グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

0157などの食中毒被害を防ぐには。

2012-08-24 22:42:02 | Weblog
0157などの食中毒被害を防ぐには。

0157による食中毒を防ぐには、

 ■ 0157は動物が保菌している確率が高い

ということ、そして 

 ■ まずはじめには糞便にあり

という事実を、〔農家も含めた〕日本国民が しっかりと認識する
ことです。

これにつきるとおもいます。 

そうすれば、困難を極める二次感染の感染ルートの解明を実施する
こともなく、さらには進行していく0157の二次感染をも防ぐこ
とが より容易になります。

たとえば農業の場面においては、牛⇔ふん⇔牛 のサイクルの中に、
0157の生物としての生活圏がある
ことを知る必要がある。
研究が進んでいる欧米で推定されている0-157の感染ルートは
つぎのように。

  1. 牧草地・畜舎 →  → 河川

  2. 牧草地・畜舎 →  → 池・湖沼

  3. 牧草地・畜舎 → 浸透 → 地下

と、このように考えられていますよ。

したがって、O157に代表される腸管出血性大腸菌が生息場所と
している牧草地・畜舎からの汚水の流失を止め、汚水が浸透しない
ように、畜ふん置き場や畜舎の床をコンクリートで固めます。
さらに、定期的に酢酸などでこれらの施設を消毒すれば、0157
の増殖をかなりの確率で食い止めることになるでしょう。

疫病対策は、予防からです。

そしてもちろん、家畜ふんを多様する農業についても、注意が
必要
です。生ふん尿や未熟なきゅう肥を多使用する〔繁殖を助
長します〕のではなく、散布する場所の選定や使用する種類
と量に留意し、そして充分に発酵させた有機を使用すべき
である
ことは、いうまでもありません。

0157に汚染された牛肉の、米国での回収例は こちら  。

たい肥の種類についての話につづく・・・。


◎ そのような内容の、 農水省のページ や、こんな新聞記事 
  いいなと思いました。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜





発生中のO157による食中毒について。

2012-08-24 10:37:13 | Weblog
発生中のO157による食中毒について。

『清潔にしすぎたことが、O157の発生を助長している』 とか
『O157は生命力は弱い。が、腸の中に敵となる菌がいないと暴
 れだす』などといった記述をときどきみかけますが・・・とくに
幼い子どもさんや高齢者がおられるご家庭では、こういった間違っ
た風説に惑わされないように注意いたしましょう。
ということで、以下は、2006年のブログですが、今回の北海道
でのO157による食中毒発生に関連として再掲載してみました。
よろしかったら、ご参考に。



0157による食中毒について

食中毒の集団発生はさまざまな要因が複雑に絡みあって起きるもの
です。そのため、発生後から状況を再現することは、非常に難しい。
なかでも特に大変なのが O157に代表される腸管出血性大腸菌
が原因する場合なのです。

それはこの菌に、

 ■ 感染してから発症までの潜伏期間が4~9日間と長い
 ■ 調理用具や水などを介した二次感染の危険性を常に伴う


といった特徴があるからです。

長い潜伏期間のもとで汚染食品が流通し、その間にも強い感染力
 により、つぎつぎと二次感染による被害を拡大していく
』・・・
これがO157による食中毒事故の恐ろしさです。これでは、感染
源の特定がなかなかすすまないのもうなづける話ですね。

そのO157の強い感染力について説明しましょう。

たとえば サルモネラ菌などは100万個以上が体内に入らないと
感染しないとされています。0157では、わずか100個足らず
で感染
するとされています。
この感染力の強さであれば、食品にごくわずかについている場合で
も感染してしまいますし、タオルの共用や入浴やプールなどでも感
染の危険がつきまとうという話にもおもわず納得してしまいます。

この強力な感染力のために、過去のO157発生時には多種多様な
感染源が指摘されてきた経緯があります。

有名となっ たカイワレ大根はもとより、仕出し弁当・輸入アメリカ
産牛肉・メロン・そば・イクラに製麺所のうどん・和菓子・生レバ
ー・牛ホルモンなどなど。なかには、おかかサラダやかぼちゃサラ
ダの例、なんてこともありました。
この広範囲にわたる感染源というものこそが、潜伏期間の長さと強
い感染力を持つというO157の特徴を端的にあらわした実例だと
いえるでしょう。 

この原因究明された感染源の多さをみて、『これはとても防ぎきれ
ない
』・・との感想をもたれた方も多いとおもいます。が、実際に
は、O157が原因の食中毒ってそうそう起こるものではない。

その理由は上記のいろいろな感染源が、じつは二次感染による感染
源であることにほかなりません。そもそもの感染源は、別にある。

そう・・・O157のいる場所は、はじめからわかっているからです。

O157は、「家畜や動物のふん尿を介して生殖・増殖する微生物」
なのです。実際のところ、O157は、牛のふん便中の2-3割に
おいて普通に検出されるという事実もあります。

動物には害がなく人間に害をおよぼすというO157という大腸
菌のもつ性質が、問題となって発生する食中毒というわけですね。

したがって、上記の多岐にわたる感染源としてあげられた食品は 
あくまで「従犯」。「主犯」である動物のふん便中のO157を
おさえこむことで、O157は予防できる
ことになります。

以上、再掲載でした。


◎ そのような内容の、 農水省のページ や、こんな新聞記事 
  いいなと思いました。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜





昔と現在の有機原料の“違い”について。

2012-08-22 16:15:33 | Weblog
昔と現在の有機原料の“違い”について。

昔と現在の有機原料のいちばん大きな違いについて、完結明瞭に説明
してみました。いわゆる 説明するための理想論ではありますが、よ
ろしかったら ご参考に。

 ↓

自然林の地面には 落ち葉や枯れ木を微生物が分解してくれたふわふわ
の土が広がります。これが

 腐植とよばれるもので100年かけて1cmしかできない

・・という学説もあるほど 貴重なものです。その腐植を人の手でつく
ったものが 植物質のたい肥 となるわけです。

 → 土の状態をみて入れるものを変えるのが農業 参照

輸入される飼料作物を使った工業的大型畜産が隆盛する以前は、こうい
った広葉樹の落ち葉などの植物質の 資材を原料としたたい肥 が作物
栽培の基本であったわけです。
わかりやすく考えるために江戸時代を引き合いに出して考えてみると・・・

 ● 大量に食料を輸入していない。
 ● 輸入食料からでる、生ごみ残渣はない。
 ● 大量に輸入した飼料を使って、家畜を大規模に飼育してはいない。
 ● 大規模畜産から生み出される大量のふん尿は存在しない。


ということになります。

・・・「大量の農産物が輸入されていなかった時代」と、「大量の農産
物が輸入されている時代」の有機物を区別して考えなければならない
と思うのは、そういった 農産物輸入に関する絶対条件の違い がある
からだとおもうのです。


◎ 有機資材を区別して考えることは、この時代にあっても、かたくなに
  植物質たい肥の使用を続ける昔ながらの有機農業や農家を応援する
  こと
につながります。それはまた、食中毒の防止にもつながること
  だと、ようやく理解が進んできはじめたことでもありますし。

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“オオカミ少年”を連想させられる谷垣総裁のニュース。

2012-08-19 11:17:20 | Weblog
“オオカミ少年”を連想させられる谷垣総裁のニュース。

自民党の谷垣総裁は、野田政権を今国会で解散に追い込むため、
 衆議院での内閣不信任案提出などを検討する考えを示しました


などというニュースが報道〔 こちら 〕されていますが・・・

このニュースを聞いてイソップ童話の“オオカミ少年のはなし”
を連想しない人がいるのかな、なんて思ってしまいましたよ。
→ 密室でのトップ会談にはがっかり


◎ そんな気分を表した、興味深い総選挙のアンケート結果は
  こちら 。繰り返しウソをつかれた村人は、“少年”を信
  用せず、少年には投票しなかったってかんじですね。

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昨年の2月にもあった北海道での大規模食中毒。

2012-08-19 09:07:20 | Weblog
昨年の2月にもあった北海道での大規模食中毒。

北海道での集団食中毒の被害拡大に、岩井食品の漬物を店頭に並べ
ていたスーパーや道内の漬物業者に客離れの懸念波紋が広がっている
とのニュースがあります。 こちら 。

そういった事態を受けて北海道と札幌市は、国が給食施設に対して消毒
液濃度などを定める「大量調理施設衛生管理マニュアル」や市が独自に
定める「食品等の自主管理基準」などの指針に基づき、関連の漬物製
造施設の立ち入り調査を実施して再発防止を図るということです。 こちら 。

しかし、それにしても です。

昨年2011年の2月には、北海道岩見沢市でおこった発症者が1500
人以上にのぼったという大規模な食中毒もあったというのに〔О157では
なくサルモネラ菌が原因でしたけれど〕、その記憶も薄れぬうちに今回再び
大規模な食中毒事件が発生したのですから・・・〔問題を起こした漬物会
社を監督すべき立場にあったはずの〕道や市の指導体制にも、改善すべき
問題があると見たほうが良いのかもしれませんね。

それはさておき、当ブログの昨年2月の記事の再掲載です。О157もまた
サルモネラ菌同様に家畜由来の食中毒原因菌となりますので、よろしかっ
たら、ご参考に。

 ↓

『北海道岩見沢市でおこった食中毒の原因は。』

発生から2週間、北海道岩見沢市でおこった、発症者が1500人以上
にのぼったという大規模な食中毒
は、市の共同調理所で調理した給食の
ブロッコリーサラダが原因のサルモネラ菌による集団食中毒と断定さ
れたようですね。  

これらのニュースにおける、サルモネラ菌に関する記述はつぎのとうり。

ブロッコリーサラダを保存していたサンプルからサルモネラ菌が検出
 されたと発表した。 サラダを混ぜるために使った釜のシャフト部分か
 らも、サルモネラ菌が検出され、同保健所は「洗浄不足で菌が残って
 いた可能性が高い」とみている。


混ぜる際に使った「シャフト」と呼ばれる自動調理器具の軸の部分か
 らも菌が検出された。文部科学省は、学校給食施設の調理器具をアル
 コールか塩素、煮沸のいずれかで消毒するよう指示している。サルモ
 ネラ菌は63度以上の加熱で死滅するとされるが、同調理所では52
 ~53度の湯をかけていただけだったという。


ということです。 さて、そこで サルモネラ菌 です。

通常、サルモネラ菌は、鳥や動物の消化管に住んでいます。そのために
ヒトは、動物の糞に汚染された食物を食べることにより、サルモネラ菌
に感染するといわれてきました。
したがって食中毒の原因となる可能性の高いと考えられる食物は、最近
までは牛肉・鶏肉・牛乳や卵といった動物由来のものが多いものと考え
られる傾向にあった
のです。

しかし今回の食中毒のケースでみられるように、いまや動物由来の食品
に限らず、野菜を含めたあらゆる食物が汚染される可能性がある
と考え
るべきだと考えられます。 
そのために、食中毒防止対策としては、すべての食品や調理機具に対す
る、マニュアルに基づいた適正そして適切な“洗浄”が大切だ・・とい
うことですね。もちろん、調理者についても、同様に。。

そういった最近のサルモネラ菌の事情にくわしいサイトは、こちら 。
横浜市関連のサイトです。

サルモネラ耐性菌や、その耐性菌発生のメカニズムまで解説してある
充実したサイト
でおすすめです。ちなみに

家畜の病気を防ぐために、家畜に抗生物質を与えていた場合があり、
 その結果、家畜の腸内のサルモネラは、抗生物質が効きにくい耐性菌
 が増えているとされています。もともとは家畜の腸内にいたサルモネ
 ラで汚染された食物を食べたりして人が感染している場合もあります。
 抗生物質による治療の際は、耐性菌に注意する必要があります。


といった解説もありますよ。

▼ 最後になりましたが、進学や受験シーズンというこの大事な時期に
  被害に遭われた生徒さんや関係者のみなさま、 いまだ食中毒症
  状に苦しむ方々には、謹んで御見舞いもうしあげとともに、1日でも
  早いご回復をお祈りいたしております。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜