさんいる鳥だし、農業被害だって出しちゃうわけだし(わたしだってブルーベリーを守ろうとしたし…)怪我が治るまで、そっと飼い続けたとしても、きっと誰にも咎められないだろう。
でも、今、うちには、他人の出入りがある。それも小学生だし、秘密が守れるとは思わん。
それに、万が一だけど、もしもこの野鳥から人間へ何らかの感染があったら、わたしは責任を取ることはできない…。「この鳥と、個人というだけではなくて、人間社会全体に影響が出ます。」と、職員の人にも言われた。
今は少し、話題が下火になっているけれど、鳥インフルとか流行っていたころは、野鳥の餌台を庭に作るのもはばかられたようだ…。近所の人から苦情を受けて、ささやかな楽しみなのにそれを奪われて悲しかった…みたいな話を聞いたこともある。
…というわけで、鳥獣保護センターに預けて帰った。職員の人は、とても丁寧に診てくれたし、ヒヨドリは人に慣れやすく、餌も食べるようなら、いろいろな治療も試みやすいと言われた。猫の牙が入ったところがパンパンに腫れているとのことだったから、抗生物質などももらえるかもしれない。
あのまま、わたしがあのヒヨドリをそっと飼ったとしても、結局看取るだけになったかもしれない。
野生のものは、野に在るのがいちばんなんだろう…。野の中で、わたしの知らないたくさんの鳥が食ったり食われたりしているだろう…。
…だけど、道に落ちているかわいい鳥を拾って、勝手に飼うことは、もう禁じられている世界に、わたしは住んでいたのだな…と知った。
もしも、治ったら、あのヒヨドリは野生に帰される。無事、帰したら、ハガキで連絡をくれると、職員の人は言った。でも、それ以外の経過は、こちらからはお知らせしません…電話で、問い合わせてもらったら答えます、とのことだった。
あれから、まるひと月経った。ハガキは来ない。
電話をする気にもなれない。
ただ、その鳥獣保護センターのそばに、雨に濡れながら、赤い椿がたくさん咲いていた。もしも放してもらったら、きっとあの花の蜜を飲むだろう…と思った。もう、椿の季節は過ぎたけど、静かな山だった。なぜか遠くに連れてきてしまったけれど、あの山もきっとよいところだ。
…そんなことも思って自分を慰めたけれど、しばらくわたしは、失恋したような気持ちになっていたのでした…。