劇団☆新感線のいのうえひでのりさん演出の舞台のDVD。
歌舞伎の外連や見得などの感覚を取り入れた演出で人気のある『いのうえ歌舞伎』の1作。
新感線初の原作モノということでも話題でした。
チケットもバカ売れで、日程が合わず、泣く泣く見送った舞台でしたのに、喉もと過ぎれば熱さも忘れるで、買うのを先送りしておりました。
私がもたもたしているうちに、会社員だった頃の同僚というか後輩N嬢が「買いました~。一緒に観ましょう。」と誘ってくれました。
彼女は『阿修羅城の瞳』の映画で染五郎にはまり、引きずり込むようにして観せた舞台のDVD『阿修羅城の瞳2003』で新感線にはまったお嬢さん。
着々とDVDを集め、最近ではファンクラブにも入ったとのこと。
すっかりお株を奪われた格好ですが、頼もしい限り。
『メタル・マクベス』は私が買うから、安心してね。
というわけで、一緒に、TVの真ん前に陣取って鑑賞。
劇場で、一期一会、たった1回のこの舞台と肝に銘じて観る緊張感と違って、途中、ちゃちゃを入れながらのゆるさですが、これはこれで楽しいものです。
何がイイって、カッコイイッ!と思ったときに、声に出して言えること。
劇場ではそうはいきませんから。
原作は隆慶一郎氏の『吉原御免状』。未読です。
舞台化が決まったとき、読もうと思いましたが、先入観を持ちすぎてしまうことが怖かったのでやめておきました。
これで、やっと読める~。
原作を読んだ方々からの賛否両論というのは避けがたいことで、この作品も登場人物のイメージが違うとか、作品の切り取り方が違うとか、いろいろあったようです。
後から読むと、そのイライラがないので気が楽。
さて、いのうえ歌舞伎『吉原御免状』。
肥後の山深く、剣豪・宮本武蔵に育てられた若武者がひとり。
名は松永誠一郎(堤 真一)。
親の名も顔も知らず、人と関わることなく育った彼が、師匠の遺言により江戸最大の遊郭・吉原を訪れるところから物語は始まります。
何もわからぬまま、吉原を舞台に繰り広げられる暗闘に巻き込まれていく誠一郎。
吉原を牛耳る謎の老人・幻斎(藤村俊二)。
誠一郎を助ける旗本・水野十郎左衛門(梶原 善)。
吉原を襲う秘密組織「裏柳生」の総帥・柳生義仙(古田新太)。
乱世の去ったこの時代に柳生の存在意義に憂う柳生家当主・柳生宗冬(橋本じゅん)。
誠一郎に思いを寄せる二人の太夫、勝山(松雪泰子)と高尾(京野ことみ)。
誠一郎がこの吉原に呼び寄せられた理由とは何か。
暗闘の中心にある「神君御免状」とか何か。
唯一、公儀より許された遊郭・吉原に隠された謎とは?
細く組まれた紅格子、青みがかった照明。
ほんの少し『阿修羅城の瞳』のセットを思い出させますが、回り舞台やセットの高さを活かした演出は物語の進行に途切れのない流れを生み出し、飽きさせることもありません。(私、暗転って大嫌いなんです。)
太っているのに何故かっこいいのかわからない怪優・古田新太さんと、大きな動きが魅力の堤真一さんの殺陣。
いつもより派手さ、回数はないのですが、びしりと決まる効果音と大音響の音楽が盛り上げます。
新感線を観る醍醐味。
十八番の笑いの部分がない分、観ている私のほうで気持ちのメリハリに欠けるという気はしましたが。
古田さんは悪役。
屈折している悪役なのでしょうが、とてもわかりやすい屈折で、強い強いといわれながら、意外に弱い。すぐ誠一郎に負けちゃうんです。
そのくせ、弱いものいじめ、裏切り者いじめには容赦がなくて…。
ここまでしてほしくなかったというシーンも。
普段は笑いを一手に引き受ける橋本じゅんさんは、弟を御しきれないことを悩む兄の役に合っていたと思います。
メイクの薄めの時の、橋本さんの目ってちょっと気弱な感じを受けるので。
おひょいさんは、なんともいえない雰囲気を醸し出しています。若いときはすごかったんだろうなぁと。何がってわけではないんですが。
梶原さんも楽しそうだし、いいとこどり。
女優さんたちも熱演。
御免状の謎に劣らず、誠一郎の成長・変化は物語の大きな軸です。
それを促すのは、ふたりの太夫の存在。
吉原が舞台であるだけに、女の意地、真情がきっちり伝わらないことには、話も薄っぺらになってしまいます。
ふたりとも綺麗でしたが、どういう意図のキャスティングなのか、ちょっと量りがたいところがあります。
観るほうの想像力で、役のイメージを補強しないとちょっとつらい。
それなりの雰囲気はあったのですが、舞台の上でぐぐっと大きく見えるような存在の強さが欲しい気がしました。
それにしても、堤真一さんは良かったです。
明鏡止水、そんな感じの誠一郎がぴたりとはまっていたかと思うと、とぼけた可笑しさがあって。
もちろん、迫力を出すのはお手の物って感じですし。
殺陣がまたいいんですよね~。切れというより流れのある動きが好き。
予告編でちょっとだけ観られます。→ E!oshibai特集ページはコチラ。
内野さん贔屓の私ですが、堤さんの誠一郎を観ている間は、これを内野さんで観たいとは思いませんでした。
質が違うので。
もし、ご近所にこのDVDを持っている方がいらっしゃるようなら一見の価値ありかと。
そしてその方が『阿修羅城の瞳2003』も持っておいでなら、それは必見。
ちなみに映画化もされていて、その小説もあります。それはこんな感じ。
大きい劇場を埋める役者ふたりががっぷり四つに組んでいる感じはすごいです。
ああ、またDVDが観たくなる…。
歌舞伎の外連や見得などの感覚を取り入れた演出で人気のある『いのうえ歌舞伎』の1作。
新感線初の原作モノということでも話題でした。
チケットもバカ売れで、日程が合わず、泣く泣く見送った舞台でしたのに、喉もと過ぎれば熱さも忘れるで、買うのを先送りしておりました。
私がもたもたしているうちに、会社員だった頃の同僚というか後輩N嬢が「買いました~。一緒に観ましょう。」と誘ってくれました。
彼女は『阿修羅城の瞳』の映画で染五郎にはまり、引きずり込むようにして観せた舞台のDVD『阿修羅城の瞳2003』で新感線にはまったお嬢さん。
着々とDVDを集め、最近ではファンクラブにも入ったとのこと。
すっかりお株を奪われた格好ですが、頼もしい限り。
『メタル・マクベス』は私が買うから、安心してね。
というわけで、一緒に、TVの真ん前に陣取って鑑賞。
劇場で、一期一会、たった1回のこの舞台と肝に銘じて観る緊張感と違って、途中、ちゃちゃを入れながらのゆるさですが、これはこれで楽しいものです。
何がイイって、カッコイイッ!と思ったときに、声に出して言えること。
劇場ではそうはいきませんから。
原作は隆慶一郎氏の『吉原御免状』。未読です。
舞台化が決まったとき、読もうと思いましたが、先入観を持ちすぎてしまうことが怖かったのでやめておきました。
これで、やっと読める~。
原作を読んだ方々からの賛否両論というのは避けがたいことで、この作品も登場人物のイメージが違うとか、作品の切り取り方が違うとか、いろいろあったようです。
後から読むと、そのイライラがないので気が楽。
さて、いのうえ歌舞伎『吉原御免状』。
肥後の山深く、剣豪・宮本武蔵に育てられた若武者がひとり。
名は松永誠一郎(堤 真一)。
親の名も顔も知らず、人と関わることなく育った彼が、師匠の遺言により江戸最大の遊郭・吉原を訪れるところから物語は始まります。
何もわからぬまま、吉原を舞台に繰り広げられる暗闘に巻き込まれていく誠一郎。
吉原を牛耳る謎の老人・幻斎(藤村俊二)。
誠一郎を助ける旗本・水野十郎左衛門(梶原 善)。
吉原を襲う秘密組織「裏柳生」の総帥・柳生義仙(古田新太)。
乱世の去ったこの時代に柳生の存在意義に憂う柳生家当主・柳生宗冬(橋本じゅん)。
誠一郎に思いを寄せる二人の太夫、勝山(松雪泰子)と高尾(京野ことみ)。
誠一郎がこの吉原に呼び寄せられた理由とは何か。
暗闘の中心にある「神君御免状」とか何か。
唯一、公儀より許された遊郭・吉原に隠された謎とは?
細く組まれた紅格子、青みがかった照明。
ほんの少し『阿修羅城の瞳』のセットを思い出させますが、回り舞台やセットの高さを活かした演出は物語の進行に途切れのない流れを生み出し、飽きさせることもありません。(私、暗転って大嫌いなんです。)
太っているのに何故かっこいいのかわからない怪優・古田新太さんと、大きな動きが魅力の堤真一さんの殺陣。
いつもより派手さ、回数はないのですが、びしりと決まる効果音と大音響の音楽が盛り上げます。
新感線を観る醍醐味。
十八番の笑いの部分がない分、観ている私のほうで気持ちのメリハリに欠けるという気はしましたが。
古田さんは悪役。
屈折している悪役なのでしょうが、とてもわかりやすい屈折で、強い強いといわれながら、意外に弱い。すぐ誠一郎に負けちゃうんです。
そのくせ、弱いものいじめ、裏切り者いじめには容赦がなくて…。
ここまでしてほしくなかったというシーンも。
普段は笑いを一手に引き受ける橋本じゅんさんは、弟を御しきれないことを悩む兄の役に合っていたと思います。
メイクの薄めの時の、橋本さんの目ってちょっと気弱な感じを受けるので。
おひょいさんは、なんともいえない雰囲気を醸し出しています。若いときはすごかったんだろうなぁと。何がってわけではないんですが。
梶原さんも楽しそうだし、いいとこどり。
女優さんたちも熱演。
御免状の謎に劣らず、誠一郎の成長・変化は物語の大きな軸です。
それを促すのは、ふたりの太夫の存在。
吉原が舞台であるだけに、女の意地、真情がきっちり伝わらないことには、話も薄っぺらになってしまいます。
ふたりとも綺麗でしたが、どういう意図のキャスティングなのか、ちょっと量りがたいところがあります。
観るほうの想像力で、役のイメージを補強しないとちょっとつらい。
それなりの雰囲気はあったのですが、舞台の上でぐぐっと大きく見えるような存在の強さが欲しい気がしました。
それにしても、堤真一さんは良かったです。
明鏡止水、そんな感じの誠一郎がぴたりとはまっていたかと思うと、とぼけた可笑しさがあって。
もちろん、迫力を出すのはお手の物って感じですし。
殺陣がまたいいんですよね~。切れというより流れのある動きが好き。
予告編でちょっとだけ観られます。→ E!oshibai特集ページはコチラ。
内野さん贔屓の私ですが、堤さんの誠一郎を観ている間は、これを内野さんで観たいとは思いませんでした。
質が違うので。
もし、ご近所にこのDVDを持っている方がいらっしゃるようなら一見の価値ありかと。
そしてその方が『阿修羅城の瞳2003』も持っておいでなら、それは必見。
ちなみに映画化もされていて、その小説もあります。それはこんな感じ。
大きい劇場を埋める役者ふたりががっぷり四つに組んでいる感じはすごいです。
ああ、またDVDが観たくなる…。
につきます。
むぎこ周囲には・・・いないので自分で購入するしかない。
レンタルないし。
本買お!
私がご近所ならば、一式貸し出ししますのに。
あれこれといいのがあるんですけどね~。アテルイとか。髑髏城とか。
阿修羅は脚本なら図書館にあるかもしれませんね。
『吉原御免状』はおススメです。私は古本屋さんで100円で買いました。何でこんなに安いんだ~っ!!
その気持ち、わかります~。待ちに待ったものが手元に届いた感激。
私も思いっきり地方ですから、チケットをとる大変さは身にしみます。近ければ掲示板に出る当日のチケットなども手が出せますが、観劇しようと思うと、まず休みをとるところから始まりますものね。
DVDはほんと天の助け。生を観たい気持ちは変わりませんが、ほんとに嬉しいです。私もまた観たくなりました。
吉原御免状を購入しました
いいですね・・・あの郭の格子の作り 舞台セット
生で是非みたいとかんじます
それと殺陣がたくさんで むぎこ的にうれしい
二天一流なんて殺陣でみれるなんて素敵
堤さん・・・細い・長い・・・。
結構 顔が大きい・・・舞台向きだ
藤村俊二さん・・・正直意外な配役・・・でも「かるみ」があってよかったです。
橋本じゅんさん・・・アクションシーンがもちょっとほしかった
高田聖子さん・・・800年生きれている すいも甘いもよくしった人ってかんじでよかったです。
松雪さん・・・綺麗ですね
しっかりたのしみました
最期に・・・あえて言えば
ラストがいまひとつ
メタマクでもでしたが・・・それまでが~~~~んともりあがるので
シンカンセンの舞台って最期の締めがもう一つしっくりこないのです。
いのうえさんの演出もまだまだ進化していくのでしょう
もし 再演があったらみたいなあ・・・です
確かに藤村俊二さんは意外な配役ですよね。小説の描写からすると。
>ラストがいまひとつ
『吉原御免状』に関してはは私もわかる気がします。
『メタルマクベス』もそうなんですか?じっくり観たいと思ってまだ温存中。
しつこいようですが、『阿修羅城の瞳2003』はおススメ。殺陣も満載です。
堤さん出演のものでは『アテルイ』も好きです。これもそのうちホシイ…。
藤村さんの役を内野さんができるようなったら、すごいと思います。
というか、内野さんにもしあの軽み(ちょいと粋な)がだせたらすごい
直球のひとなので・・・もっとも難しいのはあのタイプかと。
正直、堅いぶぶんがありますから・・・ま、それがいいのですが。
つぎつぎ化けようとするひとなので・・・「幻斎」の役、こんなことも出来たらすごいなとおもいました。
それとも全く違うウ爺にしてしまうのでしょうか・・・。だな・・・。
メタマクのラストは結構賛否両論で
むぎこてきにはまとまりが悪い感じがしました。
それまでの迫力にまけているという・・・映画はラストシーンがよければ全てまとまると某監督がいってました。
素晴らしいラストの絵が浮かべば大丈夫だと
それからすると ちとくるしい・・・べガーズの方がラストのまとまりは断然良かったです
きしさま、むぎこさま、おじゃまします。
メタマクのラスト・・・盛り上げるだけ盛り上げておいて、いきなり終わった・・・という感じがしました。
あれで終わるぐらいなら、
最後に、もう一回魔女たちとカレー鍋が出てきたほうがよかったかも知れないと、個人的には思ってますが・・・
かっこいい・・・。
>最後に、もう一回魔女たちとカレー鍋が
とか林さんのカレーを食ってみんなうなっていて見ていた悪夢???だったりする。
悪夢のはずが・・・魔女達の足元には何故かあの剣と、ティアラが落ちていたりして・・・。
もう1回魔女?ふむふむ。観るのが楽しみです。
舞台ってわりと幕開けのインパクトが強いので、ラストシーンは分が悪いですね。すぐカーテンコールがありますし。
それにしても『メタルマクベス』。う~。早く観たいっ!!細切れじゃなくと思うと…。
これじゃ、予約した意味がない