わたしの散歩道

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関東三大梅林の越生梅林

2017-03-10 14:37:04 | Weblog
 二月に入ると各地から梅の花便りが伝わってくる。わが家
の白梅も一輪二輪と咲きはじめた。

開花がすすむ二月なかごろ、ウメの蜜を求めてことしもメジ
ロが やってきた。朝から二羽のメジロが花から花へ飛びま
わる。目の周りに白い輪がありなんとも可愛らしい。

今年は越生梅林を訪ねてみたい。関東三大梅林の一つに数え
られている越生梅林は260年の歴史がある。約2haの園
内には、650年前の古木「魁雪」をはじめ200年以上の

古木も多く、白加賀、越生野梅、紅梅など約1000本の梅
が植栽されていて埼玉県指定名勝である。


            八重の紅梅

2月22日に開花状況を確認すると白梅が四分咲きほどで3
月に入ると本格的な見頃を迎えるという。

3月1日(水)曇り。午前6時40分に拙宅をでる。横浜線
に乗り八王子駅で八高線の川越行にのり高麗川で高崎行き乗
り換える。

列車が高麗川をでると、車窓から春カスミのように白梅がほ
の白くかすむ。冬枯れの畑に紅梅が咲きそめて山里にも春の
息吹がただよう。


            白梅(白加賀)

越生に近づくにつれ線路沿いに白梅の並木がつづく。花の里
らしく春の風情を楽しませてくれる。午前9時40分に越生
駅に着いた。雲が垂れ込め肌寒い。

越生梅林経由のバス停は長蛇の列だ。好天なら越生梅林まで
寺社などを巡るハイキングコースを歩くつもりだったが、あ
いにくの天気のためバスで行くことにする。


            名勝 越生梅林

バスは狭い県道を走る。初めて見る越生町の風景を眺めてい
るうちに梅林入口に着いた。バスを降りると、越辺川の対岸
に「名勝 越生梅林」の赤い字の看板が目に飛び込む。

越辺川沿いに紅白入り乱れて咲くみごとな梅園はまだ春浅き
山間を美しく彩る。

案内に従って橋を渡り進むと越生梅林入口だ。若い女性がパ
ンフを配っている。料金所で入園料を払い園内へ。梅林は越
辺川に沿って細長く広がる。


             観梅の人びと

観梅は縄を張った散策路をを歩き園内を巡る。古木は樹形の
美しさに風格もあり白く清楚な花姿は奥ゆかしい。園内はと
てもいい香りがただよい癒される…。

残念なのは、曇った灰色の空がうらめいい。明るい春の日差
しに映えるかぐわしい花が見られないことだ。巡ると、とこ
ろどころに福寿草のコーナーがあり可憐な黄色い花を咲かせ
ている。


             紅シダレ梅

広場に入ると紅シダレが多い。濃い紅シダレとピンクのシダ
レが交互に並び艶やかに咲き乱れ趣がある。少し離れたとこ
ろに白いシダレ梅がある。うすい緑をおびた花色は魅惑的で
美しい。

梅林の全貌を見渡せる展望台がある。展望台に登り園内を眺
めると、綿あめのようにふんわりとした白や赤の花が入り交
じりなんともいえない美しさだ。


            展望台からの梅林

高台から眺める梅林は一味ちがった味わいがある。地上に戻り
、樹齢650年の最古木の「魁雪」を眺める。幾星霜に堪えた
古木は梅の精霊が宿っているかのようだ。風雅な白い花は気品
がある。

近くに、歌人佐々木信綱の「入間川高麗川こえて都より来しか
ひありき梅園のさと」の歌碑がある。旅の叙情が感じられいい
短歌だ。


            散策する二人連れ

越辺川を遡ると対岸にも梅林があり梅の里らしい。広場へ戻る
散策路に越生野梅の古木が可憐な白い花を咲かせている。風雪
に堪えて咲く花は情趣が深い。

屋台村の梅花の下でビールを飲みながら梅の色香を愛でる至福
の一時を過ごす。


            古い歴史の梅園神社

隣の梅園神社に立ち寄る。神社の歴史は古く「観応元年(13
50)から喜永5年(1853)に至る棟札が現存する。明治
40年(1907)に付近の二社が合祀され名前が梅園神社と

なったが、それまで小杉天満神社と呼ばれていた。筑紫の大宰
府天満宮からこちらへ分祀され、菅原道真にちなんで付近に梅
を植えたのが越生梅林の起源とされる」とある。境内には白い
シダレ梅が咲いていた。

越辺川に沿った県道をたどり越生駅へ向かう。川沿いには白く
咲き誇る梅林が点在し早春のやわらかな風景が広がる。途中、
五大尊つつじ園をのぞき越生駅へ。


            山吹の里の水車小屋

越生駅前から近い山吹の里歴史公園を訪ねた。踏切を渡ると山
吹の里まで500mほどだ。のんびり歩き山吹橋を渡ると山吹
の里歴史公園だ。

4月には約3000本の山吹が黄金色に咲き乱れるという。古
びた茅葺の水車小屋は素朴なノスタルジーがただよう。

案内に「太田道灌は狩の途中雨にあい、蓑を借りようと農家に
立ち寄ったところ、少女がでてきて、だまって山吹の花一枝を
差し出した」というエピソードの地。

有名な「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲
しき」の和歌に心がしみる。