Akatsuki庵

日々と向き合って

藤原道長は元祖ブロガー!?

2012年05月18日 00時00分11秒 | 美術館・博物館etc.
『王朝文化の華-陽明文庫名宝展-』
京都国立博物館 サイト
 ※5月27日(日)まで

「5/15は珠光忌に行かなかったんですかぁ」とコメントが入っていた。
関西行きの日程を決めた時点では行きたかったんだけど、スケジュール的に厳しくなって「思案中」になり
結局、行くのはやめた。
もっとも、4/21にblogに書いた時点でほぼ見送る気持ちにはなっていたんだけどね

むしろ、陽明文庫展に行きたい思いの方が珠光忌に勝ったというべきか。

4年前の正月明け、東博で陽明文庫展がかった折りに観に行った。
→正しくは『陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」』 観賞記はこちら

藤原道長直筆による御堂関白記を間近に見ることが出来るということですごい人気で大混雑だった
押し合いへし合いで他人の頭越しに背伸びして見たけど~。
なぜか、記憶に残っているのは“別物”だったみたい。
(すごい豪華な料紙に書かれたわかりづらい文字の巻物。倭漢抄と勘違いしてたようで

今回も葵祭が延期なった影響なのか、人が開場と同時に流れたようで混んでいたけれど、
それでもトーハクの時よりはかなり少なく また御堂関白記の点数もたくさんあってじっくり観賞できた。

道長自ら記した自筆本のほか子孫?が書き写した古写本もあって、どちらも国宝だというのが少し驚き。
(いくら偉大だからって、自分の親・祖父あたりの近い先祖の日記を筆写するって、どーよてな気もするが)

細かい字だけど、意外と読みやすいというか、見やすい。
きちんと定規で線を引いて、日付と曜日欄を設け、あからじめ1日を記録するスペースを確保する工夫は
まるで現代のシステム手帳や3年日記のようだ。

この時代、「文字が書ける」という行為が教養のステータスシンボルだったのだろう。
その自信と記録する喜びと使命感が伝わってくるような日記だと思った。

おそらく、道長自身がまめに書いたものを読み返す必要があったのだろう。
ゆえに詳細に極めて客観的に後で読んだ際に冷静な判断が下せることを意識して書いていたと想像できる。
そして、一番重要な「抜けがない」点もすばらしい。

元祖ブロガーだなと思う。
千年後の記録アイテムパラダイスの環境を見たら、どう感じるかなぁ。。。

道長に限らず「記録を残す」ことを平安・鎌倉時代の上流階級の人は重視していたこともわかる。
だから、私たちははるか彼方の昔のことを知ることができる。
(自分の本業も「現代の記録を遺すこと」なので、仕事目線として、とても興味深かった)

とは言うものの、プライベートな興味はやはり茶道具
4年前は「名物裂と青磁が見られる」くらいの期待だけを持って訪れ、
茶杓箪笥を見てビックリ。
そして、近衞家熙さんの存在を知ったことが大きな収穫だった。
(会場で流れていたVTRも家熙さんの紹介に比重をかけてたし)

今回も茶杓箪笥の展示があり。砧青磁の鳳凰耳付花入『千声』も見ることができた。

白磁に金を塗った馬上杯(=白磁無地金襴手馬上杯)は豪華すぎて、お茶なんてもったいなくて飲めない~と思ったら
用途は菓子器だったようだ

ボロボロになって解いた仕服もあったけど、いかんせん点数が少なくて残念。
茶道具そのものが少なかったなぁ。

雛道具に茶道具(のミニチュア)が幾通りもあって、そちらの方に感動。
先日見た毛利家の至宝展(サントリー美術館)で「雛飾りの道具は本物のカタログ版」と知ったので、
これを原寸大にした道具(真台子)をイメージするのも面白かった。

最後の章で明治大正昭和にかけて活躍した近代画家による日本画(すべて表装された掛け軸)も見応えがあった。
例外(?)で抱一筆の六曲一双の屏風も出ていて、すごく綺麗

思わずクリアファイルを買ってしまった


私にはとても遠い“雅な宮廷文化”だけど、充分に堪能でき満足

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2011.10月『細川家の至宝』→こちら
2011.2月『筆墨精神 中国書画の世界』→こちら

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