のだめ→千秋→のだめ のだめ、メイドパロです。
※注意書き≫壱、アダルト要素を含みます。
弐、両方とも原作のキャラとかけ離れている可能性があります。
ので、苦手な方はご遠慮いただいたほうが良いかと思います。
「大丈夫」と言う方のみ下へお進みください。
============================================
「…ふっ、……あぁっ!…ん…っ。」
「おい、ちゃんと集中しろ。でなきゃもっとキツくなるぞ。」
「ゃ…もぉ、許し…てクダサ……っ!」
あなたの心は今、何処にありマスか……?
「今日は取引先の社長とのディナーで少し遅くなる。……起きて待っていろ。」
「…分かりマシタ。」
「行ってくる。」
「いってらっしゃいマセ。」
深々とお辞儀をして、颯爽と部屋を出て行く千秋の背中を見送った。
千秋が完全に立ち去った後、主人の居なくなった室内を綺麗に整えていく。
それが千秋の専属メイドであるのだめの仕事だった。
ほんの少し、寝乱れているベッドを整え、掃除機、モップをかける。
その後、千秋の衣類の整理や、書棚、レコードの整理をこなしていく。
入りたての頃は、毎回のように何かやらかしていたのだめも、最近では何事も無く自分の仕事をこなせるようになっていた。
(あれからもう二年…。)
重々と言い付かっているピアノの掃除をしながら、もう何年も前のことのように思える、あの日へと思いを馳せる。
あれは、まだ両親の会社が上場企業として名を馳せていた頃で、のだめは世間知らずなお嬢様として、生来の天真爛漫な性格を崩すことなく大きくなった。
日々の生活に何の心配も無く、ただ毎日何をして遊ぶかだけを考えていた。
特にピアノが大好きで、幼少期に買い与えられた有名なブランドのグランドピアノの前に、毎日何時間も座っていた。
豪快で優しい父と、大らかでユニークな母、家族思いの弟に囲まれて、なんの不安も不満も無かった。
そんな日常は、本当にあっけなく終わりを迎えた。
両親の会社が多額の不渡りを出したのだ。
社長令嬢として何不自由なく暮らしていた生活が一変した。
毎日のように押しかけてくる恐ろしい借金取りの怒鳴り声。
周囲からの冷たい視線。
身を隠すようにして生きねばならなくなった。
そんなとき、破格の条件で取引を持ちかけてきたのが、世界でも有数の資産を有すると噂される一人の青年だった。
彼は若干二十二才にして世界のマーケットを牛耳る千秋財閥の代表取締役を勤め、名実ともに知られている大人物だった。
そんな彼が、つぶれかけた野田家の数少ないお家芸に目をつけたのだ。
彼が野田家に示した交換条件は、驚くほどこちらに有益なものだった。
しかし、両親はその申し出を快諾しなかった。
千秋が示した条件、それは、野田家が出した多大な不渡りを肩代わりし、今後の資産援助を約束、さらに経営的な実験はこちらに残すというもの。
その変わりに、野田家のお家芸の技術力を必要なときに千秋家に提供すること。
そして。
野田社長の実娘を、無期限でメイドとして千秋家に差し出すこと。
だった。
いくらなんでもこれは受け入れられない、とこの取引を断ろうとしていた両親に取引の了承を納得させたのは、のだめ本人だった。
それまでにのだめは一度だけ、千秋に会ったことがあった。
―――おそらく、彼は忘れてしまっているだろうけれど。
確か、のだめがまだ十五の年に手が届くか届かないかと言う頃だった。
のだめは父に連れられ、とあるパーティーに出席した。
そのパーティーは、千秋財閥の御曹司が代表取締役に就任することを祝うために設けられたものだった。
その会場で、今までに見たこともないほど綺麗な音色を奏でるピアノを見つけたのだめは、御呼ばれしていたピアニストが席を外した隙を狙って、好き勝手にのだめリサイタルを敢行した。
少々個性的な面の強すぎるのだめの枠にとらわれない演奏は、無駄に耳の肥えている金持ち達をも虜にした。
結局、お祝いそっちのけで散々弾き散らかし、喝采を送る聴衆たちに気取らない一礼を返してのだめは席を降りた。
ピアノの音と聴衆の喝采に少し興奮を持て余したのだめは、こっそり人気の薄いテラスへと出た。
外の空気はひんやりとしていて火照ったのだめの頬にちょうど良かった。
「さっきピアノを弾いていたのは、お前か?」
「うきゃ!?」
突如、背後から投げかけられた声に驚き、父に「公の席では出さないように気をつけなさい」ときつく言い聞かされていた「奇声」が口を吐いて出た。
バッと振り向くとそこに居たのは今日の主人公である千秋真一、その人だった。
「う、うきゃ?」
千秋はのだめの発した奇声を認識できなかったらしく、戸惑ったように立ちすくんでいた。
「はぅ、すみまセン。はい、のだめがピアノ弾きマシタ!!」
「…のだめ?」
「のだめの名前、野田恵だから略してのだめ、デス!」
「ふーん…変な名前だな。」
「ぎゃぼっ。変…デスか?」
「うん。変。そして、お前のあの演奏もすっげー変だった。」
「あぅ…。」
「なんだよ、あの悲愴!!なんで”悲愴”なのに明るいんだ!?」
「……イメージ?デスv」
「デスvじゃねー!!作曲家の意思全く無視じゃねーか!楽譜どおりに弾け!!!」
「う…、のだめ楽譜読むの苦手なんデス。」
「なら練習しろ!」
「ウギッ。」
「ったく、作曲家の敵だな。」
「はうぅ…。」
初対面の人間に一気にまくし立てられ、のだめの目は少し滲んだ。
(皆喜んでくれたのに…。)
次はどんな罵声が飛んでくるのかと、身を縮こまらせていた。
「……でも、悪くなかった。」
「…ぇ?」
予想外に優しく響いた千秋の声に、驚いて顔を上げた。
「相当めちゃくちゃだったけど、悪くなかった。」
そう言って千秋はフッと笑った。
「ふぉ…。」
先ほどまでの辛らつな言葉とは全く印象の異なる千秋の微笑にのだめの胸は高く飛び跳ねた。
「あ、ありがとございマスッ!!!」
慌てて頭を下げた。
「…お楽しみのところ申し訳ありません。真一様、そろそろ…。」
突如、感情の読めない静かな低い声が割り込んできた。
「鈴木。…あぁ、もうこんな時間か。分かった。すぐに戻る。」
「お願いいたします…。」
それだけを告げて、その「鈴木」なる陰は静かに去っていった。
「じゃぁ、俺はそろそろ今日のお開きの挨拶の準備に戻る。お前も、広間に戻れ。」
「わかりマシタ。」
「じゃぁ、な。」
そう言って、千秋はもう一度優しく微笑みバルコニーを去った。
「…千秋、真一…様。」
一人残されたバルコニーでのだめはポツリと彼の名を呟いた。
それが、のだめの切なく苦しい初恋の始まりだった。
next→
============================================
実は先週水曜日から今日まで大学お休みで五連休だったんです!
なので、今のうちにサイト更新と、たまりにたまった課題を終わらせようと思っていたのに…。
気付けば最終日…。
課題、何にも手つけてません↓↓
明日提出なのに…(泣)と言いつつ、小説を書いている私です。
いつもの現実逃避です。
so.shi.te
この話は、一話読みきりで書くつもりだったのですが、なぜか今、題名に「1」を書き込みました。
というわけで、続きます。
すみません。
続きは早めにあげますので……!
※注意書き≫壱、アダルト要素を含みます。
弐、両方とも原作のキャラとかけ離れている可能性があります。
ので、苦手な方はご遠慮いただいたほうが良いかと思います。
「大丈夫」と言う方のみ下へお進みください。
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「…ふっ、……あぁっ!…ん…っ。」
「おい、ちゃんと集中しろ。でなきゃもっとキツくなるぞ。」
「ゃ…もぉ、許し…てクダサ……っ!」
あなたの心は今、何処にありマスか……?
「今日は取引先の社長とのディナーで少し遅くなる。……起きて待っていろ。」
「…分かりマシタ。」
「行ってくる。」
「いってらっしゃいマセ。」
深々とお辞儀をして、颯爽と部屋を出て行く千秋の背中を見送った。
千秋が完全に立ち去った後、主人の居なくなった室内を綺麗に整えていく。
それが千秋の専属メイドであるのだめの仕事だった。
ほんの少し、寝乱れているベッドを整え、掃除機、モップをかける。
その後、千秋の衣類の整理や、書棚、レコードの整理をこなしていく。
入りたての頃は、毎回のように何かやらかしていたのだめも、最近では何事も無く自分の仕事をこなせるようになっていた。
(あれからもう二年…。)
重々と言い付かっているピアノの掃除をしながら、もう何年も前のことのように思える、あの日へと思いを馳せる。
あれは、まだ両親の会社が上場企業として名を馳せていた頃で、のだめは世間知らずなお嬢様として、生来の天真爛漫な性格を崩すことなく大きくなった。
日々の生活に何の心配も無く、ただ毎日何をして遊ぶかだけを考えていた。
特にピアノが大好きで、幼少期に買い与えられた有名なブランドのグランドピアノの前に、毎日何時間も座っていた。
豪快で優しい父と、大らかでユニークな母、家族思いの弟に囲まれて、なんの不安も不満も無かった。
そんな日常は、本当にあっけなく終わりを迎えた。
両親の会社が多額の不渡りを出したのだ。
社長令嬢として何不自由なく暮らしていた生活が一変した。
毎日のように押しかけてくる恐ろしい借金取りの怒鳴り声。
周囲からの冷たい視線。
身を隠すようにして生きねばならなくなった。
そんなとき、破格の条件で取引を持ちかけてきたのが、世界でも有数の資産を有すると噂される一人の青年だった。
彼は若干二十二才にして世界のマーケットを牛耳る千秋財閥の代表取締役を勤め、名実ともに知られている大人物だった。
そんな彼が、つぶれかけた野田家の数少ないお家芸に目をつけたのだ。
彼が野田家に示した交換条件は、驚くほどこちらに有益なものだった。
しかし、両親はその申し出を快諾しなかった。
千秋が示した条件、それは、野田家が出した多大な不渡りを肩代わりし、今後の資産援助を約束、さらに経営的な実験はこちらに残すというもの。
その変わりに、野田家のお家芸の技術力を必要なときに千秋家に提供すること。
そして。
野田社長の実娘を、無期限でメイドとして千秋家に差し出すこと。
だった。
いくらなんでもこれは受け入れられない、とこの取引を断ろうとしていた両親に取引の了承を納得させたのは、のだめ本人だった。
それまでにのだめは一度だけ、千秋に会ったことがあった。
―――おそらく、彼は忘れてしまっているだろうけれど。
確か、のだめがまだ十五の年に手が届くか届かないかと言う頃だった。
のだめは父に連れられ、とあるパーティーに出席した。
そのパーティーは、千秋財閥の御曹司が代表取締役に就任することを祝うために設けられたものだった。
その会場で、今までに見たこともないほど綺麗な音色を奏でるピアノを見つけたのだめは、御呼ばれしていたピアニストが席を外した隙を狙って、好き勝手にのだめリサイタルを敢行した。
少々個性的な面の強すぎるのだめの枠にとらわれない演奏は、無駄に耳の肥えている金持ち達をも虜にした。
結局、お祝いそっちのけで散々弾き散らかし、喝采を送る聴衆たちに気取らない一礼を返してのだめは席を降りた。
ピアノの音と聴衆の喝采に少し興奮を持て余したのだめは、こっそり人気の薄いテラスへと出た。
外の空気はひんやりとしていて火照ったのだめの頬にちょうど良かった。
「さっきピアノを弾いていたのは、お前か?」
「うきゃ!?」
突如、背後から投げかけられた声に驚き、父に「公の席では出さないように気をつけなさい」ときつく言い聞かされていた「奇声」が口を吐いて出た。
バッと振り向くとそこに居たのは今日の主人公である千秋真一、その人だった。
「う、うきゃ?」
千秋はのだめの発した奇声を認識できなかったらしく、戸惑ったように立ちすくんでいた。
「はぅ、すみまセン。はい、のだめがピアノ弾きマシタ!!」
「…のだめ?」
「のだめの名前、野田恵だから略してのだめ、デス!」
「ふーん…変な名前だな。」
「ぎゃぼっ。変…デスか?」
「うん。変。そして、お前のあの演奏もすっげー変だった。」
「あぅ…。」
「なんだよ、あの悲愴!!なんで”悲愴”なのに明るいんだ!?」
「……イメージ?デスv」
「デスvじゃねー!!作曲家の意思全く無視じゃねーか!楽譜どおりに弾け!!!」
「う…、のだめ楽譜読むの苦手なんデス。」
「なら練習しろ!」
「ウギッ。」
「ったく、作曲家の敵だな。」
「はうぅ…。」
初対面の人間に一気にまくし立てられ、のだめの目は少し滲んだ。
(皆喜んでくれたのに…。)
次はどんな罵声が飛んでくるのかと、身を縮こまらせていた。
「……でも、悪くなかった。」
「…ぇ?」
予想外に優しく響いた千秋の声に、驚いて顔を上げた。
「相当めちゃくちゃだったけど、悪くなかった。」
そう言って千秋はフッと笑った。
「ふぉ…。」
先ほどまでの辛らつな言葉とは全く印象の異なる千秋の微笑にのだめの胸は高く飛び跳ねた。
「あ、ありがとございマスッ!!!」
慌てて頭を下げた。
「…お楽しみのところ申し訳ありません。真一様、そろそろ…。」
突如、感情の読めない静かな低い声が割り込んできた。
「鈴木。…あぁ、もうこんな時間か。分かった。すぐに戻る。」
「お願いいたします…。」
それだけを告げて、その「鈴木」なる陰は静かに去っていった。
「じゃぁ、俺はそろそろ今日のお開きの挨拶の準備に戻る。お前も、広間に戻れ。」
「わかりマシタ。」
「じゃぁ、な。」
そう言って、千秋はもう一度優しく微笑みバルコニーを去った。
「…千秋、真一…様。」
一人残されたバルコニーでのだめはポツリと彼の名を呟いた。
それが、のだめの切なく苦しい初恋の始まりだった。
next→
============================================
実は先週水曜日から今日まで大学お休みで五連休だったんです!
なので、今のうちにサイト更新と、たまりにたまった課題を終わらせようと思っていたのに…。
気付けば最終日…。
課題、何にも手つけてません↓↓
明日提出なのに…(泣)と言いつつ、小説を書いている私です。
いつもの現実逃避です。
so.shi.te
この話は、一話読みきりで書くつもりだったのですが、なぜか今、題名に「1」を書き込みました。
というわけで、続きます。
すみません。
続きは早めにあげますので……!
長編とかではなく、たまに書いて欲しいです。
すぐに終わるにはもったいないと思います。
ほかの小説も楽しく読ませてもらってます!
続き頑張ってください。
メイドのだめ…なんて萌えな設定でしょう!!(笑)
続きを楽しみに待ってます☆
はじめ散々に叱っておいて、女が泣きそうになったところで優しい言葉を掛ける。これやられたら大概の女はイチコロだよな。一番いけない男の手口だね
ありがとうございます!
残りもしっかりと書きたいと思います!
計画的に、頑張ります(笑)
★ももか様
いらっしゃいませ!
コメントありがつございます!!
私の無計画な性格が祟って、このようなことになってしまったのですが、そういって戴けて安心しました。
このお話は、中篇かシリーズ(?)のような感じになるかと思います。
他の小説も読んでくださってありがとうございます!!
まだまだ荒さばかりの目立つものしかありませんが、精進していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします!
★水城様
新作、読んでくださってありがとうございます!
永遠の萌えキャラ:メイドのだめのイメージを私の文章が汚してしまうことの無いように、頑張りたいと思います(汗)
それはもう、死ぬ気で、行かせて戴きます!!(笑)
★dogmanX様
今回の千秋さんは生まれながらの女たらし(?)です。
本能で知っている、というか。
「いけない男」、そんな素敵な男性を描けたらいいなと思っております。
また、そうできるように努力したいです!
コメントありがとうございました!!
皆様、本当にありがとうございます!
これを励みにして、次回作にも全力で取り組みたいと思います!!!