作者が書くように
どこにでもあるような風景が描かれています。
原作が発刊された当時、読み進むうちに
なんの抵抗もなく
だからこそ、さして共感もなく・・・
でも、そんな誰にでもありそうなあたり前の物語に
多くの人が群がるとは・・・
そんな時代なんだ、という実感が
今ふつふつと湧き上がってくることが
不思議でなりません。
ご存知のように、映画化されるまでに
テレビドラマとして放映されました。
そして、演技では定評のある田中裕子、倍償美津子が
オカンを演じました。
女優として遜色のない布陣ですが
【オカン】
映画では、実の母娘(樹木希林と内田也哉子)が
【ボク】
ボク(オダギリジョー)の成長に合わせ
同じオカンを好演しています。
そして
【オトン】
オトン(小林薫)のように弱いのが
世の中のほとんどの男かも・・・
【ミズエ】
ボクの恋人役ミズエ(松たか子)
そうそうたる顔ぶれにもかかわらず
好演というより、さりげない演技が光ります。
そう、どこにでもあるあたり前の風景の一部で
あろうとしているかのように・・・
なんとも心地よい2時間22分でした。
こんな1シーンに
今、失われたものを見たような思いがしました。
ボク「東京に来たらいいやん」
オカン「ほんとに行ってええんかね」
母と子、父と子、愛と友情・・・
誰にでもある大切でかけがえのないものが
さりげなく描かれています。
どこにでもあったこんな風景が
どんどんなくなっている現代の社会だからこそ
共感を生んだのかもしれません。
いい作品に仕上がっています。
(上映時間:2時間22分)
■作品評価(5つです・・・心地よい映画です)
『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』公式サイト
< 完 >
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