Akatsuki庵

日々と向き合って

お初!京都の泉屋博古館。分館の思い出を辿りながら~(^^;)

2012年11月25日 00時00分44秒 | 美術館・博物館etc.
秋季展『住友コレクションの茶道具-近代数寄者の風流のこころ-』」
泉屋博古館(京都) サイト ※12月9日(日)まで

この秋はせっかくの野村美術館と共同企画なので、続けて紹介します。

 ※ちなみに、野村美術館でもらった泉屋の割引券付チラシを持っていっても、
  2割引なので730円→580円で150円オトクにしかならないけれど、
  泉屋で野村のチラシをもらっていくと700円→500円と200円の割引になるので、都合50円もオトク

  なので、これから計画している方で節約を愛する方は泉屋→野村の順番で行きましょう
   どうせなら、割引の金額を同額してほしかったなぁ

というわけで、冒頭からいきなり脱線してしまっくたけれど、展覧会の感想記。

バックナンバーリストをみてもわかる通り、京都の泉屋博古館を訪れるのは初めて。
とはいうものの、東京の分館は何度も訪れているので「今更~」という気もしなくはなかったけれど

まずは、松本船(砂張の花入)は茶道資料館に出張中(で、そっちで見た)
これを書きながら「かつて自分は(記憶にはなくとも)アレ(松本船or松本舟)を見ていたのだろうか
と気になった。

で、最初に泉屋博古館で茶道具を見た2007年5月のチラシ&目録資料ファイルを取り出した。
あっ 書類上は見たことになっている。
当時はまだblog開設前でmixiに日記を書いていた時代なので、久しぶりにアクセスして確認した。

それで我ながら唖然。
前日、前年の秋に怪我した額の傷を綺麗に縫い直す形成外科の手術を受けて、
当日は朝一番で抜糸してもらった後、歯医者へ通院し、
それから日本橋三越(特選画廊)で宮崎寒雉展を鑑賞し、ノーメイクなのに呈茶席に入り
他がサクラだったので正客席に座り、大樋さんの茶碗で一服を喫し、
それから六本木の眼医者に行く途中に立ち寄っている

そのせいか、泉屋での印象はあまりなかったようで、感想も

『六本木に移動し、泉屋博古館分館にて『茶道具展』。
ものすごい名品ってワケじゃないけど、どこぞの大名家で大切に受け継がれてきたお宝がずらり。
なかなかよかった。
一回観て、解説読んでもう一回見直した。
本当に大切に保管していたんだね。』


とあっさりしたもの。

ちなみに、3年後の2010年5月の展示目録も参照すると、やはり松本船はあった。
こと時は展示替で拝見できなかったものは「×」をしていて、松本船のところは×していないので
やはり「見た」のだろう(印象に残らなかっただけで)

ということで、2007年に購入したプリント資料と2010年に購入した図録を参照しつつ、
今回の展示リストのメモを見ながら振り返りたい。

唐物文琳茶入「若草」と唐物鶴の子茶入「漱芳」は泉屋コレクションの中でも有名なので
もちろん「見たっ」覚えはしっかり残っていて、懐かしさはあったものの、今回の感動は特になし。

瀬戸肩付茶入「打出」は小堀遠州展にも出品されていたので、お馴染み。
いかにも遠州が好みそうな色と形やなぁ~と思いながら、再見した。

丹波茶入「山桜」も見覚えはあったけど、湯木美術館の「生野」と双璧をなす丹波焼茶入の代表と解説で読むと、
「あぁ、あれねぇ」と、むしろ「生野」の方が印象に残っていることに気づいたり。

黄天目茶碗「鶯」は、やはり綺麗だなぁ
印象的には瀬戸かとずっと思い込んでいたけど、改めて目録&図録を見直すと唐物(=元時代)だった

紅葉呉器茶碗は「朱色がきれいだな」と思ったら、図録にも「紅葉を連想させる深紅色を呈す」と解説あり

小井戸茶碗「筑波山」は今回スルー。
やはり住友コレクションの井戸茶碗はVOC仕服を従えた「六地蔵」が強烈なので、影が薄い?

黄伊羅保茶碗(誉田伊羅保)はやっぱり「ゴツゴツ感がすごい」と感心。

絵高麗茶碗が2つ。
白地に梅を散らしたものと緑地とツートンで緑の釉薬の上に白い梅が浮き上がっているもの。

2碗を対比させながら鑑賞するのが楽しかった。

伯庵茶碗「宗節」ももちろん(以前見たのを覚えている)
そして、現在10碗しか残っていない伯庵茶碗のうち、ここ以外で幾つ見ただろうかと思った。

とっさの記憶で思い出されるのは五島美術館「冬木」、サンリツ服部美術館。
blogのアーカイブ検索してみると、今年5月に根津美術館でも見ていた。(←高麗ではなく、国焼らしいけど)
そして、2009年秋に香雪美術館と藤田美術館でも立て続けに見ていた。(「←「この秋はよく出会う」と感想)

計5碗か。

生きているうちに残りの5碗を出会えるだろうか。

道入の黒楽平茶碗はスルーしても、一入の赤楽四方茶碗は「また会えてウレシイっ」と思う。
そういえば、トーハクには一入の黒楽四方茶碗があり、ときどき見かける。
いずれも利休回帰(長次郎回帰)の一入らしい茶碗。ムキ栗に迫る、いい茶碗だと思う。

ずずっと来て、茶壺「山陰」と「聖代」。ともに元~明時代。
茶壺については、あまり感性が動かず「茶壺だなぁ」と思いながら通り過ぎる。

萬歴赤絵枡形水指。
これもなんとなく覚えている。内側にも絵が描かれていて、水を張ったら綺麗だろうなぁと思った。

片桐石州の一行書「和敬清寂」。
独立ケースの仁清の色絵龍田川水指、同じく独立ケースの「白鶴香合」(←大きい)

以前、これらを東京分館で観た時はアークヒルズじゃなくて、京都の東山にいるような錯覚を感じさせてもらった。

そして、仁清といえば唐物写十九種茶入。
以前見た時も感動したっけ。お見事としかいいようのない写し。

静嘉堂文庫美術館の十八種の唐物写茶入ともども、好きだなぁ。

図録を読むと根津美術館にも八種が現存するらしい。見たことあったけ?(たぶんないと思う)

古染付荘子香合を見て、「ほらっ。当たり
今年の茶道文化検定1級の四択問題に出題されていた。
「蝶」で正解取れた、はず。(←まだ全体の答合わせしてません

ここで1点稼いでも、ほかで間違っていたら世話ないしと思いつつ、
公式テキストや問題集から得た「机上の知識」でない実地の知識で問題を解けることに満足。

高取非角水指。
水指に沓形という感覚は珍しく、面白い。
(やはり、遠州は織部の影響を強く受けているのだなぁ)

南蛮砂張丸水指はすごく大きい。
隣の南蛮砂張建水も大ぶり。
どちらも見立てだから、そうなんだろうなぁと思う。

見立てか否かは不明だけど、朝鮮砂張建水は更に大きかった。

辻与次郎の大丸釜、宮崎寒雉の布団霰釜、西村道也の裏甲釜(←あの取っ手みたいなものは透木用だったのか)

大正時代に活躍した大西浄長って、何代目だっけ?と思いつつ見た有馬六景釜。
(2010年に見た時も同じことを思ってた 大西家13代目)

最後は住友コレクションを代表する品々。

黒漆青貝芦葉達磨香合。(菱形のお盆も強烈)
祥瑞共蓋水指。砂金袋形。
大講堂釜。室町時代のもので、図録を読むとこれが本歌らしい。

瀬戸肩衝茶入「真如堂」。
金華山手真如堂の本歌ということよりも、真如堂に近いこの場所で見るのが妙にリアルだなと

小井戸茶碗「六地蔵」も“地元”だなぁ。
でもやっぱり、VOC仕服に視線がいく。

読めないのでスルーしちゃった宗旦と清巌宗渭の「勘弁状」。
図録にも掲載されていないので、理解できる術はないが、今になって内容が気になる

見ながら「図録持参すればよかったかな」と思ったけれど、
感想記を書いていると、その場では図録画ないほうが目の前のホンモノに集中できるので、
持参しなくてよかったと思う

図録は復習で効力を発するものだと思った。

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☆泉屋博古館バックナンバーリスト
 2012年6月 『近代の京焼と京都ゆかりの絵画-受け継がれるみやこの美-』
 2011年11月 『数寄者・住友春翠と茶-住友コレクションの茶道具と香道具-』
 2011年5月 『住友コレクションの茶道具』
 2010年1月 『春のよそおい』

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