ADONISの手記

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ハーガン

2016年06月05日 21時19分12秒 | 小説

シドゥリ暦2025年

 ブリタニア帝国では治安維持のための機動隊の再編成が検討されていた。機動隊といえば集団でゴツイ装備に警棒に盾を装備して治安維持や暴動などに対処する警備警察の部隊である。

 一応、ブリタニア帝国では治安維持のために現代日本のように一般人が武器や爆発物などの危険物を所持することが禁止されており、軍、警察、貴族が光線銃などの武器を所持できる事になっている。

 しかし、次元漂流者や魔法資格者による魔法犯罪にも対応する必要がある為、そのような装備では不十分なのは明白であったことから新装備が開発されることになるが、そこで要求されたスペックは空戦S+ランクの魔導師ならびに騎士に対抗しうる性能だった。

 これはブリタニアの魔法資格者が総じて高ランクの魔力資質を有していた事から高ランク魔導師に対抗できない装備など必要とされなかったからだ。

 ここで実際の戦闘を想定すると、まず都市部での地上戦と空中戦が行われることが予想される。これは騎士や魔導師は空で戦闘できるが人間である事から地上でも戦えるからだ。その為、彼らと同じように地上と空中で戦える兵器が求められた。

 単純に空陸で戦える兵器ならば可変戦闘機を使えばいいと思うかもしれないが、あれは恒星間戦争用の機動兵器として開発しただけに対人戦にはあまりにもオーパースペック過ぎる上に、そのサイズが大きすぎて小回りが利かず、都市部などの複雑な地形では戦いにくいのだ。

 そこで参考モデルは『メガゾーン23』で登場する小型ロボットのハーガンが選ばれた。ハーガンはガーランドのように4m以下でありながらも変形までできるが、この可変機能は明らかに無駄なのでオフミットして、生産性と整備性を向上させた。

 また、更なる生産性と整備性の為に動力はパワーエクステンダー(バッテリー)と、重力波ビーム受信機(無線エネルギー受信)を採用した。この組み合わせはブリタニア帝国と監察軍では自動車などの車両全般に使用されており、それらのインフラを流用するだけですむから低コストなのだ。ついでにハーガンが重力波ビーム送信の範囲内でしか使えない為に、重力波ビーム送信器を取り付けた空中要塞スサノオ(見た目は『マブラブ』のXG-70)を同時に製作しておいた。

 攻撃兵装は魔導師のバリアジャケットやシールドを破る為にビームライフル、ビームサーベル、レーザーライフルなどでまとめられている。というのも、魔導師のバリアジャケットはそれなりの防御力があるので小銃の実体弾程度では突破できず、シールドともなれば12.7mm弾でも破れないからだ。その為、実体弾ではなく桁違いの貫通力をもつビーム兵器を採用している。また、レーザーライフルは殺傷モードと非殺傷モードに切り替えが出来る為に治安維持活動では使い勝手がいいので採用していた。

 防御兵装は装甲に超合金ニューZαを用いて、更にAMF(アンチマギリンクフィールド)、シールドバリアー、絶対防御によって守りを固めている。といっても、この程度ではブリタニア帝国軍では心もとないが、生身の人間に過ぎない騎士や魔術師の攻撃ならばこのハーガンを破壊することはまず不可能だろう。

 こうして試作されたハーガンは生産性、整備性、操作性に長ける名機となった。言うまでもないがいい兵器の条件という物はどの世界でも変わらない。ガンダムのように一点物のカスタム機など軍や警察ではゲテモノでしかないのだ。

 後にハーガンは騎士として破格の強さを誇るブリタニア貴族との模擬戦でかなりの戦闘能力を発揮して高評価を得た為に正式にブリタニア帝国の機動隊に採用され、魔法犯罪を行った魔法資格者たちの討伐に猛威を振るう事になる。

 

解説

■ガーランド
『メガゾーン23』で登場した主役級メカ。4mにも満たないサイズでありながらもバイクから人型に変形する驚異のメカニズムであるが、実用面で考えると無駄な機能だと言える。

■ハーガン
『メガゾーン23』で登場した敵メカ。ガーランドと同じく可変機能があるが、その機能の有効性には大いに疑問がある。パートⅡでは可変機能をオフミットした宇宙戦闘用スペースハーガンが、パートⅢではマシンソルジャーという名称で登場している。ブリタニア帝国のハーガンはこのパートⅢのハーガン(マシンソルジャー)を参考にしている。

■パワーエクステンダー
『機動戦士ガンダムSEED』の世界でモルゲンレーテ社が開発したMS用大容量バッテリー。この世界のバッテリー技術はかなり優れており、ブリタニア帝国では民生品として広く使われている。

■重力波ビーム受信機
『機動戦艦ナデシコ』の世界で人型戦闘機エステバリスに採用された動力源。エステバリスはエンジンを搭載せずに外部から重力波ビームを受信することでエネルギーを確保することで小型軽量化に高出力化という矛盾した性能を両立させる事に成功している。ブリタニア帝国では民生技術として自動車などに採用されている。

■空中要塞スサノオ
 監察軍が重力波ビーム送信インフラ内でしか使えないハーガンの欠点を埋める為に開発した空中要塞。最初は『機動戦艦ナデシコ』のジンタイプをモデルに作ろうとしたが、「無理に人型にする必要なんてないよね」という真っ当な意見から『マブラヴ』のXG-70をモデルにした空中要塞となった。

■超合金ニューZα
『マジンカイザー』の世界でマジンカイザーに用いられている装甲材。マグマの熱に耐え衛星軌道上からの落下の衝撃にも無傷と言う破格の防御力を有する。といっても、ハーガンのサイズから装甲はどうしても薄くなるので防御力は心もとない。

■AMF(アンチマギリンクフィールド)
『魔法少女リリカルなのはStrikerS』でガジェットに用いられている防御手段。本来は魔力結合を阻害するAAAランクの高位防御魔法であるが、それを機械的に再現している。当然ながらハーガンやそのパイロットは魔力を用いないのでAMFの悪影響を受けない。

■シールドバリアー
『IS 〈インフィニット・ストラトス』でISに用いられている防除手段。操縦者を守るためにISの周囲に張り巡らされている不可視のシールド。攻撃を受けるたびにシールドエネルギーを消耗するが、ハーガンの場合は重力波ビームによってエネルギーをチャージされるためにエネルギー切れになることはない。

■絶対防御
『IS 〈インフィニット・ストラトス』でISに用いられている防除手段。シールドバリアーが破壊されて機体に攻撃が通ることになってもこの機能によって攻撃を受け止めてくれる。これを使用するとシールドエネルギーが極端に消耗するが、ハーガンの場合は重力波ビームによってエネルギーをチャージされるためにエネルギー切れになることはない。

 


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