創元推理文庫からカーの「蝋人形館の殺人」新訳版が出ました。
こんな話だったのかと新鮮な気持ちで読んでいます。
(ポケミス版を読んだときは、どんな話なのかさっぱり分からなくて…)
雰囲気が横溝正史の『三つ首塔』を思わせるのは、
退廃したパリの夜が、戦後の混乱時となんだかダブるからか。
訳者がディー判事ものの和邇桃子さんで、
文体も乱歩や正史を思わせるのは、そのあたりの線を狙ったんでしょうか . . . 本文を読む
「海底2万海里」ファンとしては、昔から気になっていた「海底5万マイル」。
古書店で安く売っていたので衝動買いしました。
しおりがまったく使われていないようなので、ショタレか在庫品ですかねえ。
ところで、東映動画には石森章太郎原作の劇場アニメ「海底3万マイル」という作品がありました。
海底3万マイル 予告編
「海底2万海里」とも「海底5万マイル」ともまったく関係ない話で、
海底国と地底国 . . . 本文を読む
本格ヲタクからすると、自分のエリアに引っ張りたい気持ちは分かるけれど、
本格ミステリなのかなあ。
面白いんですけどね。
因数分解したら、
サスペンス(収容所からの脱出)+
本格ミステリ(犯人とスパイ探し)+
戦争小説(収容所の生活描写とイタリアからスイスへの脱出行)
のミクスチャーノベルですかねえ。
どの線が本筋かと言われれば、サスペンスか戦争小説のどちらかで、
ミステリの部分は本筋に従属し . . . 本文を読む
昔の創元の解説を読むと、
「おどろおどろしいオカルト秘密結社の暗躍を描いた話」
というように思えてしまうのは私だけでしょうか。
そこで思いきって読んでみたのですが、こ、これは?
創元版の「木曜の男」を訳しているのは吉田健一だけど、文章がちょっとヘン。
しかし、後半になるとそのヘンな文章にも慣れてくるから不思議。さすが。
それはそれとして、オカルトはどこに行ったんでしょうか。
これはただのドッキリ . . . 本文を読む