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「鳩山邦夫氏、新党結成意向」との報道を読んで

2010-03-15 07:24:03 | 現代日本政治
坂本龍馬をやりたい…鳩山邦夫氏、新党結成意向(読売新聞) - goo ニュース

 自民党の鳩山邦夫・元総務相は14日、フジテレビの番組で「覚悟は完全にできている。新党がいかに大変か経験しているが、その苦労をもう一回やってみようと思っている」と述べ、自民党を離党し、新党を結成する意向を表明した。

 結党の時期は「参院選を堂々と戦えるタイミング。連休前でしょうか」として、大型連休前の4月末を示唆した。政党助成法で定める政党要件を満たす国会議員5人の参加のメドは立っているとし、「与謝野(馨・元財務相)さん、舛添(要一・前厚生労働相)さん、みなが一緒になれるよう、私は坂本龍馬をやりたい」とも強調した。新党結成の理由は「自民党は賞味期限切れだ。非常に古臭いしがらみを持っている。いまだに派閥政治をしている」と説明した。

 この後、福岡県久留米市内で記者団に「民主党のポピュリズム(大衆迎合)政治では、景気、財政は悪化する。政界再編の力を借りないと、日本を安定軌道に戻せない」と語り、民主党との連携は否定した。

 鳩山邦夫氏は1993年に自民党を離党、94年の新進党結党に参加し、96年には兄の鳩山由紀夫氏(現首相)とともに旧民主党を結成した経歴を持つ。今回の発言について、自民党の谷垣総裁は14日、沖縄県名護市内で記者団に「中でいろいろ議論していただくのは結構だが、外に向かってこういうたぐいの発信をするのは極めて遺憾だ」と、不快感を表明した。

 一方、同じフジテレビの番組で、みんなの党の渡辺代表は「理念も、政策も違う人と一緒にはできない」と述べ、邦夫氏との連携に否定的な考えを示した。


 いや、あなたも「賞味期限切れ」ではないかな。

 「みなが一緒になれるよう、私は坂本龍馬をやりたい」というのは、つまりは薩長同盟の仲介者のような役割を果たしたいと言いたいのだろう。
 しかし、鳩山邦夫がこれまでに一度だってそのような役割を果たしてきたことがあるのだろうか。
 私には、単独行動とスタンドプレーを乱発し、迷言で名をはせた人物という印象しかない。
 ウィキペディアなどを参考に鳩山邦夫の経歴をまとめてると、次のようになる。

 1976年、新自由クラブ推薦で衆議院議員初当選。のち自民党入りし、田中派に参加。
 1991年、宮沢内閣で文相(~1992)。業者テストの廃止を決定。
 1993年、宮沢内閣の不信任案採決を前に自民党を単独で離党。内閣不信任案は可決され、宮沢内閣は衆議院を解散。鳩山邦夫は総選挙に無所属で当選、自民党離党者による会派「改革の会」に参加し、1994年の新進党結成に参加。
 1996年には新進党を離れ、兄・由起夫や菅直人らによる旧民主党の結成に参加(そのまま現民主党に参加)。
 1999年には民主党を離れ、無所属で東京都知事選に立候補、石原慎太郎に敗れる。
 2000年、自民党に復党。
 2006年、かつての古巣である田中派を継承した津島派入り。
 2007年、安部改造内閣で法相。福田康夫内閣でも留任。「友人の友人がアルカイダ」、死刑執行「ベルトコンベア」発言で話題に。
 2008年、津島派の会長代行に。同年、麻生内閣で総務相に。
 2009年、日本郵政の西川善文社長の進退をめぐり総務相を辞任(事実上の更迭)。

 私は、自民党は小泉路線に対する評価をめぐってニュー自民党(小泉路線支持派)とオールド自民党(同反対派)に分裂した方がすっきりしていいと考えている。
 そうすると、鳩山が名を挙げる与謝野や舛添はニュー自民党と言っていいだろうが、郵政民営化路線に抵抗して総務相を辞任した鳩山邦夫は、オールド自民党以外の何者でもあるまい。
 このような人物が「坂本龍馬をやりたい」などと、おこがましいにもほどがあるのではないか。

 鳩山邦夫は東大法学部政治学科卒だと聞く。さぞかし、知力には著しいものがあるのだろう。
 しかしそれにしては、ホームページに掲げられている「理念と政策」が、次のように凡庸かつ空虚なものでしかないのはどうしたわけだろうか。

私の提言2006

 鳩山邦夫は自民党総裁選にあたり、次の提言を発表しました。

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 わが国のトップリーダーを目指す者は、こまごまとした政策を語る必要があるのだろうか?まず、しっかりとした哲学と理念を持ち、あるべき「国のかたち」を語るべきである。そのためには縄文文明以来、自然と共生してきた日本文明のすばらしさを理解しなくてはならない。そして、日本文明の持つ共生の精神を、世界に広げていくことこそ、地球人類の繁栄の永続につながるということを、誇りをもって発信するべきだ。

 残念ながら、明治維新と第二次世界大戦の敗北という二つを契機に、日本は異質の文明を受け入れ過ぎ、とらわれ過ぎてしまった。そのことを素直に反省すべきではないか。日本の首相が第一になすべきことは、情緒豊かで、和を尊ぶ日本文明の本来の姿をとり戻すことである。"和魂洋才"はいい姿だが、最近の日本は弱肉強食、格差拡大、地方切り捨ての"洋魂洋才"社会の様相を呈しているといわざるをえない。効率最優先のドライな文明は、ともすれば、やさしさを欠く非情な政治を作り出す。これは日本文明の破壊につながっていくだろう。 

 日本人としてのアイデンティティの欠如や親殺し、子殺しなどの悲惨な事件の続発、実体経済を離れてM&Aやマネーゲームに狂奔する殺伐とした風潮などは、日本が我が国固有のすぐれた文明を失いつつあることを証明している。

 私の日本文明についての理解は以下の通りである。

 ①日本文明は自然を支配する文明ではなく、「自然と共生する文明」である。

 ②日本文明は稲作を中心とする「永劫の再生と循環を信じる文明」である。

 ③日本文明は敵を作る文明ではなく、「和をなす文明」である。

 ④日本文明は力と闘争の文明ではなく、「美と慈悲の文明」である。

 為政者は、日本の歴史と伝統をふまえ、しっかりとした文明論を持ち、五十年後、百年後の日本のあるべき姿を示さなければならない。

 私はユートピアを否定する。日本文明の行き着くところは、美と慈悲の社会、アルカディア(桃源郷)ともいうべき、森の環境国家の創造であると信じている。


 旧民主党結成時の「排除の論理」ではないが、私は「ニュー自民党」派による新党に鳩山邦夫には加わってほしくないと心から思う。
 この人物は、結局のところ、トリックスターとして終わるのが関の山であろう。

(2010.3.15 20:21追記)
 離党届を提出したとの報が入った。
 上の記事では連休前を示唆したとあるので、何故このタイミングで?と驚いた。
 園田博之も幹事長代理の辞表を提出したという。

鳩山邦夫元総務相が離党届 園田氏は幹事長代理辞任(共同通信) - goo ニュース

 自民党の鳩山邦夫元総務相は15日午後、新党結成を目指すことを理由に執行部に離党届を提出した。園田博之幹事長代理もこの日、大島理森幹事長に役職辞任を申し出、了承された。2人はいずれも執行部を批判、園田氏もこれまで新党結成に言及している。両氏の新党の動きが現実化するかは不透明だが、閣僚経験者の離党や執行部メンバーの役職辞任は谷垣禎一総裁らに大きな打撃。「谷垣降ろし」が活発化する可能性もある。


 園田は与謝野と連携して執行部に揺さぶりをかけたいのであろう。新党結成も視野に入れているだろうがまだその時期ではないだろう。
 鳩山邦夫は平沼グループとでも連携すればいいんじゃないか。

(2010.3.16 23:27 追記)
 毎日新聞のサイトによると、園田は執行部から幹事長代理職の辞任を求められていたのだという。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100316ddm001010012000c.html

一方、園田氏は8日、大島氏に自民党執行部の交代を直訴。これに対し、執行部は園田氏に幹事長代理を辞任するよう求めていた。園田氏は15日に大島氏と会談した際、「民主党政権を倒す目的は一緒だが、進め方について執行部と違う方針を主張した。執行部の外で自民党のあるべき姿を追求したい」との考えを伝えた。


 なら、鳩山の離党とは別の流れの話じゃないか。
 どうして他紙はきちんと報じないのだろう。


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