ゆっくりと世界が沈む水辺で

きしの字間漫遊記。読んでも読んでも、まだ読みたい。

幻冬舎新書創刊 【インテリジェンス 武器なき戦争】

2006-12-29 | 幻冬舎
 
先日の『自壊する帝国』からの玉突き読書。
帯によると『日本存亡の鍵はスパイが握っている。』のだそうです。

【インテリジェンス 武器なき戦争】clickでAmazonへ。
 インテリジェンス 武器なき戦争

 著者:手嶋龍一 + 佐藤 優
 発行:幻冬舎
 Amazonで書評を読む


目立つ黄色の表紙の新書を手にとって、何気なく折り返しの著者欄をみると、元NHKの手嶋龍一さんのお顔。
名前だけではピンと来ないとしても、写真を見ればすぐわかります。
つられて、つい読んでしまいました。
この方、NHK辞められたのですね。
しかも、ドキュメンタリー・ノベルというものを書かれたそうです。
『ウルトラ・ダラー』。
ノベルということは小説?
いずれ、読んでみたい気がしますが、単行本は重くてなぁ…。

【ウルトラ・ダラー】clickでAmazonへ。【ライオンと蜘蛛の巣】clickでAmazonへ。


さて、この本『インテリジェンス 武器なき戦争』は対談集です。
すいすい読了。
お互いの著書や、過去の活躍などに触れながら(お互いを持ち上げながら)、インテリジェンスなるものについて語っています。
どういう意味で使っているのだろうという疑問に、もし回答がなかったら暴れるところでしたが、ちゃんとありました。
なかったらお話になりませんが。

『「インテリジェンス」という言葉は日本語に翻訳するのが難しいんですが、その本質を一番表しているのは、戦前の陸軍参謀本部が使っていた「秘密戦」だと思います。』
これは佐藤優さんの発言。
「諜報(ポジティブ・インテリジェンス」、「防諜(カウンター・インテリジェンス)」、「宣伝」、「謀略」を合わせたものだとか。
インテリジェンス・オフィサーという言葉も出てきていますが、これは情報員?諜報員?
ゾルゲの話題もでていますから、スパイでもいいのかもしれません。

対談には腹を割ってという親密な雰囲気も、暴露という感じもありません。
言えることを差し支えのない範囲でお話している感じ。
広報係?「宣伝」にあたるインテリジェンスなのでしょうか。
私などは、その書かれてしまって平気な範囲でも、へ~とか、ほ~とか思いながら読んでしまいました。
まさに『インテリジェンス入門書』とされている本書のターゲット?
でも、手嶋さんの『インテリジェンス・オフィサーの仕事には匿名性の美学みたいなものがあります。世間様に知られず、ときによっては自分の妻にもその功績が知られないわけですから。』という言葉に、必殺仕事人を連想してしまうようでは、やはり、読み方を間違えているのかもしれません。

初版発行は平成18年11月31日第1刷。私の手元にあるものは12月11日第3刷。
売れている?
私が見た売り上げランキングの新書・ノンフィクションのジャンルでは4位でした。
編集者の方の名前が知りたいけれど、どうやったらわかるものなんでしょうね。



  


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 冬でも怪談 【文豪怪談傑作... | トップ | 巖谷國士 【ヨーロッパの不... »

コメントを投稿

幻冬舎」カテゴリの最新記事