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独自の解釈に基づく「毛沢東主義」?

2006-12-14 00:44:41 | その他海外情勢
 12日からの『朝日新聞』国際面に、ペルー日本大使公邸人質事件の「10年後の証言」という連載が載っている。
 12日にはフジモリ元大統領、13日には、人質の一員だったが特殊部隊との連絡役を務めたという現副大統領が取り上げられている。
 その13日の記事中、「キーワード」というコラムで「ペルーの左翼ゲリラ」について解説されているが、その冒頭に次のような一節がある。

《独自の解釈に基づく「毛沢東主義」を唱えたセンデロ・ルミノソ(輝く道)と、人質事件を起こしたトゥパク・アマル革命運動(MRTA)が二大組織。》

 「独自の解釈に基づく」ということは、毛沢東主義本来の解釈とは異なるということか?
 いや、「毛沢東主義」にカギカッコが付いているところをみると、「毛沢東主義」と呼ばれるもの自体が、外部勢力の勝手な毛沢東信奉の産物で、そういったものは中国には実在しないということなのか?
 しかし、現在の中国はともかく、かつて毛沢東が世界革命を主張し、各国の左翼勢力の一部がそれに呼応したことは事実だろう。
 ネパール共産党毛沢東主義派が国軍との停戦に応じたとの報道が最近あったが、彼らなども、「独自の解釈」というより、毛沢東思想そのものの信奉者ではなかったか。
 朝日がこうした表現をとるのは、やはり中国におもねっているのだろうか。
 
 


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2 コメント

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Unknown (kuroka91)
2009-08-18 00:06:51
はじめまして、こんにちは

私は、日本における「外部勢力」(=毛沢東主義信奉者)と「民主勢力」とのかかわり合いについて大きな関心を持っているものです。

興味深い(ブログ)記事をありがとうございます。この朝日の新聞記事は私も読んでおります。

ひとつだけ、本新聞記事で「毛沢東主義」とカギ括弧がかけてあるのは、私としては、後述しますが、単なる強調だと思いますし、たとえ深い意味があるとして、「いわゆる毛沢東主義は、文革後ではその意義が否定され、主義とつけるにも値しないくらいのものである」という文脈傾向の方が強いのではないかと思います。

ブログ記事中での<…「毛沢東主義」と呼ばれるもの自体が、外部勢力の勝手な毛沢東信奉の産物、そういったものは中国には実在しないということなのか?>(いや、実在した)というご指摘については、過去においては全く的を射たものだったと思います。しかし、現在の中国には毛沢東主義が(ほぼ)存在しないという状況下、「外部勢力の勝手な信奉の産物に過ぎない」という言説も間違いではないと考えます。

そもそも、新聞記事がこれらのことまで考えて<「毛沢東主義」>と書き表したかどうかははなはだ疑問です。前述しましたが、単なる強調だととらえて差し支えないものと思います。


さいごに、今一度強調しますが、上記以外の、氏の記事中の様々なご指摘(ネパール毛派等)については、私も大きくうなずくものです。以上、長々と失礼しました。
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Re:Unknown (深沢明人)
2009-08-27 00:13:15
どうも、はじめまして。

カギカッコについては、おっしゃるように強調かもしれないし、そうでないかもしれないと思っています。
要するに私としてはこのキーワード解説に中国に対するおもねりを感じたのです。しかしそれは私の考えすぎかもしれません。

最近は滅多に更新できなくなってしまいましたが、たまにのぞいていただければ幸いです。



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