粗忽な夕べの想い

落語の演目(粗忽長屋)とモーツアルトの歌曲(夕べの想い)を合成しただけで深い意味はありません

サザエさんとカルト

2013-03-26 14:16:43 | 煽りの達人

タイトルに挙げた両者は普通は全く結びつかない。Wコロンの「なぞかけ」でも難儀するだろう。しかし、反原発の過激派木下黄太氏ならば、「整う」のも容易いようだ。3月25日ブログで来週放映予定のテレビアニメ「サザエさん」の番組内容に食ってかかった。

実は24日の「サザエさん」で次週に「サザエさん一家の福島旅行」をテーマにした特番を放映するという予告があったことに対して、彼が「違和感」をブログで表明したのだ。

今、放射性物質の影響を考えると、福島県内にわざわざ家族旅行を行うことは妥当ではありません。

…国民アニメによる露骨な誘導だろうと思います。こうしたことを一つ一つ積み重ねて、放射能は大きく問題がないという意識をさらに植え付けようとしているとしか思えません。

この国民アニメで「放射能は大きく問題がないという意識」を視聴者に植えつける。それこそ「露骨な誘導」だと彼は見なしている。最後には「国家的の謀略」にまで話が及ぶ。

挙国一致が国是の日本とすれば、国民アニメ「サザエさん」を洗脳装置として、家族で福島旅行キャンペーンを行うのは、むしろ遅かった言うのかもしれません

日本で、前々から連なっていた「柔らかいファシズム」も本当に明確な姿をかたちづくってきています。まさにカルト帝国日本という様相を呈しています。

いやはや、世に言う反原発過激派の「想像力」は尋常ではない。武田中部大学教授から山本太郎君に至までその傾向は強いが、この人の想像力は「壮大」そのものだ。「柔らかいファッシズム」、そして冒頭に挙げた「カルト」帝国日本が加わってなぞかけが「整う」次第だ。

確かにサザエさん一家の福島旅行は福島の安全をピーアールするという意図をもって制作されたといえなくもない。メインスポンサーが東芝ということからも頷ける。ただそれがどうして「ファッシズム」や「カルト」に結びつくのか、あまりにも論理が飛躍している。

おそらく、番組ではいまだ福島ということで風評被害が絶えない現状を憂いてそれを払拭したいという番組スタッフの思いから企画されたのだろう。こうした人気アニメでそれをソフトに伝えることは、政治家や学者が伝える以上に一般視聴者には効果的で意義があるだろう。

福島県内の空間線量は警戒区域を除けば、もはや子供も含めて問題のないレベルになってきている。日常生活の外部被曝はもっと低い。まして数日間の旅行なら、問題にすることすらおかしい話だ。

これがどうしてファッシズムになるのか。カルトに至っては、誰のことをいているのかと疑ってしまう。木下黄太氏は東日本は汚染されていると煽り、首都圏からの自主避難まで勧める。これが無駄な避難であるばかりか、夫婦や親族といった血縁、故郷という地縁を引裂く。子供は、親の特殊な情緒のために振り回される。一部の親、特に母親の放射能忌避は、もはや信仰に近いほどの盲信へと進んでいく…。こうした症候をカルトというのではないか。

となれば、カルトの教祖という存在は誰になるか、自ずと知れてくる。木下黄太氏は「サザエさん特番」という「鏡」で結局を自分の姿をつい見つめてしまったというべきか。あるいは、ブーメラン効果といえるかもしれない。

サザエさん一家は東京世田谷在住という。放射能に敏感な区長さんだから、日頃環境的に精神的ストレスを感じることもあるかもしれない。そんな一家にとっては、福島の自然はそれを癒すのに充分だろう。特に3歳のタラちゃんにはおいしい空気と食事は発育にはプラスのはずだ。どんな旅行になるか来週のテレビが楽しみだ。

この際だから、バカボン一家の友情出演なんてのはどうだろうか。タラちゃんとハジメくん、カツオとバカボン、年も近いし話も合いそうだ。ひょっとしてバカボンがわかめちゃんに淡い恋心?バカボンのパパはどうなのか。もしかしてスパリゾートハワイアンズで踊り子さんのフラに見惚れて、本人が飛び入りで舞台に上がって踊る、なんていう悪のりがあったりして。


お詫び:サザエさんの「福島特番」は再来週の47日でした。大変失礼しました。首が伸びきってしまいそうです。


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