ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■フランク・ロイド・ライトにはなかなか届かないけど・・・プレーリースタイル住宅

2007-07-31 23:30:57 | ■建築-実施・監理
今、実施設計をしている物件の模型です。
始めはお客様の要望で”昭和初期文化住宅”というオーダーだったのですが・・・
打ち合わせを進めるなかで、”フランク・ロイド・ライト風”の住宅を設計する事になりました。



フランク・ロイド・ライトに似せてデザインするといってもそう簡単ではありません。
まずは予算。
図面を造りながら設計予算書を作成するも大幅な予算オーバーの見通し。
これでは、使いたい材料も満足に使えない。
困りました。
建坪30坪の住宅で面積的に削るのにも無理があります。

そして、もう一つ建物が小さすぎてデザインが難しい事。
外観をそれっぽい形にする為に、でっこみ引っ込みつけて形を決定しているのですが・・・
必要最低限の体力壁があるためうまくバランスが取れません。

それと、第一種高度斜線の壁(5m+0.6A)。
屋根勾配を緩く軒を出したいのですが、斜線に当ってしまい、屋根勾配を6寸にせざるを得ない・・・



ライト(プレーリースタイル)の特徴として、水平線を強調としたデザインがあります。
しかしながら、どうにもこの大きさだとうまくプロポーションを決められません。
(建物の高さは決まっているので、幅が狭いと縦長に見えてしまう為)
う~~~む。
やっぱり日本の狭い土地。
小さい建物ではそう簡単に巨匠のデザインは真似できないと痛感。
建物内部の間取りも影響するし・・・
ほんと、今回の設計は難しい。



幸いな事に、この土地は道路より低い敷地の為、道路の目線レベルで見たときには、普通に建てた建物より低く見える効果があります。
本来は、擁壁を造り道路を築造してから工事をしなければならない所を、行政庁と折衝の成果、建物を擁壁代わりに利用する事が認められました。

地面に半分うずもれた感じのこの建物。
プレーリースタイルの本筋からは外れてしまいますが、いい建物になるように一生懸命設計中です!

---プレーリーハウスの記事---



■フランク・ロイド・ライトにはなかなか届かないけど・・

■予算調整終了!~これで安心して旅行へ!

■ついに確認申請がおりました!~現場では地盤改良工事が

■より良いコンクリートの為に~木槌体験

■ついに上棟!~大工工事のはじまり

■継ぎ目のない床暖房でポカポカ~低温式床暖房で無垢でも安心

■竣工間近?~造作・家具工事の追い上げ

■サンプルで確認したはずなのに・・・

★フランク・ロイド・ライトの精神は引継げたか?~竣工写真①

★家具や雑貨から考える住まい造り~家中がギャラリー~竣工写真②

※本物件はグループアプローチ建築設計事務所勤務時代に担当者として設計に携わりました。
現在は退所し、物件写真等は削除させていただいております。


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