迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

東北新幹線、連結外れる=走行中、緊急停車―上下線で運転見合わせ・JR東

2024-09-19 13:43:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-240919X396?fm=d盛岡驛で連結した「はやぶさ六號」・「こまち七號」東京行きは、午前八時過ぎに古川~仙薹間を走行中、宮城縣大崎市で連結が外れて分離、緊急停車云々──併結列車が走行中に分離するなど前代未聞な事故であり、オイオイ何をやってんだ、と . . . 本文を読む
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創痍憶代。

2024-09-18 20:09:00 | 浮世見聞記
西武拝島線「玉川上水驛」より徒歩約五分、靜かで平和そのものな都立東大和南公園を通るうち、木立の向かふに穴だらけの古いコンクリート建造物が姿を現し、ハッと胸を衝かれる。前から訪ねたかった、東大和市指定文化財「旧 日立航空機株式會社變電所」が、これなり。昭和十三年(1938年)、ガスや電氣器具、工作機械に自動車、航空機のほか兵器製造の総合企業であった東京瓦斯電氣工業株式會社 . . . 本文を読む
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八月十五夜の道標。

2024-09-18 00:50:05 | 浮世見聞記
八月十五夜の月。浮世の夜陰を白く照らし、その輝きに心は昇華する。團子よりも私は月。太陽は暑い。月は涼しい。おやおや、どこかで部屋の電灯(あかり)がついた。浮世の塵ばかりを吐いてゐる、野暮天め。 . . . 本文を読む
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殘暑異譚。

2024-09-17 23:30:00 | 浮世見聞記
目的の鐵道車両を撮るため、白昼の殘暑炎下を「我ながらよくやる……」と笑ひ乍ら歩くうち、その住宅地がまだ耕作地帯であった昔日を今日に傳へる古屋に出逢ふ。傳へると云ふより、そこだけどこかで時間が止まって、そのまま令和に至ってしまったかのやうな、ハテ私はどちらの時代にゐるのか、どちらの時代から来たのか……。遠くのはうで、鐵輪が鐵路を噛む音が聞こえて、ハッとする。私は、白昼魔の異世界へ引きずり込まれさうに . . . 本文を読む
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妖異割拠。

2024-09-16 20:28:00 | 浮世見聞記
ラジオ放送で觀世流九皐會の「殺生石」を聴く。唐國と日本國を股にかけて玉座を脅かした玉藻前の奇譚が、近年に件の石が二つに割れたことで様々な令和怪異をもたらしてゐる觀のあることは、もはや異論を挟む余地のあるところではない。弱味と言うヒトの心の隙間にスルリと侵入して、内からヒトを操る──しかしその正体がニンゲンと云ふ始末に負へない生きモノであることも、また異論を挟む余地のあるところではない。 . . . 本文を読む
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散財散運ノ理。

2024-09-15 20:12:00 | 浮世見聞記
有樂町東京國際フォーラム前の大江戸骨董市を覗く。暑いのは相變はらずだが、湿度が少し下るやうになったぶん、いくらか出かけやすくはなり、初めてお目にかかるおタカラを見つけて、ほどほどのところで引き揚げる。九月はまだ半分殘ってゐる。だから“運”も殘しておかう。 . . . 本文を読む
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ニッポン徘徊──消失結城家の面影

2024-09-14 23:50:00 | 浮世見聞記
JR水戸線を利用して、數十年ぶりに茨城縣結城市に遺るかつての領主、結城家の墓所を訪ねる。源頼朝の隠し子と稱した初代朝光以降、關東武士の名門として波瀾萬丈の中世をあの手この手で生き延びてきた結城家は、十七代晴朝が養子として迎へた德川家康の次男秀康(十八代)の子の代になって“松平”姓となったため、自然消滅してしまふ。(※慈眼院跡の結城家御廟。初代朝光から十六代政勝までの供養塔が集まる)慶長六年(160 . . . 本文を読む
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魍魎爽快。

2024-09-13 19:14:00 | 浮世見聞記
恒例の平和島骨董まつりを覗く。布切れの山から、興味ある一片を見つけたが、値段が付いてゐない。かういふテの見世には、よくあるやつだ。見世主にいくらなのか訊ねると、「品(モノ)によりマス」かういふテの見世に、よくある返答(こたえ)。イヤラシイね。恐ろしい、恐ろしい。私はスッキリした氣分でそこを離れる。 . . . 本文を読む
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犬猿嫌災。

2024-09-12 19:35:00 | 浮世見聞記
日中はベタベタとした暑さで調子も上がらず、今日も散歩は陽が落ちてからにする。鐵道の跨線橋から北方の空を望むと、そこだけぼんやり浮かんだ雲が、時折白い光りを放つ。空と大氣が不仲だと、かういふ現象が發生云々。空もニンゲンも、浮世は寄ると触るとすぐにバチバチだ。 . . . 本文を読む
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JR貨物、全列車一時停止データ改ざん、荷物に遅れ

2024-09-12 12:31:00 | 浮世見聞記
dmenuニュースよりhttp://topics.smt.docomo.ne.jp/article/kyodo_nor/nation/kyodo_nor-2024091101001211?fm=d11日、貨車の製造過程における車輪と車軸の取付作業において、JISの定めた基準を超える圧力をかけてゐたにも拘ず記録を改竄された車両が564両發覺、一時は該當車両が7000両にも達し、JR貨物は點検のため全 . . . 本文を読む
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藝のクセもの。

2024-09-11 19:05:00 | 浮世見聞記
和泉流三宅右近一家の狂言二番を、ラジオ放送で聴く。謠ひ物の「鳴子」、語り物の「菊の花」、いづれも定型化された流れでとくに耳に留まるものはなかったが、「鳴子」のシテが長年の口癖なのだらう、臺詞の前によく「ぁ、いや……」と口にするのが耳に付き、そのために以下の臺詞がボヤけて聞こえてしまひ、もったいなく思ふ。人には誰でもクセがあり、藝能者の場合はそれを特徴(あじ)とする“藝”に轉化できてこそ、本物になれ . . . 本文を読む
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義務奔放。

2024-09-10 20:13:00 | 浮世見聞記
電車内で目に入った求人廣告の文句。もう大昔、私がその社會組織との訣別を決めた日、仲良くしてゐた女性にそのことを打ち明けると、え、と驚いてから、「好きなことを仕事にして、幸せとは限らないからねぇ……」と、しみじみ云ったことを、かうした時にふと思ひ出す。仕事には當然、“義務”と“責任”が伴ふ。そのためには當然、自分を圧殺する必要も生まれてくる。私はそれが、キライ。その時點で、“好きなこと . . . 本文を読む
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南無再縁行脚。

2024-09-09 22:20:00 | 浮世見聞記
久しぶりに川崎大師平間寺に参詣、心のなかのツマラナイものを置いて行く。そして多摩川を渡って池上本門寺の石段を昇り、大本堂で今年の殘りの日々について、ご本尊の聲を聞く。ここからは四十分モリモリ歩いて品川區西大井の“品川大佛”如来寺を、昨年五月下旬以来やうやく再訪し、五体の大佛を改めて仰ぐ。今日は鐵道があちこちで不具合を起こしたやうだが、帰りはそれらをスルリと抜けて結果オーライに帰宅できたも、やはり真 . . . 本文を読む
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當り前と云ふ平和。

2024-09-08 22:48:00 | 浮世見聞記
散歩の途中、新幹線の高架橋の下に立ち、小刻みに整列した橋脚を見て、この連續が静岡を經て、名古屋を經て、京都を過ぎ、大阪に至ってゐるのだな、と當り前なことを考へる。さう、すべては「千里の道も一歩から」。なにもしなければ、なにもなくそこに居續けて、お終いではないか。人災疫病禍の年までよく行ってゐた町で、便利に利用してゐたイトーヨーカ堂が閉店してゐるのを見て、ありゃ、と立ちすくむ。先月中旬 . . . 本文を読む
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掘返呼返招返。

2024-09-07 23:54:00 | 浮世見聞記
探してゐる資料を求めて、武州所澤で恒例の古本市を覗いてみる。結果は案の定に出逢ひはなかったが、“掘り出し物”と云ふ出逢ひには恵まれる。昔むかし、夏の日の記憶を呼び返す、その掘り出し物。夏がすっかり去ってから、その面影を掘り起こしに行きたいものだ。樂しいものが手に入った。帰りに寄った我が町のスーパーマーケットに、いまなほ精米など置いてあるわけもなく、我が棲家の炊飯器は、まだまだ夏休みを強いられさうだ . . . 本文を読む
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