カプアン通信

絶望した犬/たま駅長

昨夜のNEWS ZEROご覧になっていただけましたでしょうか?
いつ見ても悲惨な状況の動物愛護センターですが
大きな紙袋に飼い犬を入れて、処分の依頼にきた、夫婦の態度には
本当に腹がたちました。この子は、このセンターから譲渡された子でした。
わずか4ヶ月、なんの医療処置もしてもらえず、
がりがりに痩せた状態でセンターに戻されました。子供が飽きたとのことです。
折角自分の家族ができたと思ったのに、また死の匂いのするセンターに戻された
子犬の絶望の表情が忘れられません。
この子は、千葉WANの愛護センターレポートにも載っています。



さいわいこの子は、個人ボランティアさんに引き出されて、もうじき里親さんが決まるそうです。
捨てるのも人間。救うのも人間です。
救う人間ばかりの世の中になって欲しい。そう願わずにいられません。

上記、愛護センターレポートを書いてくださった、まひろさんが
NEWS ZEROの動画をアップしてくださっています。
ご覧になれなかった方はどうぞご覧ください。→預かり日和


さて、話を変えて、きょうは猫の話をします。

猫の駅長さんがいる。という話を、いつのころからかニュースで読んでました。

全国には、交通安全を呼びかける犬もいますから、猫の駅長だっているだろう、と
あまり気にしていませんでした。
しかし、先日【「たま駅長」の駅に捨て猫急増】というニュースを読んで
改めて「たま駅長」とはなんだろう、と気になりはじめました。

ウィキペディアによると
「たま」は、1999年に、和歌山県貴志川線の貴志駅の売店に、出産1ヶ月ほど前から住みついた
「ミーコ」の子ども(雌の三毛猫)で、その後、同売店では「ちび」という雌猫も拾いました。

2003年に、この線を運営していた「南海電鉄鉄道」が赤字を理由に路線廃止を表明しましたが
地元住民運動の働きかけもあり、岡山県の両備グループが経営を引き継ぐことになり
新しく「和歌山電鐡」が設立されました。しかし、このことで、「たま」たちの猫小屋の土地の
所有者が変わることになり「たま」たちは、立ち退きを迫られました。
飼い主は、両備グループの社長に「猫たちを駅の中に住まわせてもらえないか」と相談したところ、
たまに惚れた社長の発案で、「招き猫」になって欲しいとの願いを込めて
「たま」を駅長に、「ミーコ」と「ちび」も助役に任命することになりました。
そして、昨年初めに、会社から正式な委嘱状が公布されました。
報酬は年俸としてキャットフード1年分。任期はなく、終身雇用だそうです。

貴志駅の乗降客数は、たま駅長就任直後17%増加し、昨年ゴールデンウイークには
前年比40%増の収入を記録し、外国からも観光客が訪れ、
フランスのドキュメンタリー映画の出演も決まりました。

関西大学大学院教授の試算によると、昨年一年間の「たま駅長」経済効果は11億円だったそうです。
今月21日には、和歌山の話題を全国に発信した人などに贈る「県勲功爵」の第1号に選ばれ
28日に県知事による授与式が行われるとのことです。


「たまの駅長だよりーいちご電車で会いにきて/集英社」

さて、ここまではいい話ですが・・・最初のニュースです

「たま」が、捨て猫だった「ちび」を育てたそうで
「猫を大切にする駅」と思われたためか、貴志駅には、これまでに
6匹の子猫が捨てられたといいます。
「たまみたいに可愛がってあげて」などというメモが添えられていたこともあるそうです。

当然のことながら、この駅は、猫の保護施設ではありません。
子猫の遺棄ということは、自分の飼い猫が産んだ子かもしれませんが
責任をもって飼う、あるいは、飼えないのであれば、自分で里親さんを探さないといけません。

また、和歌山県は「たま」を表彰するのは結構なことだと思いますが
水を差すようですが、
ALIVEによる「全国動物行政アンケート結果報告書(18年版)」によると
猫の殺処分数(人口比率)では全国6位の上位県です。
ぜひ「たま」の美談を、猫の遺棄防止や、去勢不妊の啓蒙に役立ててもらいたいです。


(写真:毎日新聞)


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千葉WANからのお知らせ

今後の千葉WANプチ里親会会場について

11月16日(日)、12月21日(日)、2009年1月18日(日)は
前回と同じ「柴又」江戸川河川敷で開催される予定です。
※開催エリアは若干変更があるかもしれません。

2009年2月および3月は別の会場となります。
詳しいことは追ってお知らせいたします。


千葉WANオリジナル・カレンダー、ネット販売を開始しました。
店頭販売についてはこちら→http://animal-note.cool.ne.jp/chibawan_calender2009sale.html
ネット販売についてはこちら→http://animal-note.cool.ne.jp/chibawan_calender2009net.html




この迷子をみかけたら、教えてください!
武蔵くん(オス・小型犬)
10月9日(木)夜、立川市にて迷子になりました。
お近くの方、情報がありましたら連絡よろしくお願いいたします。
その他にも、捜している迷子犬猫がおります。
*詳しくは、上記「武蔵くん」の写真をクリックしてください。



猫の預かりボランティアさん大募集中!
千葉WANでは、現在保護猫が増えているため、預かり先を緊急募集しています。
*詳しくは「子猫」の写真をクリックしてください。

コメント一覧

カプアンパパ
実はアンジェロも
http://blog.goo.ne.jp/angelopapa/
ロンママさん、こんばんは。
アンジェロは千葉の公民館の前に捨てられましたので、人目につき、親切な人の手を経て、千葉WANに救われました。
捨てるのも、センターに処分を依頼するのも同罪、という考えもあると思いますが、人目のつかない野山に放棄すれば、子犬子猫の場合、餓死か凍死でほとんど助からないと思います。なので、駅に子猫を捨てるのは、ほんの僅かでも良心があるのかもしれません。良心の使う方法が間違ってますが。
ある里親さんが言ってましたが、犬猫を飼うことを、自動車免許のような、免許制にでもしないかぎり、捨て犬猫、センター持ち込みはなくならないのかもしれませんね。
カプアンパパ
悩ましいですね
http://blog.goo.ne.jp/angelopapa/
まろ父さま、コメントありがとうございます。
まろくんは、里親会やフリマなどいろんなところでお会いしています。
紙袋の犬は処分されてしまったら、とりかえしのつかないことでしたが、あの夫婦の家族では幸せになれなかったでしょうから、新たな里親とめぐりあえたということは、センターに戻されて、結果的にはよかったことです。生と死が紙一重でしたが。
ネットの功罪はいろいろありますね。ネット上には、間違った情報や古い情報もありますし、おっしゃるとおり、自分から探さないかぎり、何も得られません。しかし熱心に探せば、手早くあらゆる情報を得られます。
動物保護は難しいなと感じてしまいます。熱心にやればやるほど、一般の、保護に興味のない人からは疎んじられることになりかねません。千葉WANはわりとソフトな団体、というかグループだと思いますが、そのほうが、世間からは認められ易いのではと思います。私もふだんは、散歩中、話しかけられたときに動物保護のことを知らせることしかしていません。ゆるい行動ではありますが、そうやって多くの里親さんの幸福な犬猫の姿が、あちこちで見られるようになれば、風向きが変るのではと、期待もしております。
カプアンパパ
難しい問題ですね
http://blog.goo.ne.jp/angelopapa/
あーちママさん、コメントありがとうございます。
千葉WANなど多くのボランティア団体は、保護犬やセンターからの引きだし犬の幸せを願って、わりときびしい審査をしています。そのことは、良質な里親さんを増やして、世間に里親制度を認知させることにも役立つと思いますが、愛護センターでは、処分されそうな犬の命を救うことが先決ですので、多少、審査もゆるくなってしまうのでしょう。それはしかたがないと思います。
しかし、近年、環境省主体の動物愛護法は整備されつつありますが、犬猫の捕獲や、殺処分は、厚生労働省主体の狂犬病予防法による影響が大きいと思います。違う省が違う考えで犬猫の扱いに関わってますので、もうすこし大きな知恵で法整備をしないと改善されないのでは、と思います。我々国民からの働きかけも必要ですね。

猫の状況は、犬より悲惨です。信頼できるアンケートによると、犬の殺処分は急速に減り続けていますが、猫の処分数は長年ほとんどかわりません。ほんとおっしゃるとおり、猫の避妊去勢は義務化するべきですね。
ボランティア団体などの意見は国に届かないことが多いと思いますが、地雷廃絶を訴える複数のNPO団体の声が政治を動かした例もあります。横のつながりで、動物愛護団体や個人ボランティアがまとまれば、国を動かすような大きな力になるのではと思います。
ロンママ
たま駅長の話は私も微笑ましく見ていましたが、捨て猫が増えるというのは残念ですね。どうしてそっちのほうに話がいってしまうのでしょう??どう考えたって、捨て猫の保護施設ではないことはわかるのに。
自分は去勢避妊手術を怠って、生まれてきてしまった子は人に押し付けるんですね。
千葉わんの現地でも捨てに来る人が後を絶ちません。センターに持ち込むのとどちらがいいのか・・・という問題ではないです。根本的なところで大きく間違っています。どうしたらいいのでしょうか??
まろ父
人間って…
里親会場等でお会いしていると思いますが、こちらでははじめまして。千葉ワン卒業犬まろ(元マー坊)里親のまろ父です。
テレビ見ましたが…なんとも言葉にできない、というのが正直な気持ちでしょうか。持ち込みの夫婦は論外ですが、あの仔に里親さんが決まった事で結果的には手放してくれて良かった!という事になるのでしょうか。里親さんの愛情に包まれて穏やかな日々を過ごせるように願うばかりです。最近思うのは、ネットはさまざまな情報を得られる便利なものですが、興味をもって『調べる』事をしなければ何も得られません。つまり本当に知って貰いたい人達は、『愛護センター』や『保護犬』、千葉ワン等の『保護団体』といった関連のワードで検索する事などまず無いと言うことです。知らない(興味がない、動物の命をなんとも思わない)人達はいつまでたっても知らないまま…。そういう意味では私達里親も積極的に伝えてゆく努力をする事がとても大事なんだろうなと思います。でも、そういう話をする相手って結局は愛情をもって犬と接している散歩中の方がほとんどだったりでf(^^; 皆さんに知って貰うと言うことはなかなか難しいですね。
あーちママ
写真の子、センターレポートで見ました。
信じられないことですが、現実にあったことなんですよね。
センターから引き取る人には「タダだから」「番犬に」という理由の人も多々いるとか。
譲渡しなければいけない子が多くて、里親さんを選んでいるほど余裕はないのでしょうが、誰でもどこでもいいというのが本当にその子の為になるのか疑問もないわけではありません。
ある程度のリスクは覚悟でなるべくたくさんの子を助けるか、きちんとした条件のもとで里親さんを選ぶのか。
両方クリアできれば一番いいけどそれには数が多すぎる。
本当の犬猫の幸せを実現をするためにはやはり蛇口を閉める以外に方法はないのかもしれませんね。
それにはやはり犬猫を法的に命として扱う。ここからなのでは思ってしまいます。

猫の話、自分の責任を放棄して「この子を幸せにしてください」というのは本当に自分勝手な話です。
でも、よく聞く話でもありますよね。
猫の殺処分数はあまりにも多すぎです。
猫にこそ避妊去勢の義務は絶対に必要。
どこに訴えたらいいのだろうっていつも考えてしまいます。
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