Vaughan Williams
《The House of Life》 《Songs of Travel》
Song cycles and songs by Butterworth, Ireland, Warlock, Gurney
Anthony Rolfe Johnson
David Willison
5 74785 2
1974,75年録音。55分18秒/44分38秒。EMI。イギリスのベテランテナーであるアントニー・ロルフジョンソンが新進気鋭だったころの録音。レイフ・ボーンウィリアムズの歌曲集《The House of Life》《Songs of Travel》で1枚。そしてバターワース、アイアランド、ウォーロック、ガーニーの歌曲集で1枚。ロルフジョンソンの声の調子もいいし、イギリスの近代歌曲のすばらしさをかいま見るにもいいプログラムだと思います。ボーンウィリアムズの歌曲集、いいですよー。
わたしがロルフジョンソンをはじめて聴いたのは、1982年に録音されたガーディナーの『メサイア』で、それ以来、この人の歌うCDを、モンテベルディからモーツァルトまで、ほんとにあれこれ聴いてきました。しかしこの人はほんらい古楽の人ではありません。というか古楽向きの声ではない。というのは、柔らかい発声で、ビブラートが自然についちゃう。で、この人の声はビブラートついていてこそ美しい。だから、ここで歌っているようなイギリス近代の歌曲こそ、この人の本領なんだろうと思います。知的で陰影に富む。
それにしてもレイフ・ボーンウィリアムズがこんなにすてきな歌曲を書いてたなんてね。全体に薄味ですけどね。水彩画の魅力、とでも申しましょうか。《The House of Life》はロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)の詩による6曲の歌曲集。2曲目"Silent Noon"はとくに人気のある曲のようで、ボストリッジもターフェルも録音しています。いっぽう《Songs of Travel》はスティーブンソン(Robert Louis Stevenson)の詩、9曲。1曲目の"The Vagabond"はターフェルも録音。
『命の家』はアレンの録音もよかったけど、ロルフジョンソンもそれに劣らずいいです。
CD2はアイアランド(John Ireland, 1879-1962)の歌曲集《The Land of Lost Content》(6曲)、ガーニー(Ivor Gurney, 1890-1937)の歌曲4曲、バターワース(George Butterworth, 1885-1916)の《Six Songs from 'A Shropshire Lad'》(6曲)、ウォーロック(Peter Warlock, 1894-1930)の歌曲5曲。わりと地味な短い作品ばかりですが取っつきやすく聴きやすいものが多いです。
だしぬけながらわたしはアガサ・クリスティほぼ全作品読んでるくらい好きで、『名探偵ポワロ』はDVDも買って観てるんですが、20世紀前半のイギリスのせかせかしないゆったりした文化の薫りがしてる、って点ではこの2枚組とクリスティの小説とどこか通じ合うような。
《Songs of Travel》と《Six Songs from 'A Shropshire Lad'》はターフェルも録音しているんで、聴き較べてみます。
《The House of Life》 《Songs of Travel》
Song cycles and songs by Butterworth, Ireland, Warlock, Gurney
Anthony Rolfe Johnson
David Willison
5 74785 2
1974,75年録音。55分18秒/44分38秒。EMI。イギリスのベテランテナーであるアントニー・ロルフジョンソンが新進気鋭だったころの録音。レイフ・ボーンウィリアムズの歌曲集《The House of Life》《Songs of Travel》で1枚。そしてバターワース、アイアランド、ウォーロック、ガーニーの歌曲集で1枚。ロルフジョンソンの声の調子もいいし、イギリスの近代歌曲のすばらしさをかいま見るにもいいプログラムだと思います。ボーンウィリアムズの歌曲集、いいですよー。
わたしがロルフジョンソンをはじめて聴いたのは、1982年に録音されたガーディナーの『メサイア』で、それ以来、この人の歌うCDを、モンテベルディからモーツァルトまで、ほんとにあれこれ聴いてきました。しかしこの人はほんらい古楽の人ではありません。というか古楽向きの声ではない。というのは、柔らかい発声で、ビブラートが自然についちゃう。で、この人の声はビブラートついていてこそ美しい。だから、ここで歌っているようなイギリス近代の歌曲こそ、この人の本領なんだろうと思います。知的で陰影に富む。
それにしてもレイフ・ボーンウィリアムズがこんなにすてきな歌曲を書いてたなんてね。全体に薄味ですけどね。水彩画の魅力、とでも申しましょうか。《The House of Life》はロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)の詩による6曲の歌曲集。2曲目"Silent Noon"はとくに人気のある曲のようで、ボストリッジもターフェルも録音しています。いっぽう《Songs of Travel》はスティーブンソン(Robert Louis Stevenson)の詩、9曲。1曲目の"The Vagabond"はターフェルも録音。
『命の家』はアレンの録音もよかったけど、ロルフジョンソンもそれに劣らずいいです。
CD2はアイアランド(John Ireland, 1879-1962)の歌曲集《The Land of Lost Content》(6曲)、ガーニー(Ivor Gurney, 1890-1937)の歌曲4曲、バターワース(George Butterworth, 1885-1916)の《Six Songs from 'A Shropshire Lad'》(6曲)、ウォーロック(Peter Warlock, 1894-1930)の歌曲5曲。わりと地味な短い作品ばかりですが取っつきやすく聴きやすいものが多いです。
だしぬけながらわたしはアガサ・クリスティほぼ全作品読んでるくらい好きで、『名探偵ポワロ』はDVDも買って観てるんですが、20世紀前半のイギリスのせかせかしないゆったりした文化の薫りがしてる、って点ではこの2枚組とクリスティの小説とどこか通じ合うような。
《Songs of Travel》と《Six Songs from 'A Shropshire Lad'》はターフェルも録音しているんで、聴き較べてみます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます