エリック・ベネイとハル・ベリーとの事

ハル・ベリー、
アメリカではハリーと呼ばれているがどういうわけか日本ではハル。
1996年のエリックのファーストアルバム”True To Myself”のジャケットの裏に、
「ハリー、またメールしてもいい？」と書かれている。
99年頃のインタビューでその事を聞かれて、「彼女はアフリカンアメリカンの男性にとって、
憧れの存在だからね。」と答えていた。

2人は結婚して散々もめた後、離婚した。
著名人二人の仲に問題が出てきた時、大きな後ろ盾のある方を正当化する力が働く。
エリックベネイへの罵詈讒謗が週刊誌に、タブロイド紙に続いた。
それに対してエリックが言い返す事はなかった。

今年の春のラジオ番組でエリックは「それは彼女の言っている事でしょう？
自分はそんな事、一度も言っていないよ。」と反論した。
また、「それが本当だとすれば、結婚生活が不幸だから、そうなった。」
と含みを持たせて答えた事もあった。

ショウの予定が入らず、決まってもキャンセルになる、
一日だけは行われたのにその後の公演が中止になる。
2002年、エリックはアルバムを完成していたのに、それは発売される事はなかった。
2005年6月、予定よりずっと遅れて、3枚目のアルバム"Hurricane"が発売された。

ファンの一人は、「その事を通して、エリックも私たちも強くなった。」と言っている。
ファンでさえ、それだけの思いをした程だから、並大抵ではなかった。
自分はともかく、エリックにとって娘インディア、
そして家族にそのような思いをさせてしまった事は、痛恨の極みだろう。

2005年、初春、ジャカルタのジャワジャズフェスティバルで,
ステージに立ったエリック・ベネイは、とても幸せそうだった。
その年の秋に６年振りに来日した折も、暖かく迎えてくれるファンがいる事、
大勢の前で歌える事、日本のファンの熱い声援に喜びで応えていた。

アメリカでのそんな出来事も、エリックとハリーが結婚していた事も、
それどころかハル・ベリーの名前さえ知らない人もいる。
あえて蒸し返す必要もないかと思われたけれど、
やはりこれは、Eric Benet”Love & Life”の中での一つの要素になっている。

「ハリケーン」がどん底から再生の思いを込めて作ったアルバムなら、
"Love & Life"「愛すること、生きること。」は41才になったエリックベネイが、
人生に愛と希望を見出したアルバムだ。