Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

金子三勇士@シャネルネクサスホール5/30

2009-05-31 11:20:14 | ピアニスト 金子三勇士
若く才能あるピアニストを縁あって知ることができ、
その成長、進化していく過程を見守っていくことができるのは、
私にとって大きな喜びだ。

金子三勇士(Kaneko Miyuji)
1989年にハンガリー人の母と日本人の父との間に生まれ、
6歳でハンガリーに留学。
母方の祖父母の家からバルトーク音楽小学校に通う。
ハンガリー国内のピアノコンクール、ジュニアの部で数々の賞を取る。
11歳で飛び級で国立リスト音楽院大学ピアノ科に入学。
16歳でピアノ科全過程終了とともに日本に帰国。
東京音楽大学付属高校2年に編入。
現在東京音楽大学ピアノ演奏家コース2年在籍。
2005年から現在に至るまでアメリカ、ギリシャ、ハンガリー
などのコンクールで優勝を重ねる。

最初に金子三勇士の演奏を聴いたのは、
2007年の晩秋、芸術劇場大ホールで行われた
東京音大付属高校のチャリティーコンサートだった。

ピアノ協奏曲 第20番ニ短調K.466 モーツァルト

オーケストラをバックに堂々とした演奏を聴かせる三勇士の姿は大きかった。
その一月ほど前、三勇士はパリのロンティボーコンクールで、
過酷なレースを勝ち抜きセミファイナルまで進んでいた。

この日、確か別の歌曲のコーラスの中にも、金子三勇士の姿を発見。

次が2008年の東京音大付属高校の卒業演奏会。
6つのルーマニア舞曲  バルトーク
エフィタッフ     コダーイ
スペイン狂詩曲    リスト

他の学生達もそれぞれ努力の結晶を披露したが、
三勇士は明らかに感情移入の仕方が日本で教育を受けた演奏者とは異なる。
演奏を終えた後、話す機会があったが、
演奏中、日本で経験した学生生活を振り返り、感無量になったという。

演奏会の数日後、金子三勇士はバルトーク国際コンクールへと向け、
ハンガリーへ旅立ち、見事、優勝の栄冠を勝ち取った。

そして2008年6月のカワイコンサートサロン
夜想曲第3番変イ長調作品33-3  フォーレ
子供の領分           ドビッシー
ピアノソナタ第2番ト短調作品22  シューマン
ハンガリー農民組曲       バルトーク
ハンガリー舞曲第32番      ウェイネル
エフィタッフ          コダーイ
スペイン狂詩曲         リスト

彼の得意の分野、そして日本で親しまれている曲、
上手にブレンドされていた。
終わった後、多くのファン、若者から年長者までに囲まれていた。
確実にファンを増やしてきている。

2008年11月、東京音大定期演奏会では、
広上淳一の指揮の下、
ピアノ協奏曲第2番イ長調 リスト
ハンガリーの作曲家リストは金子三勇士の得意分野でもある。
オーケストラと三勇士のピアノが見事に調和し、
聴き応えのある素晴らしい演奏だった。
その後、リストの愛の夢。
燕尾服姿でピアノの前に立つ三勇士の姿は凛々しい。
鳴り止まぬ大きな拍手に包まれていた。

楽屋を訪ねると友人達に囲まれて記念撮影をしている。
私達と一緒に写真を撮ろうとすると、
「三勇士、笑顔でね!」女子からと掛け声が。
良き学友達に恵まれ、楽しい学生生活を送っていることが窺え、
こちらも顔が綻ぶ。

今年に入ってからは、シャネルの創始者ココ・シャネルのスピリットに基づき、
若手の才能ある演奏家を厳選して銀座シャネル4Fネクサスホールにて行われる
ピグマリオンデイ
http://www.chanel-ginza.com/nexushall/pygmalion/index.html

第1回目3/14
パガニーニによる大練習曲作品141第2番 リスト
フランス組曲第5番ト長調        バッハ
夜想曲第3番変イ短調作品33-3      フォーレ
ルーマニア民族舞曲           バルトーク
7つの小品作品11-4墓碑銘        コダーイ
19のハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調   リスト

アンコールは
ショパンの夜想曲

そして第2回目の昨日5/30
ワルツ第6番変二長調「子犬のワルツ」 ショパン
ピアノ・ソナタ第5番ト長調K.283    モーツァルト
バラード第1番ト短調作品23      ショパン
ノクターン第20番嬰ハ短調       ショパン
ピアノソナタ第2番ト短調作品22     シューマン

第1回目と2回目との間、
3月末から4月にかけてミュンヘンとウィーンにて演奏旅行、
途中、ハンガリーの家にも滞在し、そこでも練習に励んできた。

今まで聴く度に成長していく三勇士の姿に感動してきたが、
昨日ほど、大きく変化した彼の姿に触れたのは初めてだ。
ハンガリーの草原の雄大さ、そして彼の心の優しさが、
きめ細やかな演奏の中にゆったりとした印象を残す。
繊細なテクニックのみならず彼の心の内が演奏ににじみ出る。
そしてそれが会場の人々の心を揺さぶった。
これからも金子三勇士は大きく成長していくことだろう。

2月のエリック・ベネイの来日、
金子三勇士と共に楽屋を訪ねると、エリックは三勇士を質問攻めにした。
金子三勇士が発するオーラを、敏感なエリックが感じ取ったのだろうか。
「君は誰なの? 何のアーティスト? 名前は?
アメリカでも活躍しているの? 」
ハンガリーで教育を受け、現在は日本在住。
海外で、アメリカでもピアノコンクールの優勝者だと紹介する。
二人はEric Benet"Love&Life"の"Iminluvewichoo"で競演した
ハンガリーの歌手、リンダ・キラリーの話などもしていた。

エリックは自分がエールを送る特別な相手にだけする
体の前で手を組み交わすポーズで三勇士とカメラに収まった。
そして"Continued Success!"
「これからもがんばるんだよ!」
と金子三勇士を優しい眼差しで見つめた。

金子三勇士、7/24、大阪国際会議場グランキューブ、
8/11.12と東京国際フォーラム ホールA、
小林研一郎の指揮の下、新日本フィルハーモニー交響楽団と共に、
チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番を披露する。
料金はクラシックに親しん欲しいという主旨の基、¥1,000均一、座席指定可。
解説は三枝成彰。
http://www.saegusa-s.co.jp/con090812tokyo.html