Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

ルイジアナスーパードーム、メインステージへ

2009-07-20 08:01:57 | ニューオリンズの旅
部屋に帰っても、誰も出かける支度をする気配がない。
7/4のニューオリンズ、エッセンスミュージックフェスティバル、
ルイジアナスーパードーム、メインステージの予定表、
7:00 Jazumine Sullivan
7:45 Robin Thicke
8:45 Charlie Wilson
10:00 Anita Baker
11:45 Maxwell

リンダはアニタ・ベイカー、他の二人はマックスウェルがお目当て。
そしてリサはこの日は200ドルの席を取っている。

シングルマザーのカミュラが6歳の子供に電話をする。
それまで、祖母と一緒で落ち着いていた子供が、母親と話した事で、
我慢が出来なくなった。
何度も彼女の携帯に電話をしてくる。

リンダも9歳と10歳の子供がいる。
着いた日に夫と子供に電話して20分も話してしまい、金額を確めたら、
70ドル近くになった事に気付き、それからは電話しないでいるという。

カミュラと子供のやり取りが微笑ましくて、
クスッと私が笑ってしまったら、
リンダは真顔で「AK、彼女は泣いているのよ。」
「ごめんなさい、気が付かなくて。」

子供と離れるのは今回が初めての経験だそうだ。
カミュラは言った「こんな切ない思いをするなら、
今度旅行する時は、ママと娘を連れてきて、
お母さんに部屋で子供を見て貰い、出かけるようにしたい。
でも母は甥も見ているから、4人分は負担できないし。」

ところで、昨日会ったエリック・ベネイファン、紹介されたが、
分からなかった人がいた。
「あなたのtebfサイトの名前は?泊まっているホテルは?」
何を聞いても彼女が誰だか思い当たらなかった。
「私だって、『facebookの名前は?』『myspaceは?』なんて聞いちゃったわよ。」
とリサ。リサのノートパソコンを開いて、ファンクラブサイトの投稿を確認していく。
「エッセンスのEric Benetを観に行く。」と2回だけ投稿している人がいる。
「この人だったのねぇ。」という事になる。
アフリカ系とネイティブアメリカンのミックスでミステリアスで美しい人だった。
私の写真を撮りたいんだけれど、と言われて、
「だったら一緒に誰かに撮ってもらいましょう。」と言い、
二人で一緒の写真を撮った覚えがある。

カミュラはリサのパソコンを使って自分のmyspaceのページを作り始めた。
フレンドリクエストを次々と送る。
そして、エリック・ベネイにもメッセージを。
メッセージにどんな事を書けばよいかと私とリンダに真剣に聞いてくるので、
私も書き方をアドバイスしていたが、途中で吹いてしまう。
「カミュラ、それって可笑しくない?
だってフランス人と日本人に、英語の書き方、教わっているなんて!?」

リサはベッドで横になった。
彼女は余り体調が良くないようだ。

カミュラは支度を始めて、香水を空間に吹きかけ、そこを行ったり来たり。
「変なことしていると思うでしょ?」
リンダが「私もいつもそうやるわよ。」
柑橘系のフルーティーな香り。
今度のルームシェア、実は香りを心配していた。
ヨーロッパのマダム好みのムスク系とかの香水が私は苦手だ。
隣に座った人がその手の香りを身に纏っているとクラクラくる。
しかし、ルームメートたちは、皆、それぞれよい香りを漂わせていた。

少しづつ、動き出して、それでもルイジアナスーパードームに着いたのは、
11時近かったと思う。夜のドームは大きさと輝き、威容が漂う。
アリーナのリサと分かれて、最低の席に3人で向かう。
3人で並んで座れるところがないので、どんどん上へ端へと入り口を移動。
ステージに向かって最も左端の入り口から入る。
スーパードームの頂上に近い位置。

こ、怖い・・・
高所恐怖症の私はその切り立った階段と席を見て、気分が悪くなりそう。
劇団四季のバルコニー席でさえ、苦手なのに。
3人で端に座る。半端な寒さではない。
アニタ・ベーカーはまだ、始まっていなかった。
軍のアトラクション、そしてマイケル・ジャクソンを振り返る映像。
マイケルの子供の時からの姿を見ていくと、どうしてこんなに無邪気で、
歌が上手だった少年が、晩年の人生をあのような形で終えてしまったのか
と悲しい気持ちになる。

カミュラは隣りの人と深刻な話。
昔はニューオリンズが好きで毎年、遊びに来ていた。
しかし、今はハリケーンがあって以来、街の雰囲気が変ってしまった。
他の水害を受けた都市で復興しいているところもあるのに、
ニューオリンズはアフリカ系の町でいっこうに良くならない。
そんな話をしていた。

スーパードーム、メインステージはステージ後方になる席は閉鎖されている。
フットボール観戦などでは、この席を使うのだろう。
しかし無人の席がすぐ横から広がっていて、ライトが消えていて暗いのが、
何とも不気味だ。

ようやくアニタ・ベイカーが始まる。
とにかく寒い。私どころか、リンダもカミュラも震えている。
アニタが終わって一度、席を立ち、化粧室へ。
その後、真ん中のステージ前の席への入り口から通路を出ると、
席が空いている。そこに座り、マックスウェルを待つことに。
ノースリーブのカニュラが凍えている。
ショールを出して、「これを使って。」と渡す。

もうアトラクションも何もない。
ただ、エッセンスの電光サインとテーマ音楽だけが断続的に続く。
寒さと疲れと眠さが限界に達した。
時計を見ると、1時15分。
nkmrakikoさんに「元気~?」とメール。「マックスウェル出てこないでしょ?」
もしかしてnkmrakikoさん、ホテルに帰って寝ちゃってて
変な時にメールしたかと思ったら、
「席で眠ってました!」(爆)とお返事あり。
東京の夫にもメールで愚痴る。
「たいへんだねぇ」と返事。

マックスウェルが出てきたのは、1時半を廻っていた。
2時近かったと思う。
二人ともファンだから、観たいのかと思ったら、
リンダがもう出ようと言う。
外に出ると2:05だった。
空には霞んだ月が出ている。
リサに「私たちは帰るけれど?」とカミュラがメール。
リサはもう少し残ると返事が来た。

3人で帰ると、カミュラがお腹が空いた、何か食べたい、
買ってくるという。
「もう、この辺じゃ売ってないよ。」と話していると、
「そうだ!朝のフルーツとクラッカーがある!」
カミュラは綺麗に4人分に分けて盛り付ける。
そしてチョコレートも持ってきているの、と嬉しそうに出してきた。
その袋を見てびっくり。ドッグフードの3キロ入りみたいな袋。
それにホワイトチョコがびっしり入っている。
そんな袋入りのチョコがあるのも驚きなら、旅行に出るのに、
それをそのまま持ってくるというのもびっくりだ。

ベッドの用意をしているとリサが3時過ぎに帰ってくる。
それでも途中で、出たという。
私の起床時間の4:45が迫っていた。
今日はこれから、飛行機で帰る日。