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あすかパパの色んな話

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【名波浩の視点】初黒星の仙台。優勝争いに生き残るために必要なこと

2012年05月09日 06時23分45秒 | コラム

今季は高いパフォーマンスを発揮している関口訓充。清水戦でも再三チャンスを作ったが......。

リーグ9戦無敗で首位を快走していたベガルタ仙台が、第10節の清水エスパルス戦で0-1と敗れ、今季初の黒星を喫した。

 前節のサガン鳥栖戦も見ていて、仙台の守備の良さは再確認していた。というのも、「鳥栖の守備がいい。攻守の切り替えの速さ、密集の速さなどはJの中でもトップクラス」と話を聞いて見た試合で、確かに鳥栖はその評判どおりだったけれども、そんな鳥栖と比べてみても、仙台のほうがさらに守備への対応が速かったからだ。ずっと負けずに結果を出していたのは、やはりそうした守りで踏ん張れていたのが要因だと見極めることができた。

 ただ、この日に対戦した清水は、これまで仙台が対戦してきたチームにはなかったほど、速いテンポでボールを回していた。そのテンポに、仙台はついていけなかった。「ついていけなかった」と言うと、仙台の選手たちからは「いやいや、そんなことはない」と否定されるかもしれないが、明らかに対応が遅れていたと思う。タテに挟むディフェンスが特徴にもかかわらず、ボールを持った相手を潰しに行く選手も、それを挟み込む選手も、ボールを奪取するタイミングに間に合っていなかった。

 清水が最終ラインで左右にボールをスライドしながらビルドアップしていく組み立てに対しても、なかなかボールを奪えず、前線からのプレッシャーが次第にゆるくなっていった。結果、チーム全体のスピードも最後まで上がらないままで、その隙に清水のショートカウンターのような形から高木俊幸に攻撃の起点を作られ、大前元紀にゴールを奪われてしまった。

 これで仙台は、ゴールデンウィークの3連戦で1勝1分け1敗。疲れもあるのだろうが、序盤戦ほどの勢いは感じられなかった。

原因は、第7節で負傷した赤嶺真吾の不在。3戦の成績にしても、3試合で2得点しか奪えなかったことにしても、赤嶺のいない影響が数字の上でもはっきり出ている。

 1-1で引き分けた鳥栖戦も、内容的には仙台が2-0、3-0で勝ってもおかしくない試合だった。守備の固い仙台ならば、1-0でフィニッシュできるパターンでもあった。なのに、引き分けたということは、何か課題となる穴があったということで、それが何かと考えれば、2点目が取れなかったこと。そこはチームとしての反省材料でもあるが、赤嶺不在がやはり響いていたように思う。

 今季は、太田吉彰、関口訓充が非常に安定したパフォーマンスを発揮しているが、彼らも赤嶺がいることでより生きるのではないだろうか。赤嶺の動き出しの良さにうまく引っ張られて、赤嶺の近いところでプレイしたり、ワイドに開いて赤嶺のスペースを作ってやったりしながら、それぞれが結果を出してきた。

 それだけに、赤嶺の復帰が待たれるところだが、本人曰く「次節には復帰できそう」だと言う。とすれば、ゴールデンウィークの3連戦とは、またチームも変わるだろう。序盤戦のような戦いが再びできれば、楽しみも広がる。

 特に攻撃に関しては、昨季以上に勢いがある。それは、昨季と違って連動性というものが加わったからだと思う。勢いのある中で、潰れ役であったり、スペースに走り込むタイミングだったり、こぼれ球を待っているセカンドラインのポジションだったり、そうした意図のある動きが多くなっている。それが、今季の得点増につながっている。

 一方の守備も、相変わらず安定している。なかでも、中盤での”潰し”の速さはピカイチ。それは、角田誠や富田晋伍らボランチの危険察知能力の高さがあるからで、そのピンチを未然に防ぐ守備こそ、今の好調さを支えている要因だ。それを証明するのが、被シュート数の少なさ。10試合消化しているチームでは72本とトップで、1試合平均の被シュート数が7.2本(リーグ1位)というのは、かなり立派な数字だと思う。

 さて、このまま優勝争いに加わっていけるかだが、ポイントになるのは、やはり点を取ること。鳥栖戦のように追いつかれることなく、ゲームを勝ち切ることができるかどうかだ。昨年優勝した柏レイソルには、試合を決められるレアンドロ・ドミンゲスがいた。しかし仙台にはそういう選手がいるわけではないので、しぶとく勝負をモノにしていくことが大切になってくる。

 特に先制点を取ることが大事、というよりは、それがすべてだと思う。先制点を奪って、自分たちのメンタルコンディションをいい状態に保って戦えるような試合が多くなれば、チャンスも生まれてくるだろう。(スポルディーバ Web)



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