前回取り上げた今年6月20日付朝日新聞の記事「いま聞く A級戦犯の声」のリードにはこうある。
しかし、「集団的自衛権をめぐる議論」とA級戦犯に何の関係があるのだろうか。
A級戦犯すなわち「平和に対する罪」を問われた者たちは、集団的自衛権に基づいて戦争を起こしたのだろうか。
もちろん違う。
わが国が保有していた南満州鉄道の爆破を自作自演して満洲事変を起こし、中国に駐屯していたわが軍に対する攻撃をきっかけに支那事変を起こし、経済制裁に対して「自存自衛の為」と称して対米英蘭戦を起こしたのである。
いずれも、個別的自衛権に基づいて戦争を起こしたのである。
昨今の朝日新聞を読んでいると(朝日だけではないだろうが)、従来の個別的自衛権の行使のみであればわが国は平和だが、集団的自衛権の行使容認は「戦争ができる国」になることであり「戦争への道」だといった主張が幅をきかせている。
「殺さない軍隊」である自衛隊が「殺す軍隊」になるんだとか何とか。
何を根拠にそんなことが言えるのかさっぱりわからない。
個別的自衛権しか行使できなくとも戦争になる時にはなるだろうし、集団的自衛権が行使できるようになっても常に戦争に参加するとは限らないからだ。
今月5日付朝日新聞の連載「日本はどこへ 集団的自衛権」第4回は、古谷浩一・中国総局長が「対日強硬派 利する危うさ」と題して次のように述べている。
しかし、「朝鮮半島にいる自国民の保護との名目で、日本軍が出兵していた」のは個別的自衛権によるものである。集団的自衛権とは関係ない。
今回のわが国の動きに対して、韓国政府は、朝鮮半島の安全保障に影響を及ぼす事案では、韓国の同意がない限り、日本の集団的自衛権行使は容認できないとしている。しかし、一般論としてわが国の集団的自衛権行使を容認できないとしているのではない。例えば北朝鮮が再度韓国に侵攻してきた場合、韓国の同意があれば、半島でわが国が韓国を支援することも容認するのだろう。
仮に中国に対してわが国が集団的自衛権を行使するとすれば、それは、中国が他の国を侵略し、かつ、中国が国連安保理の常任理事国として拒否権を有しているため、国連の集団安全保障が機能しない場合だろう。つまり、中国と某国の間で既に戦争は始まっているのだ。その状況下で「戦争はいやだ」と言ったところではじまらないだろう。この元労働者が集団的自衛権を正しく理解した上で発言しているとは思えない。
今月1日、中国外務省の副報道局長は「我々は日本国内に強烈な反対の声があることを注視している」と述べたという。そうした「反対の声」の方がよほど「中国内部の対日強硬派を利」しているのではないか。
自ら他国の警戒を招くような報道をしておきながら、「やるべきだったのは、この地域の民の感情に気を使い、説明を尽くし、不信を解いていく努力ではなかったか」などとよく言えたものだと思う。
第2次世界大戦の終結から11年後の1956年、ラジオ番組でA級戦犯となった政治家らの声が流れた。「敗戦は我々の責任じゃない」。それから58年。国会では集団的自衛権をめぐる議論が大詰めを迎える。戦争に関わった人たちの言葉を見つめ直し、いま何ができるのかを考えたい――。声の音源をDVDに収め、共有しようとする動きがある。
しかし、「集団的自衛権をめぐる議論」とA級戦犯に何の関係があるのだろうか。
A級戦犯すなわち「平和に対する罪」を問われた者たちは、集団的自衛権に基づいて戦争を起こしたのだろうか。
もちろん違う。
わが国が保有していた南満州鉄道の爆破を自作自演して満洲事変を起こし、中国に駐屯していたわが軍に対する攻撃をきっかけに支那事変を起こし、経済制裁に対して「自存自衛の為」と称して対米英蘭戦を起こしたのである。
いずれも、個別的自衛権に基づいて戦争を起こしたのである。
昨今の朝日新聞を読んでいると(朝日だけではないだろうが)、従来の個別的自衛権の行使のみであればわが国は平和だが、集団的自衛権の行使容認は「戦争ができる国」になることであり「戦争への道」だといった主張が幅をきかせている。
「殺さない軍隊」である自衛隊が「殺す軍隊」になるんだとか何とか。
何を根拠にそんなことが言えるのかさっぱりわからない。
個別的自衛権しか行使できなくとも戦争になる時にはなるだろうし、集団的自衛権が行使できるようになっても常に戦争に参加するとは限らないからだ。
今月5日付朝日新聞の連載「日本はどこへ 集団的自衛権」第4回は、古谷浩一・中国総局長が「対日強硬派 利する危うさ」と題して次のように述べている。
「戦争はいやだ。(集団的自衛権には)反対」。戦中、日本に強制連行された元労働者の一人、張世傑さん(88)は北京の自宅で、そう短く語った。韓国からも、再び朝鮮半島に日本の軍靴が響くことは許さない、といった懸念の声が伝えられる。
今回の安保政策の転換によって、この地域の民衆レベルで「再び戦争をしようとしているのは日本である」といった警戒感が高まっているのは事実である。
「(戦争は)断じてあり得ない」と安倍首相が語っても、それは響かない。
日本の侵略や植民地支配の記憶は、今も深く刻まれている。当局の反日プロパガンダと片付けるわけにはいかない。慰安婦や靖国参拝といった歴史問題での安倍首相の言動に対する不信が、こうした感情をことさら敏感にさせている。
今月下旬に、日清戦争の開戦120年を迎える。人々が思い起こすのは、朝鮮半島にいる自国民の保護との名目で、日本軍が出兵していたという歴史である。
〔中略〕
安倍政権がやるべきだったのは、この地域の民の感情に気を使い、説明を尽くし、不信を解いていく努力ではなかったか。
日本への警戒の高まりは、かえって中国内部の対日強硬派を利する危うさをはらんでいる。十数億人に上る東アジアの人々を敵に回すような「抑止力」はむしろ、日本の安全を脅かしかねない。
しかし、「朝鮮半島にいる自国民の保護との名目で、日本軍が出兵していた」のは個別的自衛権によるものである。集団的自衛権とは関係ない。
今回のわが国の動きに対して、韓国政府は、朝鮮半島の安全保障に影響を及ぼす事案では、韓国の同意がない限り、日本の集団的自衛権行使は容認できないとしている。しかし、一般論としてわが国の集団的自衛権行使を容認できないとしているのではない。例えば北朝鮮が再度韓国に侵攻してきた場合、韓国の同意があれば、半島でわが国が韓国を支援することも容認するのだろう。
仮に中国に対してわが国が集団的自衛権を行使するとすれば、それは、中国が他の国を侵略し、かつ、中国が国連安保理の常任理事国として拒否権を有しているため、国連の集団安全保障が機能しない場合だろう。つまり、中国と某国の間で既に戦争は始まっているのだ。その状況下で「戦争はいやだ」と言ったところではじまらないだろう。この元労働者が集団的自衛権を正しく理解した上で発言しているとは思えない。
今月1日、中国外務省の副報道局長は「我々は日本国内に強烈な反対の声があることを注視している」と述べたという。そうした「反対の声」の方がよほど「中国内部の対日強硬派を利」しているのではないか。
自ら他国の警戒を招くような報道をしておきながら、「やるべきだったのは、この地域の民の感情に気を使い、説明を尽くし、不信を解いていく努力ではなかったか」などとよく言えたものだと思う。
前提条件は、日本の領土と国民です。
アメリカ人、韓国人、他を守るためにと
日本人を国益にそぐわない戦争が出来るように導こうというのが【集団的自衛権】です。
この法案は敵を増やすだけで、日本を守りません
イラク戦争は正しかったですか? ベトナム戦争は?
この法案があったら日本も参戦してましたよ。
朝鮮半島の戦争に自衛隊を使いたいんですか?
>前提条件は、日本の領土と国民です。
私の記事を読んでいただいた上でのご意見でしょうか?
わが国はかつて、個別的自衛権に基づいて満洲事変、支那事変(日中戦争)、対米英蘭戦(太平洋戦争)を起こしたのです。
これらの戦争が国益にかなったとお考えですか? 私はそうは思いません。
>アメリカ人、韓国人、他を守るためにと
>日本人を国益にそぐわない戦争が出来るように導こうというのが【集団的自衛権】です。
他国を守ることは日本の国益にそぐわないのでしょうか?
確かに、そうした場合もあるでしょう。しかし、そうでない場合もあるのではないですか?
>この法案は敵を増やすだけで、日本を守りません
「この法案」とはどの法案のことでしょうか? 集団的自衛権に関して、まだ何の法案も提出されていないと思いますが。
>イラク戦争は正しかったですか? ベトナム戦争は?
>この法案があったら日本も参戦してましたよ。
私はイラク戦争やベトナム戦争が必ずしも誤った戦争だったとは考えていませんが、それはさておき、集団的自衛権の行使が憲法上容認されていれば、何故わが国がイラク戦争やベトナム戦争に参戦していたはずだと言えるのですか?
米国と同盟関係にある国は多数ありますが、その全てがイラク戦争やベトナム戦争に参戦していましたか?
集団的自衛権の行使を容認することと、行使を義務づけることとを混同していませんか?
>朝鮮半島の戦争に自衛隊を使いたいんですか?
私は権力者ではありませんから、自衛隊を「使」うなどという発想はありませんが、仮に再び北朝鮮が韓国に侵攻してきたとしたら、わが国は韓国を軍事的に支援すべきだと思います。
あのような体制の跳梁をこれ以上許すべきではありません。
仰る通り集団的自衛権は他国の武力行使の確認とそれに対する要請がないとできないので個別的自衛権の方が遥かに濫用の危険性が大きいです