ADONISの手記

主にADONISが書いた二次小説を公開しています。リンクフリーです。
ハーメルンとマルチ投稿しています。

ゼルマ・グーデリアン(まぶらほ)

2015年11月15日 23時12分40秒 | 小説

 私はゼルマ・グーデリアン大尉。『まぶらほ』という世界で歴代のMMM第五装甲猟兵侍女中隊中隊長の一人として名前だけ存在する人間だったりする。

 このMMM(もっともっとメイドさん)とは、地球上からメイドが消えることを危惧した有志たちによって『まぶらほ』世界の1926年にロンドンで結成された趣味性の高い団体である。

 元の私はメイド好きのオタク男だったのですが、気が付けばこの世界のドイツ人美女に憑依してしまった。憑依当初は他人に憑依、TS、異世界転移などの異常事態に混乱したものの、この世界があの『まぶらほ』の世界であることに気付いた私はMMMでメイドを極めることにしました。

 この業界はかなり厳しくて辛かったのですが、メイドを愛する心が私を大いに支えてくれて、原作で登場したMMM第五装甲猟兵侍女中隊中隊長になりました。その後もメイド技術競技会では六回目の総合優勝を飾るという大活躍をして上に、金髪の美人ドイツメイドとして非合法写真集が出た事もあった。

 そんな私ですが、部下にスーパーメイドのリーラがいたことから、私がもっともっとメイドさん解説で名前だけ登場した歴代の第五装甲猟兵侍女中隊長の一人であったことを思い出しました。

 このリーラは順調に育っており、近いうちに中隊を任せられるようになったので、私が引退する時期が迫っていることを悟りました。

 これはメイド編の流れだけでなく、私の個人的な都合もあります。といっても別に結婚するというわけではなく、この世界でメイドを続けていくのに限界が来ていたからです。

 実は私は監察軍というトリッパー支援組織と接触しており、彼らの技術を用いた延命処置(ゴッド・ブレスという特殊なナノマシンによる不老長寿)を施しています。その為、私の外見年齢が17歳で固定されて外見と実年齢がずれているので、これ以上メイドとして人目に付き続けると怪しまれてしまいます。

 ここで、それならば延命処置なんかしなければいいじゃないか、と思う人もいるかもしれません。ですが、よく考えてみてください。外見年齢30~40代女性のメイド姿が似合うと思いますか?

 正直言うとメイドさんは10代から20代が限界だと思うのですよ。萌えにも旬があって、薹が立つと駄目なのです。

 メイドの道を究めようにもこの壁が大きく、困った私はデメリットに目をつぶって10代の若さを保つために延命処置を施すことにしたわけです。

 ここでメイドを引退と言ってもまぶらほ世界での話であって、よその世界では違います。というわけで、監察軍に所属するようになってからはメイド好きのトリッパー達と一緒に新生MMMを立ち上げることになりました。

 しかし、トリッパーといってもMMMのようにメイドを中隊規模で雇う者はいなかった。

 確かに普通に考えればメイドは一人か二人いれば事足りるので、そこまで過剰な人数のメイドさんを雇用する必要はなかったりする。その為、新たなMMMに所属するトリッパーであってもメイドを数人しか雇わないのだ。

 これに不満を持った私は駄目元で中隊規模のメイドを雇えるご主人様を探すことにした。

 

「それで、貴族に中隊規模のメイドを雇用させて欲しいの?」

 私の申し込みにブリタニア帝国皇帝シドゥリは呆れていた。

「はい、ブリタニアの封建貴族であれば中隊規模のメイドでも雇うことは問題ないと思うのですが?」
「それは、そうでしょうけどね」
 と、シドゥリ様は苦笑した。

 ブリタニアの封建貴族は有人惑星が存在する星系を領地にしている。つまり現代で言えば太陽系を丸ごと領地にしているトンデモ貴族であった。その為、その力はとても大きく、伯爵以上の貴族だと抱えている屋敷も一つや二つではないし、雇用するメイドはすごい人数になる。それを考えれば、MMMの装甲猟兵侍女中隊を雇うのも可能そうに見えた。

「でもね。彼女たちはメイドの身元確認には神経を使っているから外部組織の影響下にあるメイドを雇うのは嫌がるわ。でも、だからといってブリタニア人のメイドたちがMMMの会員になるとも思えない」

 確かにブリタニア貴族は多くの人間を雇用しているが、貴族たちが雇った執事やメイドなどの使用人が、内部情報の流出や横領などの問題を起こす恐れがある。その為、貴族にとって使用人たちの信用は能力以上に大切で、そうなると監察軍のような異世界人が関わっている外部組織に所属するメイドを雇用する貴族がいるわけがなかった。

 それならブリタニア貴族がMMMに所属すればいいと思うかもしれないが、ブリタニア貴族は全員女性の上にブリタニアには萌え文化はない。その為、ブリタニア貴族にトリッパーのようなメイド好きはおらず、誰もMMMに所属していない。監察軍内部のメイド愛好団体にわざわざ所属するような物好きな貴族がいなかっただけであるが。

「やはり無理ですか?」
「無理よ。中隊に拘らず少人数体制でやるしかないわ」

 そのシドゥリ様の言葉に私は思わずため息を吐いてしまう。やはりMMMはこの世界に合わせて形を変えるしかなく、原作の様な中隊規模の活動は出来なくなるようだ。

 こうして、私はメイドの育成とMMMの運営に力を注ぐことになったが、監察軍がアンドロイドを実用化していた事からメイドロボという新しいジャンルが登場していて、MMM内部にメイドロボを好む派閥が登場することになる。

 

解説

■ゼルマ・グーデリアン
 ライトノベル『まぶらほ』の世界のドイツ人女性に憑依したトリッパー。憑依型トリッパーなので転生特典はもっていないが、素で金髪の美少女ドイツメイドなので、メイドとして優秀な能力を持っている。監察軍でメイド好きのトリッパー達をまとめ上げてMMM設立を行ったが、原作のように中隊規模でメイドを雇う者はいなかったので、MMMといっても原作とは組織体制が大きく異なっている。

 


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (スペースマソ★)
2014-04-11 13:47:16
>確かに普通に考えればメイドは一人・が・二人いれば事足りるので

確かに普通に考えればメイドは一人・や・二人いれば事足りるのでそこまで

>雇用するメイド・の・凄まじい人数になる。

雇用するメイド・は・凄まじい人数になる。
返信する
返信 (ADONIS)
2014-04-11 16:10:57
>スペースマソ★さんへ
誤字報告ありがとうございます。早速修正しました。
返信する
感想と誤字報告 (目玉)
2014-04-12 15:04:23
まあ、雇用する人間が沢山いれば犯罪人も出ますよねそれに、ブリタニア帝国の貴族はかなりの重要人物ですし屋敷の維持くらいならまだしも身の回りの世話をする奴が身元が不確かだと不安でしょうね。

誤字報告

この世界があの・まぶらぶ・の

この世界があの・まぶらほ・の

更新お疲れ様です。
返信する
返信 (ADONIS)
2014-04-12 19:44:13
>目玉さんへ
ブリタニアでは、不正がなくても口が軽い使用人の所為で余計な噂が流れてしまって迷惑をこうむった貴族がいます(ブリタニア貴族は一代限りの貴族とはいえ面子はそれなりに重い)。
そんなわけで口が堅くて信用できる人間でないと貴族は雇いません。

それと、誤字報告ありがとうございます。早速修正しました。
返信する

コメントを投稿