Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

EricBenet&クラシックピアニストMK

2008-11-20 08:49:05 | ピアニスト 金子三勇士
初めてMK君に会ったのは、
2007年9月のエリック・ベネイのライブの初日だった。
翌月の海外で行われるピアノコンクールへと向け厳しい練習に励む中、
たまには少々の気分転換もと私の知人のお誘いで一緒にやって来た。

ヨーロッパの都市でピアノを学び、
かの地の音楽院を卒業し、日本に戻ってきたばかり。

ハンサムで礼儀正しく、日本の同世代よりずっと大人。
それでいて高い志の元に精進してきているので、
すごくピュアな心を持った青年だ。

エリックベネイのライブが始まると、M君、
様子が変わった。目がキラキラと輝き、
満面の笑顔で心から楽しそうに見入っている。
それこそ体全体が耳になって音楽を聴き入り、
同じアーティストの立場からEric Benetを深く理解していた。

MK君はその時点ですでに3つの世界的なピアノコンクールの優勝者。
この日のsweetなM君の様子からコンテストで戦い勝ち残る
タフガイな姿が結びつかなかった。

その後、何回かM君の演奏を聴く事になる。
まさしくクラシック音楽界の勇士だった。
曲に入り込む感情移入が、集中力が、素晴らしい。
そしてMという名前の通り、彼の存在そのものがミュージックとなる。
ピアノの音色が旋律ではなく、そこに彼の表現する世界が拡がっていく。

一つの曲の練習に掛ける時間も長いが、曲の解釈、
その曲をどのように演奏するべきかという考察にもかなりの時を費やすという。

M君は幼少の頃に両親の元を離れ、
ヨーロッパの都市に住み、
その地の音楽小学校に通う。
そして高名な音楽院に入ってからは、
若くして一人暮らしも経験しているようだ。

クラシック音楽の偉大な作曲家達が生まれた地で生活し、同じ国の血を引き、
物心ついた時から一つの目標に向かってきたソウルサーチンが
彼の音楽を形作っている。

観る度、聴く毎に一回りも二回りも大きくダイナミックになっていく。
進化し成長していくMK君の演奏を聴くのをこれからも楽しみにしている。

リストの「スペイン狂詩曲」を演奏した直後、
彼の指にはピアノの振動が刻まれ、
心も曲の中にあった。
EricBenetが"Hurricane"を歌った後の姿にM君が重なった。

今月末、M君のピアノを聴く事ができる。
http://www.tokyo-ondai.ac.jp/concert/081128.PDF