グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

かわいいなと思ったお花は意外にも。

2020-09-29 23:05:25 | Weblog
かわいいなと思ったお花は意外にも。

宮崎県でも、鹿児島県よりの小林市をドライブ中に
9月22日前後に 沿道でみつけた 
植え込みのしたから顔を覗かせている お花の花茎。




たとえば クロッカスとか、そんなかんじに見受け
られて




どんな葉しているのかな と思って、植えこみのした
を探しても ただ 花茎があるのみ。

もっと成長のはやい個体はないかな・・・

とおもって、日当たりのよい 別の場所を探したら
ありました・ありました。

その正体は
花のある時期に葉はなく、葉のある時期には花がない
という 

   

ヒガンバナでした。

植え込みの下からでてきている&開花したあとのお花の
イメージや咲いている場所が[自分のなかでは]強烈す
ぎるので、連想できなかったのですが

なかなかにかわいいお花でもあるのだなと 再認識。。


晴れ  有毒ということで、田んぼの畦に植えられたり
  お墓のそばに植えられたりしているイメージの
  ヒガンバナ。食べるとしんじゃう/彼岸にいく
  こともあるということから、こういう名前が付
  けられているという説もあるのですね。
  
51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染





ルリカミキリ。容赦なき喰いこみ。。

2020-09-24 17:24:10 | Weblog
ルリカミキリ。容赦ない喰いこみ。。
レットロビンの皮の下に潜り込み、まるで環状剥皮をしたかのよう
な状態になるまで食していく ルリカマキリの幼虫。幼虫の進んだ
食痕を指で触ると、まるでヤシガラピートのように繊維質になった
食べ残しの部分が ズルっと剥げおちていってしまいます。

  
 

で、そんな繊維質のなかに幼虫[こちら]がいるはずなのですが、こ
れがなかなか発見できない。どうやらさんざん食べながら這い回っ
たあげく、そのあとになってやっと幹に侵入していく性質みたいで。

なんともやっかいな害虫です。

ルリカミキリではない ふつうの[おかしな表現ではありますが]
カミキリムシ[​こちら​]などでは、樹皮の下に潜り込むことなしに 
すぐに木の幹に侵入してトンネルを掘り進みので、発見し駆除す
ることがたやすいのですが、
このルリカミキリの幼虫[​こちら​]の見つけにくさ加減っていった
ら、その見つけられないくやしさに地団駄踏んでしまいます。

また垣根にしている樹のなかでもよわっている個体部分に集中して
攻撃してくるみたいで、 ↑の写真みたいに とくに塩害の激しく
葉が落ちた樹は こんなふうに ボコボコにされてしまってます。

で 対策ですが、なんといっても レッドロビンの樹勢の回復を図
ることかと。ということで 台風通過後に

 ● 風で緩んだ地下部分に土寄せし
 ● 塩害後のたっぷりと樹全体を水洗いし そのあと
 ● リンサンや苦土に微量要素中心の液肥の葉面散布

をおこない、台風通過後1週間ほどしてから

 ● チッソ分の入った液肥を樹と樹の間に穴あけて流し込み
 ● そのご 固形肥料のバラマキ施用

などを 適宣おこないました。
なんとか枯れずに元気になってくれないかなあ。

ということで今回は台風後に急に被害が目に付き始めたカミキリ
ムシであるルリカミキリ被害についてのおはなしでした。


晴れ 先輩農家さんに、レッドロビンには へんなムシが
  はいってくるよ・・と、教わった回は こちら


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」



塩害で弱ったところにルリカミキリ。

2020-09-21 09:28:57 | Weblog
塩害で弱ったところにルリカミキリ。

連続する形で北上した 台風9号と10号による塩害で弱った
庭木[こちら]に追い打ちするかたちで、激しくなった虫害。。
ということで次回関連で以前分ですが、よろしかったら。



『ルリカミキリ。準絶滅危惧種とはいうけれど。』

頼りなさげにふわりふわりと空中を飛ぶ、黄色いボディの小型
のかわいいカミキリムシ。

ルリカミキリです。体長は2センチほど。

 

隣地との境い目の境界の生け垣にしようと育てているレッド
ロビンの近辺で よく見かけるなあとは思っていましたが、

まさかこの虫が ​手塩にかけて育てていたたレッドロビン​に
害をなしていたなんて・・・びっくりです。

そんな ルリカミキリの被害が こちら ↓ 。

 

レットロビンの皮の下に潜り込み、まるで環状剥皮をしたか
のような状態になるまで食していきます。そして こちらが
食された跡の患部にのこる繊維質。指で触るとズルっと剥げ
てしまいます。

 

食された跡、この感触は まるでココナッツの繊維にも似て。
で、この食痕あとの繊維質をとったら、表皮がすっかりなく
なって幹がまるでサルスベリの樹の幹みたいに つるつるに
なってしまうという怖ろしさ。これでは表皮の下にある維管
束などが被害を受けて、樹上まで水が上がらなくなって当然
です。

こんな被害にあったら、レッドロビンもかわいそう。一頭な
らまだしも、複数頭に同時に食されたとしたら、あっという
まに枯れてしまいそうですよ。

さて そこで防除法なのですが、これがなかなかに難しい。

樹皮の下にいるわけですから、農薬を散布したとしても薬液
が直接かからないし、そもそも樹皮を食べすすんでいってし
まうので、繊維質のトンネルのいまどこにいるのかもなかな
かわからないという厄介さなんです[防除したい身としては
じつにくやしい]。

そこで・・・

しかたがないので食べた跡の繊維質を剝がしていって捕獲
するという、非効率な手作業的な方法をとっています。
したの写真が、運よく捕獲できた幼虫です。頭には鋭い牙
があったり。

 
  
 
大きさ、体長は 2センチほどです。

 

ということで今回は、町中の植え込みにたいへんよく利用されて
いるレッドロビン/アカメガシに憑りついて枯らしてしまう虫に
ついてのおはなしでした。
最近庭のレッドロビンが弱ってきたなぁと、心当たりの方はご注
意くださいね。

晴れ それにしてもの ルリカミキリ。それでいて高知県な
  どでは 準絶滅危惧種にも指定されてるというのですか
  ら、なんとも摩訶不思議なはなしです。なにか高知土着
  の強力な天敵でも かの地にはいるのかしらん。


51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」





マンサクにまで 塩害被害。

2020-09-17 23:35:25 | Weblog
マンサクにまで 塩害被害。
先日の台風9号・10号の北上に伴い、南からの潮風が吹き付け
た宮崎県地方。 宮崎県の海岸部では[気象庁の予報とちがって]
降雨量がすくなかったこともあり、イネや茶樹といった園芸作物
は言うに及ばす、街路樹や家庭の植木、植木鉢に植えた植物さら
には海岸部の自然林などの多くの植物で塩害が発生しています。

その塩害による症状ですが、

 葉が縮れ・茶色くなる → 落葉する → へたすると枯れる

といった経過をたどります。

ということで 台風通過後には塩害対策として 真水のシャワー
かん水をおこなうのが常なのですが、降雨量の多いいつもの台風
時であれば過去に塩害がおこったことのないマンサクであるはず
なのに 今回は

  10号通過3日後。

とこのような状態です。 葉の状態は こんなかんじ。

 
 

で さすがに海からの風がもたらす塩害だなぁ と思ったのは同じ
樹であったとしても山側の被害が少なかったという現実。

10号通過3日後。  

おなじひとつの樹とはおもえない葉の状態ですよね。裏にあたる側
から見ると。葉の状態をアップにしても こんなかんじですもの。

  
  

さて、そして 塩害のケア。

リンサンと苦土の液肥は台風通過後にすでに施用[こちら]していま
すので、つぎは 機械的な処置である剪定。今週の週末あたりに
緑色が残っている部分は そのままにして、茶色になった部分を
切除していく予定です。

ちなみに 台風通過後10日目の マンサクの様子は こちら。

山側 ← → 海側 

まあ 葉の半分は塩害にあいましたが、いまのところは樹勢もあり
枯れることはなさそうですので ほっとしております。


晴れ バットマンにでてくる悪役の トゥーフェイス。なんだか
  そんなルックスつくりますよね、塩害の被害って。。。

 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜



お米を守るクジラのはなし。

2020-09-15 23:26:45 | Weblog
お米を守るクジラのはなし。  
前回のトビイロウンカ関連[こちら]となります。農業技術の歴史や
や農薬成立の成り立ちなどのはなしとしまして、よろしかったら。



お米を守るクジラのはなし 

6月から7月前半にかけて、中国南部から東シナ海を越えて、九州を
中心とした西日本へ飛来してくるイネの害虫が、セジロウンカトビ
イロウンカ
です。

ジェット気流にのって飛来したくるこのウンカ類は、田植え直後の水
田に侵入、産卵・増殖してイネを加害するイネの大害虫なんですよ。

その被害は甚大です。

たとえば『徳川実紀』という江戸期に書かれた書物などには、「享保
17年(1732)西日本でウンカの大発生によりイネが被害を受け
そのために大飢饉
がおこって結果として百万人近くもの餓死者がでた」
という記録も記してあるほどなんですよ。じつに怖ろしい大被害だと
いえます。

さて、そこでタイトルの、「お米を守るクジラのはなし」ですが・・。
そんな大被害をもたらすウンカから、クジラはどのようにしてイネを
まもってくれていたというのでしょうか。

じつは、鯨油が利用されました。

捕獲されたクジラの鯨油(げいゆ)を水面に注ぎ、その油膜で虫の体を
包んで動けないようにするという使用法が広く利用されていたようです。
虫の呼吸器官である気門をふさぐことでウンカを窒息させる方法ですね。

具体的には・・

 田んぼに鯨油をまく
 ↓
 田の表面に油の膜ができる
 ↓
 棒やササなどでイネを揺すったり叩いたりする
 ↓
 害虫を、水面にできた油膜の上に落として窒息させる


という方法が取られていました。

この方法は江戸時代後期に発案されて全国に広まり、結果として日本の
米の増収をもたしたと言われているほどに効果があったようですよ。
ウンカが大発生すると、幕府は各地の代官に対して鯨油による注油駆除
を布達した
・・・との記述も多数残っていることから、鯨油をつかっ
たこのウンカ駆除法は、幕府お墨付きの農業技術であったことが判明し
ております。

つくづく クジラには、感謝ですね。


晴れ 油を水面に垂らして水を落とし、イネの茎の表面に油分を
  つけることで水面に漂うモンガレ病の菌の付着を防いだり
  鯨油を牛馬のからだに塗りつけることで、アブなどの吸血
  害虫の被害から牛馬を守る
という使用方法も行われていま
  した。
 
 51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜