プロ野球選手会が今年度の年俸調査結果を発表しました。
⇒こちら(スポニチアネックス)
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報道にある通り、この形式の調査が始まった昭和62年以降で初の3年連続ダウン。
データ提供元のプロ野球選手会のホームページから過去2年分の金額を調べたところ、
2012年は3,812万円、2013年が3,733万円。
で、今回の報道にあるように2014年が3,678万円ということです。
(アベノミクス効果で賃上げが進む日本社会にあってプロ野球界は逆の結果となった訳ですね)
この背景には、
①スター選手の海外移籍
②過去に高額年俸をもらっていたベテラン選手の低価格化、
③中日落合GMの厳冬契約更改などがあると考えられますが、
重要なのはより長いスパンで傾向を読み取る事。
そこで、プロ野球選手会が公開している調査を開始してからのデータをグラフに落とし込んでみました(下の図を参照)。
そうすると、
①調査が始まった1980年から2004年に至るまで金額は順調に増加
②2011年に平均選手年俸の過去最高を記録(3,931万円)
③過去10年間は平均選手年俸が増減を繰り返している
という事が読み取れます。
一方、日本人選手の移籍も多く所属するMLBは、
過去10年で比較すると日本の傾向とは大きく異なる事がわかります。
前提として、MLB選手の平均選手年俸は、2013年で339万ドル。
1ドル100円として3億3900万円と、日本の約10倍にあたります。
そして、この金額は過去10年間で100万ドルほどアップしています。
つまり、10年で選手平均年俸が1億円上昇した、ということです。
「この違いを生む仕組みの違いは一体どういうものなのか?」
リーグビジネス、球団ビジネス、契約交渉、フリーエージェント、放映権ビジネス、
野球を取り巻く文化や歴史の相違などなど、いくつもの角度から分析する事が可能です。
10年前と異なり、わが国でもたくさんの資料が手に入るようになりました。
ネットを活用すれば、様々な情報、データが入手でき、分析が可能になります。
スポーツビジネスを学ぶ学生さん達は、是非こうした疑問を自分なりに解消したり、
新たな問いに出会ったりできるようになってほしいと思います。