無聊な一日

2016-09-17 | 日記

      

今日は家の中でごろごろしながら、先日に古書好きの編集者から原稿料替わり(?)に頂いた大森啓助著『アンリ・ルソオ』(アトリエ社 1940年刊)を開いたり閉じたり、また、熱い珈琲を淹れようか、冷たいのがいいのかあれこれ考えながら、そしてまた家の中をうろうろしていた。こういう一日はとても気分がいい。あんまり期待しないで読んでいたが、これが結構面白くて、つい読み終えてしまった。大森啓助(1898-1987)は著作や訳書もある国画会の洋画家で、僕は知らなかったし絵も見たことはなかったが、この『ルソオ』はルソーの絵のように衒いのない、ルソーの絵を見る喜びが伝わってくるような、いい本であった。大森啓助の作品も見たくなった。

さもあらばあれ、ルシエルシエのみにいそがしい繪畫ばかりが氾濫してゐる現代に、ルッソオの如く純眞にして素朴明朗にして歡喜に充ち溢れた繪畫を見得るとは、なんとたのしく嬉しいことであらう。(ルシェルシェはフランス語で、もてはやされる、珍しい)

大相撲中継はソファに横たわって見ていたが、家の電話に飛び起きて、出てみるとそれはペンキ屋の営業だったのは、どうも癪に触るのである。夕方からは雨が降ってきて、秋の虫も一層うるさいほどに鳴き始めた。もうすっかり、秋になった。

 


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